「古文上達」は、Z会が刊行する古文読解問題集の定番で、レベルの異なる2冊——やさしい方の『古文上達 基礎編 読解と演習45』と、その上に立つ『古文上達 読解と演習56』——が存在します。このページでは、Z会公式の情報をもとに2冊それぞれの対象レベル・到達点・使い方を整理し、「基礎編45と56はどっちから?」「何周すればいい?」「東大や難関大の記述にどうつなぐ?」といった、多くの受験生がつまずくポイントを実データで解説します。単語・文法との学習順や、古文上達の次にやるべき参考書までまとめました。独学で古文の読解を仕上げ切るための地図として使ってください。
1. 古文上達とは?レベル別2冊の基本データ(対象レベル・到達点)
「古文上達」はZ会の古文読解シリーズで、市販されているのは次の2冊です。ここが最初の混乱ポイントなので、まず整理します。
- 古文上達 基礎編 読解と演習45(仲 光雄 著)……やさしい方。文法の総整理から読解へ橋渡しする入門〜標準レベル。
- 古文上達 読解と演習56(小泉 貴 著)……難しい方。入試問題そのものを扱い、難関大の読解・記述までカバー。
書名の数字「45」「56」は、それぞれ収録する読解テーマ・問題の数に対応しています(45=45テーマ/56=基礎編30題+演習編26題の計56題)。注意したいのは、”基礎編”という語が付くのは45だけで、56には付かないこと。名前の印象で「45→56」と自然に見えますが、レベル差は思っている以上に大きく、56は単独で難関大レベルに踏み込みます(関連語:基礎編45と56の違い/どっちから)。
| 書名 | 著者 | 出版社 | 定価(税込・目安) | ページ数(目安) | 対象レベル(目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| 古文上達 基礎編 読解と演習45 | 仲 光雄 | Z会 | 1,100円 | 本体192p+別冊96p | 共通テスト〜日東駒専・中堅私大 |
| 古文上達 読解と演習56 | 小泉 貴 | Z会 | 1,068円 | 本体296p(2色刷) | MARCH・関関同立〜難関国公立・早慶(東大への橋渡し) |
(定価・ページ数はZ会公式の表記に基づく目安。改定・在庫状況で差があるため購入時に要確認)
2冊それぞれの立ち位置
- 古文上達 基礎編 読解と演習45:「集中講義」で文法事項を整理 → 「練習問題」でアウトプット → 「実戦問題」でまとまった長さの古文に挑戦、という段階構成。加えて「読解へのアプローチ」で古文常識や読解の着眼点を学べるのが強みです。文法は一通りやったが、長い文章になると読めないという受験生の“最初の読解問題集”に最適です(関連語:日大レベル/共通テスト)。
- 古文上達 読解と演習56:「入門編(古文上達への道・古文雑学・文法と単語の基礎的事項)→ 基礎編(入試問題の改題による短めの例題30題)→ 演習編(入試問題をそのまま採用した26題)」の3部構成。実際の入試問題で、記述式・選択式の両方を高いレベルで演習できます。国公立二次・難関私大を見据える受験生の一冊です(関連語:MARCH/早稲田/記述)。
到達点の目安:基礎編45を仕上げると、共通テスト〜中堅私大の古文で安定して読める土台(偏差値55前後が一つの目安)。読解と演習56まで仕上げると、MARCH・関関同立〜難関国公立の読解・記述に対応できる力(偏差値60前後が一つの目安)が見込めます。数値はあくまで一般的な学習到達の目安で、個人差があります(=要確認)。
2. 古文上達のレベルと立ち位置|基礎編45と読解と演習56の違い
古文の学習は「単語・文法(知識)→ 読解演習(運用)→ 過去問」という順に積み上がります。古文上達はこのうち読解演習の中核を担う教材で、レベル別に2冊が用意されているぶん、自分の段階に合わせて入口を選べるのが利点です。
| 段階 | 教材の例 | 主な役割 | 偏差値目安 |
|---|---|---|---|
| 単語 | 古文単語315/古文単語ゴロゴ など | 頻出単語を先に固める | 〜50 |
| 文法 | 望月/富井の古典文法・ステップアップノート など | 助動詞・敬語・識別の基礎 | 〜55 |
| 読解演習(基礎) | 古文上達 基礎編 読解と演習45 | 文法知識を長文で運用する | 50〜58 |
| 読解演習(標準〜難関) | 古文上達 読解と演習56 | 入試問題で読解・記述を鍛える | 58〜65 |
| 記述・過去問 | 得点奪取古文・志望校の過去問 | 難関大の記述で得点する | 62〜 |
(偏差値目安は一般的な到達の目安。使用者の状況で前後します=要確認)
基礎編45と56、どっちから始める?
判断の軸はシンプルで、「文法と単語がひと通り固まっているか」です。
- 文法・単語がまだあやしい/古文がやや苦手:まず基礎編45から。集中講義で文法を整理し直しながら読解に入れるので、知識と読解の橋渡しにちょうどよい構成です。
- 文法・単語は固まっていて、MARCH以上・国公立が本命:読解と演習56から入って構いません。ただし56はセンター試験(共通テスト)より上のレベルで、基礎が抜けたまま入ると歯が立たないことがあるため、手応えがなければ潔く基礎編45に戻るのが結局は近道です。
- 難関私大・国公立二次まで狙う:基礎編45 → 読解と演習56の2冊接続が王道。45で読解の型を作り、56で入試レベルの負荷をかける流れが、無理なく難関レベルへ届きます。
古文全体のなかで古文上達がどの位置にあるか、単語・文法から過去問までの並びを俯瞰したい場合は、古文の参考書ルート(完全版)で立ち位置を確認してから始めるのがおすすめです。
3. 古文上達の効果的な使い方|「訳せる→設問に答えられる」までの周回法
古文上達で最も多い失敗は、「現代語訳を確認して丸をつけて終わり」にしてしまうことです。訳が合っていることと、設問(傍線部説明・内容一致・記述)に答えられることは別物。以下の手順で、読解と設問対応をセットで回してください。
古文上達 基礎編45の進め方
1. 集中講義を読み、文法事項を整理する。ここは“知識の総点検”。あやふやな助動詞・敬語・識別があれば、文法書に戻って穴を埋めます。 2. 練習問題・実戦問題を、時間を意識して解く。まず自力で全文の大意をとり、傍線部の設問に答えてから採点します。 3. 答え合わせは「訳のズレ」を主役にする。訳せなかった一文を、単語・文法のどこで詰まったかまで分解して確認。本文を音読して、返り読みせず頭から意味が流れる状態を作ると定着が段違いです(関連語:音読)。 4. 別冊で文法・単語を反復し、次の文章へ。
古文上達 読解と演習56の進め方
1. 入門編で「入試古文の読み方」を入れる。出題の型・古文常識・文法単語の要点をここで再確認します。 2. 基礎編(短文30題)で設問対応の型を作る。短い文章で、傍線部の前後をどう処理するか、記述はどこを拾って書くかを身につけます。 3. 演習編(入試問題26題)で本番の負荷をかける。時間を計り、記述は「何を書けば点になるか」を解説と照合して直す。書いた答案を採点基準と突き合わせることが、56を使う最大の意味です(関連語:記述)。
周回法・期間の目安
- 間違えた問題・訳せなかった一文に印をつけ、印が消えるまで2〜3周が目安。
- 1冊あたり4〜8週間、2冊接続なら3〜5ヶ月が一つの目安です(1日30〜60分・週5日で試算。学習状況で大きく前後します=要確認)。
- 「何周したか」より、初見の入試古文を時間内に読み、設問に答えられるかを進度の基準にしてください(関連語:何周/いつから)。
4.【イエナアカデミーの視点】古文上達で伸び悩む“3つの典型”と東大・難関大からの逆算
ここからは、参考書レビューではあまり語られない「古文上達を使っても伸びない人の共通パターン」を、指導現場の観点で掘り下げます。古文上達2冊はどちらも完成度の高い定番教材です。伸び悩みの原因は本の中身ではなく、たいてい取り組む順番と“出口”の設計にあります。
典型① 文法・単語が固まる前に、読解問題へ突入する
「古文上達 レベル」「難しい」で検索する人の多くは、単語・文法という土台が未完成のまま読解演習に入っているケースです。古文上達は読解“演習”の本で、文法や単語を一から教える本ではありません。土台が抜けたまま入ると、解説を読んでも「なぜその訳になるか」が腑に落ちず、時間だけが溶けていきます。
典型② 56を「訳して終わり」にして、記述の“書き方”が身につかない
読解と演習56の最大の価値は、入試の記述問題を採点基準つきで演習できる点にあります。ところが、現代語訳を確認して満足してしまい、「設問が何を要求し、どの要素を書けば点になるか」を分析しないまま進める人が非常に多い。これでは難関大の記述古文で得点が伸びません。
- 攻略:記述問題は必ず自分で答案を書いてから採点する。解説の模範解答と照らし、「主語の補い」「敬語による人物関係の把握」「傍線部の指示内容」など、加点要素を1つずつ拾う訓練に変える。訳読から“得点”へ意識を切り替えることが、56を使いこなす分かれ目です。
典型③ 56まで終えたのに、過去問で通用しない
56を仕上げても志望校の過去問で崩れるのは、出典特有の文脈(和歌・敬語による人物判定・省略された主語)への慣れが足りないことが多い分野です。これは教材の不足ではなく、志望校の出題形式に合わせた仕上げが抜けている状態です。
- 攻略:56の後は、志望校の過去問で「その大学が何を問うか」に最適化する。国公立二次で記述量が多い大学なら、記述特化の演習(得点奪取古文など)を挟むと安定します。
東大・難関大から逆算した「古文上達の使いどころ」
文系難関、とくに東大の古文は現代語訳・内容説明を中心とした記述が問われます。ここから逆算すると、古文上達の位置づけは明確です。
1. 高3の夏前までに、単語・文法と共通テストレベルの読解を安定させる(=基礎編45で読解の型を完成させる時期)。 2. 夏〜秋に、読解と演習56で入試レベルの記述・選択に負荷をかけ、「設問要求を満たす答案」を書く素地を作る。 3. 秋以降は、過去問と記述特化演習へ。56で作った“書く力”を、東大・志望校の形式に合わせて仕上げる。
古文上達は、この逆算のなかで「読解の型づくり(45)」と「難関記述への橋渡し(56)」という2つの役割を担う教材だと位置づけると、使いどころを外しません。
イエナアカデミーでは、こうした「今どの段階にいて、次に何をどの順でやるか」を、模試の失点と志望校の出題から逆算して設計します。実際に、東大をはじめとする難関大をめざす受験生を、科目横断の戦略設計で支えてきました(3期で延べ14大学に合格。うち医学部は東京医科歯科大学(現・東京科学大学)などに合格。合格実績は在籍生の一例で、掲載内容は公開前に最終確認)。
5. 古文上達の次にやるべき参考書|レベル別の分岐
古文上達で読解の力がついたら、志望校のレベルに合わせて次へ進みます。「古文上達 次」「どこまで」で検索する人向けに、手前・次の両方向で分岐を整理します。
まだ古文上達が早い人へ(=手前でやること)
読解演習に入る前提が抜けている場合は、先に土台を固めます。
- 単語:古文単語315(読んで見て覚える)、または語呂で覚える古文単語ゴロゴで頻出語を先に。
- 文法:助動詞・敬語・識別を、望月/富井の古典文法やステップアップノートなどで一冊やり切る。
ここが固まってから古文上達に入ると、解説の理解速度がまったく変わります。
基礎編45を終えたら
- 日東駒専・産近甲龍が本命:基礎編45で合格レベルの読解力に届くことが多く、そのまま志望校の過去問へ進めます。
- MARCH・関関同立以上を狙う:読解と演習56へステップアップして、入試レベルの記述・選択に慣れます。
読解と演習56を終えたら
- 基本は志望校の過去問へ。56で作った読解・記述力を、その大学の形式に最適化します。
- 国公立二次・東大などで記述量が多い場合は、記述特化の演習(得点奪取古文など)を挟むと、答案の完成度が安定します。
- 別系統の読解問題でさらに演習量を積みたい・発展レベルを補強したい場合は、古文ポラリス(岡本梨奈)の発展編を併用する選択肢もあります。
全体の順番を確認したいときは、古文の参考書ルート(完全版)に戻って、志望校からの逆算ルートを確認してください。
6. 古文上達を独学で使いこなせないと感じたら|伴走という選択肢
古文上達は独学でも十分に戦える良書ですが、「訳は合うのに設問で外す」「56の記述で何を書けば点になるか分からない」「単語・文法・読解のどれを今優先すべきか判断できない」という壁は、独学だと乗り越えるのに時間がかかります。古文は、単語・文法・読解・志望校形式のどこに時間を割くかの配分設計で結果が変わる科目です。
イエナアカデミーの東大・上位校コース(文系)では、
- 模試の失点と志望校の出題から逆算した個別カリキュラム(今やるべき1冊・1単元を特定)
- 訳読で終わらせない記述答案の添削(加点要素を拾って書く訓練)
- 古文だけでなく現代文・英語・地歴を含めた科目横断の時間配分
を、一人ひとりに合わせて設計・伴走します。「古文上達は自分に合っているか」「次の一手はこれで正しいか」を客観的に見てほしい方は、まずは無料相談で現状を整理してみてください。
▶ 無料相談・お問い合わせはこちら:<https://inquiry.jena-academy.com/>
7. よくある質問(FAQ)
Q. 基礎編45と読解と演習56、どっちから始めるべき?
A. 文法・単語が固まっているかで決めます。まだあやしい・古文が苦手なら基礎編45から。文法単語が固まっていてMARCH以上が本命なら読解と演習56から入って構いません。ただし56はレベルが高いため、手応えがなければ基礎編45に戻るのが結局は近道です。
Q. 読解と演習56だけやれば、基礎編45は飛ばしていい?
A. 文法・単語・共通テストレベルの読解が完成している人なら、56だけでも成立します。ただし56はセンター(共通テスト)より上のレベルで、基礎が抜けたまま入ると歯が立たないことがあります。読解の型に不安があれば、基礎編45を挟むほうが安全です。
Q. 古文上達は何周すればいい?
A. 周回数そのものより「初見の入試古文を時間内に読み、設問に答えられるか」が基準です。目安としては、間違えた問題・訳せなかった一文の印が消えるまで2〜3周。訳読で終わらせず、設問対応まで再現できる状態を目指してください。
Q. 東大・京大・難関国公立に古文上達は足りる?次は何をやる?
A. 古文上達(基礎編45→読解と演習56)は、難関大の読解・記述の土台づくりとして有効です。ただし本番で得点し切るには、志望校の過去問、記述量が多い大学では記述特化の演習(得点奪取古文など)まで進めるのが王道です。
Q. 共通テストだけなら古文上達は必要?
A. 共通テスト中心であれば、基礎編45で読解の型を作れば十分に対応できます(到達は個人差あり=要確認)。読解と演習56は記述・難関私大向けの負荷が高いため、二次・私大で古文の配点が大きい人向けです。
Q. 単語・文法は古文上達の前?後?
A. 前です。古文上達は読解“演習”の本で、単語や文法を一から教える本ではありません。単語帳1冊と文法書1冊を先に仕上げてから入ると、解説の理解が格段に速くなります(古文単語315などを先行)。
Q. 価格・出版社・著者は?
A. いずれもZ会刊。基礎編45は仲 光雄著(税込1,100円・目安)、読解と演習56は小泉 貴著(税込1,068円・目安)です。価格・仕様は改定の可能性があるため購入時に要確認です。
まとめ
- 「古文上達」はレベル別2冊。基礎編45(読解の型づくり)→ 読解と演習56(難関大の読解・記述)という2段階で使うのが王道。
- “基礎編”が付くのは45だけ。名前の印象よりレベル差は大きく、56は単独で難関レベルに踏み込む。どちらから入るかは「文法・単語が固まっているか」で判断。
- 失敗の多くは訳して終わりにすること。とくに56は、記述の加点要素を拾う“書く訓練”に変えて初めて力になる。
- 前提として単語(古文単語315など)・文法を先に固め、仕上げは過去問・記述特化演習へ。全体像は古文の参考書ルートで確認を。
古文上達を“やっただけ”で終わらせず、志望校の得点に変えたい方は、無料相談で今の学習を一度点検してみてください。

