「化学の新研究」を買うべきか、買ったけれど分厚すぎて使いこなせない――そんな受験生と保護者のための一冊まるごと解説です。結論から言うと、化学の新研究は最初から読む「教科書」ではなく、疑問が出たときに引く「化学の辞書」。この使い方を外すと「いらない」「オーバーワーク」になり、正しく使えば難関大・医学部レベルの“なぜ”を一冊で解決できます。この記事では、レベルと到達点、教科書・Doシリーズ・問題集との違い、通読せず引いて使うコツ、そして医学部志望でも全部は要らない合理的な戦略までを、指導現場の視点で整理します。
化学の新研究とは?約900ページの「化学の辞書」
化学の新研究(正式名称:理系大学受験 化学の新研究)は、卜部吉庸(うらべよしのぶ)氏が著し、三省堂が発行する化学の総合参考書です。現在の最新版は2023年に出た第3版で、2022年度以降の高校入学者、つまり新課程に対応しています(出典:三省堂公式書誌情報)。
まず基本スペックを押さえておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 理系大学受験 化学の新研究(第3版) |
| 著者 | 卜部吉庸 |
| 出版社 | 三省堂 |
| ページ数 | 896ページ(A5判) |
| 定価 | 2,970円(本体2,700円+税10%) |
| 発行 | 2023年(第3版・新課程対応) |
| 対象 | 高校生・大学生・一般 |
(出典:三省堂公式・Amazon/2026-07-13確認。定価・仕様は変わる場合があるため購入時に最新情報をご確認ください。)
注目すべきは約900ページというボリュームです。これは1冊の受験参考書としては破格で、「化学の大辞典」と呼ばれることもあります。理由は、教科書が「結論」だけを載せる場面でも、新研究はその現象が“なぜ”起こるのかを、原理までさかのぼって説明するから。コラム的な発展項目「Science Box」(第3版で約50項目を新規執筆・入れ替え)では、高校範囲を超えて大学教養レベルの内容にまで踏み込みます。
つまり化学の新研究は、「解ける」ようにする問題集ではなく、「わかる」ようにする調べもの用の一冊。この性格を理解しておくことが、後述する「正しい使い方」の出発点になります。
化学の新研究の難易度・到達レベルは?
「化学の新研究の難易度は?」という質問は非常に多いのですが、ここには一つ誤解があります。新研究の“難しさ”は、問題が難しいという意味ではなく、扱う情報が深いという意味です。
- 説明のレベル:教科書の一歩先〜大学教養レベルまで。難関大・医学部の「差がつく理解問題」の背景まで解説。
- 前提レベル:まったくの初学者が最初に開く本ではありません。教科書や講義系参考書で一通り学んだ内容の“深掘り・辞書引き”に向きます。
- 到達点の目安:疑問点を新研究で解消し続ければ、難関大〜医学部で問われる思考力・記述問題の下地が固まります(※到達偏差値の具体的な数値は本や使い方で大きく変わるため、ここでは断定しません=目安)。
一言でいえば、難易度が高い本というより「深さのある本」。だからこそ、次に説明する“立ち位置”を取り違えないことが重要です。
化学の新研究の立ち位置|教科書・Do・精講と何が違う?
化学の学習教材は、役割ごとに層が分かれています。新研究がどこに座るのかを、よく比較される教材と並べて整理します。
| 教材 | 主な役割 | 読み方 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| 教科書・講義系(鎌田・福間のDoシリーズ など) | 単元をゼロから理解する | 通読する | まず全体像をつかみたい |
| 傍用問題集・基礎問題精講 | 基礎〜標準の解法を身につける | 解いて周回する | 手を動かして定着させたい |
| 標準問題精講・化学の新演習 | 難関大・医学部レベルの演習 | 解いて周回する | 入試実戦力を上げたい |
| 化学の新研究 | 原理・背景を調べる(辞書) | 引く(通読しない) | “なぜ”が気になる/深く理解したい |
ここで最も混同されやすいのが、同じ卜部氏・三省堂の「化学の新演習」との違いです。名前が似ていますが役割は正反対と言ってよいほど異なります。
- 化学の新研究=解説書(辞書):読んで理解を深めるための本。問題を解く本ではない。
- 化学の新演習=問題集:難関大・医学部向けの実戦演習書。手を動かして解く本。
「新研究を解くのに何時間かかりますか?」「1問に何時間かけるべき?」といった検索が見られますが、これは新研究を問題集だと勘違いしているサインです。新研究には解くべき問題集としての性格はほとんどありません。演習を積みたいなら、次に紹介する化学の新演習や標準問題精講が担当です。
化学の新研究の正しい使い方|「読む」でなく「引く」
化学の新研究を活かせるかどうかは、たった一つの原則にかかっています。「最初から読まない。疑問が出たら、その項目だけ引く」――これだけです。
具体的なステップに落とすと、次のようになります。
1. メイン教材を先に決める:日々の学習は教科書・講義系(Doシリーズなど)と問題集で回す。これが“主役”。 2. つまずいた瞬間に引く:問題演習や授業で「なぜこうなる?」と引っかかったとき、その単元だけを新研究で調べる。 3. 調べた“なぜ”を余白にメモ:問題集や教科書の該当ページに、新研究で得た理由を一言書き足す。次に見返すのは新研究ではなく、その一言。 4. 演習は別の本で積む:理解できたら、標準問題精講や化学の新演習で手を動かして定着させる。
この「辞書引き」を習慣にすると、900ページという分厚さはむしろ武器になります。どんな疑問が来ても“載っている安心感”があり、理解の穴を一冊で塞げるからです。逆に、1ページ目から順に読もうとした瞬間に、新研究は挫折製造機に変わります。
【イエナ独自】化学の新研究の“もったいない使い方”と合理的な戦略
ここからは、指導現場で実際に見てきた「新研究でつまずく人・伸びる人の差」をお伝えします。「化学の新研究 いらない」「デタラメ」「オーバーワーク」といった検索が一定数あるのは事実ですが、その多くは本のせいではなく“使い方のミスマッチ”です。順に解きほぐします。
もったいない使い方①:最初から全部を通読しようとする
最も多い失敗が、900ページを1ページ目から読破しようとするパターンです。新研究は辞書であり、辞書を「あ」から通読する人はいません。通読すれば、時間ばかりかかって問題を解く時間が消え、「分厚いだけで意味がなかった=いらない」という感想になります。これは本の欠点ではなく、使い方を辞書ではなく教科書として扱ってしまった結果です。
もったいない使い方②:受験に不要な深さまで抱え込む(オーバーワーク)
新研究はScience Boxなどで大学教養レベルまで踏み込みます。知的には面白いのですが、その全てが入試に必要なわけではありません。「化学の新研究 デタラメ/間違い」という声の一部も、高校範囲を超えた踏み込んだ記述や、専門的には議論のある簡略化に対するものです。受験生が気にすべきは、“入試で問われる範囲の理由づけ”に絞って引くこと。誤植や正誤情報が気になる場合は、出版社サイトで公表される正誤情報を確認すれば十分で、そこに時間を溶かす必要はありません(※特定の正誤表の有無・内容は要確認)。
合理的な使い方:医学部志望でも「全部」は要らない
医学部・難関大志望であっても、新研究を隅々まで覚える必要はありません。合否を分けるのは網羅量ではなく、「つまずいた単元の“なぜ”を的確に1〜2ページ引けるか」という時間対効果です。私たちが伴走するときも、生徒の弱点単元に対して「ここは新研究のこの項目を引こう」「ここは引かず問題演習に回そう」と、引く場所と引かない場所を仕分けします。この仕分けができると、同じ一冊でも学習効率がまったく変わります。
実際、イエナアカデミーからは東京医科歯科大学(現・東京科学大学)・新潟大学・日本医科大学・東邦大学・埼玉医科大学などの医学部合格者が生まれています(※合格実績は最新のものをご確認ください/合格を保証するものではありません)。共通していたのは、分厚い参考書を“抱え込む”のではなく、必要なところだけ引いて前に進むという戦略でした。
化学の新研究の次にやるべき参考書
新研究で理解を深めたら、手を動かす演習に進みましょう。理解(インプット)と演習(アウトプット)は車の両輪です。
- 難関大・医学部の実戦演習 → 化学の新演習:新研究と同じ卜部氏・三省堂の最上位問題集。理解した“なぜ”を、入試レベルの問題で使えるかどうか試す一冊です。
- 標準〜応用の橋渡し → 化学標準問題精講:難関大・医学部で頻出のテーマを、厳選問題で仕上げる演習書。
- 基礎が不安なら戻る → 化学基礎問題精講/鎌田・福間のDoシリーズ:新研究が難しく感じるなら、いったん講義系と基礎演習に戻るのが近道です。
どの順で組むか迷ったら、化学の参考書全体の並べ方をまとめた化学の参考書ルート(完全ガイド)を先に読むと、自分の位置と次の一手が見えてきます。
独学で伸び悩むなら|医学部志望の伴走という選択肢
化学の新研究は、使い方さえ合えば独学でも強力な武器です。一方で、「どこを引き、どこを引かないか」の仕分けは、化学の全体像が見えていないと難しいのも事実。実際、「分厚い新研究を買ったのに成績が伸びない」という相談の多くは、教材ではなく“戦略”の問題でした。
イエナアカデミーの医学部コースでは、一人ひとりの弱点単元を洗い出したうえで、化学の新研究をはじめとする市販教材を「いつ・どこを・どう使うか」まで含めて設計します。参考書を増やすのではなく、手持ちの一冊を最短で活かす発想です。
- 「新研究を買ったが使いこなせていない」
- 「医学部志望だが、化学のどこまでやればいいか分からない」
- 「独学で伸び悩んでいる/勉強法を見直したい」
こうした方は、まずは無料相談・お問い合わせからお気軽にご連絡ください。現状の学習状況をうかがい、化学の新研究を含めた“あなた専用の使い方”をご提案します。
よくある質問(FAQ)
Q. 化学の新研究とはどんな本ですか?
A. 卜部吉庸氏著・三省堂発行の、約900ページの総合化学参考書です。問題を解く問題集ではなく、化学現象の“なぜ”を原理から解説する「辞書系」の一冊。難関大・医学部レベルの深い理解を助けます。
Q. 化学の新研究のレベル・難易度はどのくらい?偏差値の目安は?
A. 問題が難しいというより「扱う情報が深い」本です。初学者が最初に開く本ではなく、教科書や講義系で基礎を学んだ後の“深掘り・辞書引き”に向きます。到達偏差値は使い方で大きく変わるため、数値の断定は避けています(目安)。
Q. 化学の新研究は必要ですか?いらない人もいますか?
A. 全員に必須ではありません。共通テスト中心や標準レベルまでなら、講義系+問題集で十分なことも多いです。一方、難関大・医学部志望で「理由まで理解したい」人には強力な味方。“通読用”と思って買うと「いらない」になりがちなので、辞書として引く前提で判断してください。
Q. 化学の新研究と化学の新演習の違いは?
A. 新研究は解説書(辞書)、新演習は問題集です。名前は似ていますが役割は別物。理解を深めるのが新研究、入試レベルの演習を積むのが新演習で、併用が基本です。
Q. 化学の新研究は何ページ?読み切るのに何ヶ月かかりますか?
A. 約896ページ(A5判)です。ただし読み切る前提の本ではありません。「何ヶ月で通読するか」ではなく「必要な項目を何秒で引けるか」で考える本なので、通読期間を気にする必要はありません。
Q. 化学の新研究は大学でも使えますか?
A. 対象読者には大学生・一般も含まれ、大学教養レベルの内容にも触れています。ただし主目的は大学受験のための解説書です。大学の専門課程では専用の教科書が別途必要になります。
Q. 「化学の新研究は間違いが多い・デタラメ」という口コミは本当ですか?
A. 900ページ規模の本のため、誤植や、高校範囲を超えた踏み込んだ記述への賛否があるのは事実です。ただし受験生が影響を受ける場面は限定的。気になる場合は出版社が公表する正誤情報を確認し、“入試に必要な範囲の理由づけ”に絞って使えば問題ありません(※特定の正誤情報は要確認)。
Q. 医学部志望に化学の新研究は必要ですか?
A. 「あると心強い」一冊ですが、隅々まで覚える必要はありません。弱点単元の“なぜ”を的確に引く使い方ができれば十分。どこを引き、どこを引かないかの仕分けに不安があれば、無料相談で一緒に設計できます。
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