「チャート式って結局、白・黄・青・赤の何色を選べばいいの?」——数学の参考書を探すと必ず名前が挙がるチャート式。しかし色が4つ以上に分かれ、しかも同じ色でも分厚く、文系の自分がどの色をどこまでやればいいのかが一番わかりにくい参考書でもあります。大事なのは「人気だから青」でも「不安だから赤」でもなく、自分の現在地と志望校(=到達点)に合った色を、必要な範囲だけ選ぶことです。
この記事では、チャート式とは何かという基本から、白・黄・青・赤の色別レベル比較、そして文系数学ではどの色をどこまでやるべきかを、東大・難関大の入試から逆算して整理します。個別の黄チャートのレビューや、チャートの次にやる入試演習書へのリンクもたどれる構成です。
✅ この記事でわかること
- チャート式とは何か(名前の由来・色の意味・数研出版のシリーズ全体像)
- 白・黄・青・赤の色別レベル比較(対象偏差値・到達点・問題数・向いている人)
- 文系はどの色をどこまでやるか(東大・一橋・私大文系それぞれの目安と、赤が不要な理由)
- チャート式だけでは難関大文系に届かない理由と、次にやるべき一冊
チャート式とは?|数学の「海図」と、色で分かれるレベル
チャート式は、数研出版が刊行する高校学習参考書のシリーズ名です。数学を中心に、英語・国語・理科・社会まで幅広く展開されていますが、受験生が「チャート」と言えばほぼチャート式の数学を指します。1929年(昭和4年)初版という長い歴史を持つ、日本で最も定番の網羅系参考書の一つです。
名前の由来はそのまま「チャート(chart=海図)」。船が航海で海図を頼りに最短の航路を進むように、問題を解くときの道しるべ(=解法への航路)でありたいという思いが込められています。各例題には、その解法の難易度を示す「コンパスマーク(羅針盤マーク)」が付き、易しい問題から難しい問題まで段階的に配置されているのが特徴です(コンパスの段階数・呼称は版により異なる場合があります=要確認)。
そして受験生を最も迷わせるのが、この「色」です。チャート式の数学は、難易度別に色分けされています。難しい順に並べると次のようになります。
🧭 難易度の順序:白 < 黄 < 青 << 赤
白がもっとも易しく、赤がもっとも難しい。青と赤の間には特に大きな段差があります。
つまりチャート式は「1冊」ではなく、同じ網羅系のなかで到達レベルが違う複数の本の総称です。だからこそ「チャート式をやる」ではなく「自分に合った色を選ぶ」という発想が出発点になります。次の章で、各色の中身を具体的に比較します。
白・黄・青・赤|チャート式の色別レベル比較【一覧表】
まず全体像を一覧で押さえましょう。対象偏差値・到達点・問題量はあくまで目安です(新課程・改訂で構成が変わるため、最新版の実物で最終確認してください=要確認)。
| 色 | 正式シリーズ名(目安) | 対象偏差値の目安 | レベル・到達点 | 向いている人 | 問題量の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 白 | チャート式 基礎と演習数学 | 〜50 | 教科書レベル〜共通テストの基礎 | 数学が苦手/基礎をゼロから固めたい | 少なめ |
| 黄 | チャート式 解法と演習数学 | 50〜60 | 基礎・標準を中心に応用まで(網羅性が高い) | 共通テスト〜中堅国公立・私大/文系の主力 | 中 |
| 青 | チャート式 基礎からの数学 | 60〜65 | 標準〜難関大の応用(入試の標準解法を網羅) | 旧帝大・早慶・難関国公立を狙う | 多い(IA+IIBで約749例題) |
| 赤 | チャート式 数学 | 70前後〜 | 難関〜最難関(数学を得点源にする) | 東大・京大・国公立医学部のトップ層 | 最も多い |
各色をもう少し具体的に見ていきます。
白チャート|教科書につまずいた人の立て直し用
白チャートは、教科書の例題〜練習問題と同じくらいのレベルを中心に扱う、最も易しい色です。数学に苦手意識がある人、独学で基礎からやり直したい人向け。白でも全問を確実に解けるようにすれば、共通テストのレベルにはおおむね届くとされます。逆に、すでに学校の授業についていけている人にはやや易しく感じられます。
黄チャート|文系・共通テスト対策の主力
黄チャートは、基礎・標準を中心にしつつ応用まで扱い、網羅性が最も高いと評されることが多い色です。「学校の授業は分かるが、模試になると点が取れない」という層に最適で、共通テスト〜中堅国公立・私立大まで幅広くカバーします。文系受験生の主力になりやすいのがこの黄です。詳しい使い方・例題数・周回法は、個別の黄チャートレビューでまとめています。
青チャート|難関大志望の定番網羅系
青チャートは、入試の標準解法をほぼ網羅する、難関大志望者の定番です。基礎力が一通りある人が応用力を磨く段階に向き、旧帝大・早慶・難関国公立を狙うならこのレベルが軸になります。ただし問題量が多く(IA+IIBで例題だけでも約749題・総問題数は約2,100題が目安)、黄チャートより学習に約100時間ほど多くかかるとも言われます。やり切るには相応の時間と計画が要ります。
赤チャート|最難関で数学を武器にする人向け
赤チャートは、偏差値70前後から上のトップ層が、数学を得点源にして稼ぐために使う最難関向けです。2003年以降は青チャートをベースに難易度を上げて再編集された経緯があり、青との段差が大きいのが特徴。東大・京大・国公立医学部で数学を武器にしたい理系が主な対象で、後述のとおり文系にはオーバースペックになりがちです。
💡 補足:共通テスト特化の「緑チャート」もある
上の4色(白・黄・青・赤)とは別に、共通テスト対策に特化した緑チャート(チャート式 大学入学共通テスト対策)もあります。網羅系で基礎を固めたうえで、直前期に形式演習として使う位置づけです(志望・時期により要否は変わります)。
チャート式の効果的な使い方|「例題中心・周回・全問はやらない」
色を選んだら、次は使い方です。チャート式は分厚いため、やり方を間違えると「終わらないまま挫折」しやすい参考書でもあります。網羅系を武器に変えるコツは3つです。
1. 例題(+下の練習)を主軸にする:チャート式の骨格は「例題」です。まずは各例題の解法を、下の類題(練習)とセットで確実に身につけます。分厚さに圧倒されたら、例題だけを先に1周する発想でも構いません。 2. コンパスマークで強弱をつける:全問を同じ熱量で解く必要はありません。コンパスの数(難易度)を目安に、自分の志望に必要なレンジを重点的に。易しすぎる問題は解けるか確認するだけ、難しすぎる問題は後回し、と強弱をつけます。 3. 「解けた/解けない」で仕分けて周回:1周目で解けた問題に印をつけ、2周目以降は間違えた問題だけを繰り返します。3周ほどで「解法がすぐ手を動かせる」状態を目指すのが目安です。章末の総合問題(EXERCISES)は、志望校のレベルに応じて取捨選択します。
やってはいけないのは、最初のページから全問を順番に、1周だけ丁寧に解いて満足することです。チャート式は「読んで理解する」本ではなく、解法を引き出しに入れて何度も再現するための辞書的な問題集。使い切るほど価値が出ます。
⚠️ よくある失敗:「解法暗記」が作業になる
例題の解答を覚えること自体は悪くありません。問題は、「なぜその解法を選ぶのか」を意識せずに手順だけ覚えてしまうケース。これだと、初見の入試問題で「どの解法を使えばいいか」が判断できません。次の章の“文系のどこまで”とあわせて、ここが独学最大の落とし穴です。
【文系はどこまで?】東大・難関大から逆算する色選び
ここが本記事の核心です。文系数学は、理系のように数III(微分積分の重い範囲)を必要とせず、範囲が狭い分、「何色を・どこまで」の見極めが得点効率を大きく左右します(新課程で文系の出題範囲に一部の数学Cが加わる場合があります=志望校の要項で要確認)。志望レベル別の目安を、東大・難関大の実態から逆算して示します。
① 私大文系・中堅国公立文系 = 黄チャートで十分
MARCH・関関同立や中堅国公立の文系であれば、黄チャートを1冊固め切れば、必要な標準解法はほぼカバーできます。網羅性が高く、青より学習時間が短くて済むため、社会や英語に時間を回したい文系にとって時間対効果が最良です。まずは黄を完成させ、過去問で不足を補う流れが現実的です。
② 東大・京大・一橋などの難関文系 = 青(苦手なら黄)+“入試演習”で補強
難関国公立文系を狙う場合の目安は、基礎の網羅を青チャート(数学が苦手なら黄チャート)で固め、その後に入試レベルの演習書へ進むというルートです。実際に、東大・一橋文系の合格者でも「基礎は青、苦手なら黄」という選び方が一般的で、赤チャートまでやる文系はほとんどいません。
ここで重要なのは、チャート式(青や黄)を終えただけでは、東大・京大・一橋文系の二次試験には届きにくいという事実です。チャート式は「入試標準解法の辞書」であり、その解法を初見の融合問題で使いこなす訓練は別に必要になります。だからこそ、チャートの後に入試演習書での“解法の運用”が必須になります。
→ チャートの次にやる入試演習書(文系数学 重要事項完全習得編)はこちら
③ 赤チャートは、文系には基本的に不要
赤チャートは最難関理系が数学を得点源にするための本で、文系の到達目標に対してはオーバースペックです。文系が限られた数学の時間を赤に注ぐより、黄・青で標準解法を固め、余った時間を入試演習と他科目に回すほうが合格に直結します。「不安だから難しい色を」という選び方は、文系では遠回りになりがちです。
🎯 文系の色選び・早見まとめ
- 共通テスト中心・私大文系:白〜黄(黄で十分・時間対効果最良)
- 難関国公立文系(東大・京大・一橋など):青(苦手なら黄)→ 入試演習書で補強
- 赤:文系は基本不要
- 迷ったら黄からスタートし、余裕と志望に応じて青・入試演習へ引き上げる
「文系数学の参考書ルート全体(何を・どの順で)」を先に俯瞰したい方は、ピラー記事にまとめています。
チャート式だけでは、難関大文系に届かない理由
ここまで色選びと範囲を整理してきました。ただし正直にお伝えすると、チャート式を1冊やり切っただけで、東大・難関大文系の数学で安定して得点するのは難しいのが現実です。理由は大きく3つあります。
理由1|「解法を知っている」と「初見で使える」は別物
チャート式は入試標準解法の網羅に優れますが、本番で問われるのは「どの解法を、いつ、どう組み合わせるか」を初見で判断する力です。例題の解法を覚えても、融合問題や見慣れない設定になった途端に手が止まる——これはチャート学習で最も多いつまずきです。埋めるには、チャートの後に実戦的な演習で“解法の運用”を訓練する必要があります。
理由2|色・範囲の選定を、独学では誤りやすい
「難関志望だから赤」「不安だから全色」といった選び方は、オーバースペック(時間切れ)やアンダースペック(演習不足)を招きます。逆に「文系だから黄だけ」で止めて、二次で通用する演習に接続できないケースも多い。自分の現在地と志望校の距離を正確に測って色と範囲を決めるのは、独学では意外に難しい判断です。
理由3|「終わったつもり」を客観視できない
分厚いチャートは、1周して満足してしまうと、実は解法が定着していない問題が多く残ります。「解けた」と思った問題が本当に初見で再現できるか、第三者の目で仕分け・確認しないと、模試で崩れて初めて気づく——これも独学の落とし穴です。
💡 まとめると、チャート式は優秀な“海図”です。ただし、どの航路(色・範囲)を選ぶか・海図の読み方(解法の運用)・現在地の把握(定着チェック)までは、地図だけでは埋め切れません。ここを伴走で埋めるのが、次に紹介する東大・上位校コースの役割です。
独学で伸び悩むなら|東大・上位校コースで「伴走」という選択肢
上の3つ——解法の運用・色と範囲の選定・定着チェック——は、チャートを買い替えても増やしても埋まりません。埋めるのに有効なのは、あなたの現在地と志望校から逆算して「何色をどこまで・次に何を」を一緒に決め、答案を見て軌道修正してくれる伴走者です。
イエナアカデミーの東大・上位校コースは、まさにこの“チャートだけでは埋まらない穴”を埋めるために設計されています。
- 色・範囲の最適設計:現状の学力と志望校から、「黄か青か」「どこまでやるか」「章のどこを重点にするか」を具体化。オーバー/アンダースペックの遠回りを防ぎます。
- 解法の運用トレーニング:チャートで入れた解法を、初見の入試問題で選び・組み合わせる訓練へ橋渡し。チャートの“次の一冊”への接続まで面倒を見ます。
- 答案ベースの定着チェック:「解けたつもり」を客観的に仕分け、抜けている解法・詰めの甘い答案を特定して埋めます。
イエナアカデミーは少数精鋭で難関大への合格実績を重ねてきました。科目横断の指導実績として、東京大学をはじめとする難関大、また東京医科歯科大学(現・東京科学大学)をはじめとする医学部への合格者が生まれています(※合格実績の詳細・掲載可否は要確認)。
📩 「文系は結局チャート何色をどこまでやればいい?」「チャートは終えたのに模試の数学が伸びない」という方は、まずは無料相談で現状を整理するところから始められます。
色選びの“次のステップ”として、伴走という選択肢も検討してみてください。
よくある質問(チャート式の色選びFAQ)
Q. チャート式は何色から始めればいい?
今の学力を基準に選ぶのが原則です。数学が苦手・教科書につまずいているなら白、学校の授業は分かるが模試で崩れるなら黄、基礎はできていて難関大の応用力を付けたいなら青が目安。背伸びして難しい色を選ぶと挫折しやすいので、迷ったら一段易しい色から始めるほうが結果的に速く進みます。
Q. 文系はチャート式を何色までやればいい?
私大文系・中堅国公立文系なら黄チャートで十分なことが多く、東大・京大・一橋などの難関文系は青(苦手なら黄)で基礎を固めてから入試演習書へ進むのが目安です。赤チャートは文系には基本的に不要。範囲も理系の数III部分は要りません(新課程での数学Cの要否は志望校の要項で確認してください)。
Q. 黄チャートと青チャート、文系はどっちを選ぶ?
時間対効果を取るなら黄、難関国公立で数学の完成度を上げたいなら青です。黄は網羅性が高く学習時間が短く済むため、社会・英語に時間を割きたい文系に向きます。青は入試標準解法をより広くカバーしますが、やり切るのに時間がかかります。苦手意識が強いうちは黄で土台を作り、余裕が出たら青や入試演習へ引き上げるのが安全です。詳細は黄チャートのレビューを参照してください。
Q. チャート式だけで東大・難関大の文系に合格できる?
チャート式は入試標準解法の網羅には非常に有効ですが、それだけで難関大文系の二次に安定して届くのは難しいのが実情です。チャートで解法を入れたあと、初見の融合問題で解法を運用する演習が必要になります。チャートの次の一冊として、文系数学 重要事項完全習得編のような入試演習書へ接続しましょう。
Q. チャート式は全部の問題を解くべき?
いいえ。例題を主軸に、志望に必要なレンジを重点的に解くのが効率的です。コンパスマーク(難易度)を目安に強弱をつけ、章末の総合問題(EXERCISES)は志望校レベルに応じて取捨選択します。全問を1周して満足するより、間違えた問題を3周ほど繰り返して確実に再現できる状態を目指すほうが伸びます。
Q. 赤チャートは文系に必要?
基本的に不要です。赤チャートは最難関理系が数学を得点源にするための本で、文系の到達目標に対してはオーバースペックになりがちです。文系は黄・青で標準解法を固め、残った時間を入試演習と他科目に回すほうが合格に近づきます。
Q. チャート式はどのくらいの期間で終わる?
色と範囲、1日の学習量で大きく変わりますが、青チャートは黄より学習に約100時間ほど多くかかるとも言われます。分厚いぶん「いつ終わるか」が読みにくいのがチャートの難点です。残り時間から逆算して、やる色・範囲・周回数を先に決めることが、終わらせ切るための最大のコツです(具体的な日数は現状学力により大きく変動=要確認)。
まとめ|「現在地×志望校」で色と範囲を選ぶ
- チャート式は1冊ではなく、難易度別(白<黄<青<<赤)の総称。まず「自分は何色か」を決めるのが出発点。
- 色は今の学力(現在地)と志望校(到達点)で選ぶ。背伸びは挫折のもと、迷えば一段易しい色から。
- 文系は黄が主力。難関国公立文系は青(苦手なら黄)+入試演習、赤は基本不要。数III範囲も要らない。
- 使い方は例題中心・強弱をつけて・間違えた問題を周回。全問1周で満足しない。
- チャートは“海図”。色と範囲の選定・解法の運用・定着チェックの穴は、伴走で埋めるのが最短。
まずは自分に合う色を決め、必要なら次の一冊・全体ルートへ読み進めてください。
関連レビュー・ルート
黄チャートのレベル・使い方 →/チャートの次の入試演習(文系数学 重要事項完全習得編)→/文系数学 参考書ルート(全体像)→
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