中高一貫の英語に「ついていけない」中1へ ─ 落ちこぼれと感じたときの立て直し方

「授業が速くて、英語だけどんどん置いていかれている気がする」——中高一貫校に通うお子さんを見て、そう不安に感じていませんか。まず知っていただきたいのは、中高一貫の中1で英語に「ついていけない」と感じるのは、決して珍しいことでも、お子さんの能力が低いからでもないということです。原因の多くは「進度の速さ」にあります。この記事では、現役の塾として、崩れる原因と、家庭でも始められる立て直しの順序を、順を追ってお伝えします。

中高一貫の中1向け英語塾の選び方中1は英語優先/数学と英語の勉強順 も併せてどうぞ。


目次

「ついていけない」のは、あなたのお子さんだけではありません

中高一貫校は、高校受験がない分、多くの学校で中学の3年間を2年前後で終える速さで英語を進めます。検定教科書ではなく「ニュートレジャー」「プログレス」といった進度の速い教材を使う学校も多く、扱う語彙量も一般的な公立中より大きいのが特徴です。

つまり、同じ努力量でも、公立中よりも早く・多く求められる環境にいるということです。入学して数か月で「英語だけ手応えがない」と感じるお子さんが一定数出るのは、環境の構造上むしろ自然なことです。

大切なのは、この段階で「落ちこぼれ」と決めつけて本人を責めないことです。中1の英語は、これからの6年間の土台です。今が「立て直しに一番かけるコストが小さい」タイミングでもあります。


なぜ中高一貫の英語は崩れるのか(原因は3つ)

① 進度が速く、復習が追いつかない

一番多い原因です。学校の授業は「わかった前提」でどんどん先へ進みます。be動詞と一般動詞の区別が曖昧なまま三単現(三人称単数現在)へ、そこが揺れたまま時制へ——と、理解が定着する前に次の単元が積み上がるため、どこかで一気に手応えを失います。

② つまずきが「連鎖」する

英文法は積み木です。土台の1つがぐらつくと、その上に乗る単元がすべてぐらつきます。「三単現のsが抜ける」子は、多くの場合その前の「主語と動詞の対応」が曖昧です。表面に出た間違いは結果であって、原因はたいてい1〜2単元前にあります。だから「今わからない所」を追いかけるだけでは直りません。

つまずきやすい単元の見取り図は 中1英文法つまずき単元まとめ で詳しく解説しています。

③ 塾・教材との「相性」が合っていない

見落とされがちですが、指導スタイルとお子さんの相性も大きな原因です。いきなり多読中心で進む塾、大量の演習と暗記で仕上げる塾、文法と読解のバランスを取る塾——それぞれ良さがありますが、合わないスタイルで始めると「英語そのものが嫌い」になってしまうことがあります。後述するように、これは実際に当校の講師も経験しています。


「落ちこぼれの兆候」セルフチェック

次のうち複数当てはまるなら、早めの立て直しをおすすめします。成績表の点数だけでなく、家での様子に表れるサインを見てください。

  • [ ] 定期テストの英語だけ、他科目に比べて落ち込みが大きい
  • [ ] 音読させると、単語を一つずつ拾い読みしていて文として読めない
  • [ ] 「be動詞」「一般動詞」「三単現」の違いを自分の言葉で説明できない
  • [ ] 単語は書けるのに、文の並べ替え・英作文になると手が止まる
  • [ ] 「英語きらい」「どうせわからない」と口にするようになった
  • [ ] 宿題を後回しにする・机に向かっても英語だけ進まない

最後の2つ(感情面のサイン)が出ているときは、点数以上に注意が必要です。「わからない→つまらない→やらない→さらにわからない」の悪循環に入りかけているためで、ここを放置すると立て直しの難易度が上がります。


立て直しの順序 ─ 焦って先取りしない4ステップ

ここが本題です。やってはいけないのは「遅れているから先取りで巻き返す」ことです。土台が揺れている子に先の単元を積んでも、崩れるだけです。順序を守ってください。

ステップ①:どの単元でつまずいたかを「切り分ける」

まず「英語が全部ダメ」を、単元単位に分解します。中1範囲を「be動詞/一般動詞/三単現/複数形/代名詞・所有格/疑問詞/現在進行形/助動詞can/過去形」…と並べ、直近のテストや教科書で最初に手応えを失った地点を特定します。多くの場合、本人が「わからない」と言う所より1〜2単元手前が真の原因です。

単元ごとのつまずきポイントは 中1英文法つまずき単元まとめ のチェックリストが使えます。

ステップ②:先取りではなく「戻って」穴を埋める

つまずき地点が分かったら、そこまで戻ってやり直します。プライドが傷つくのを心配されるかもしれませんが、土台を固め直す1〜2週間が、その後の半年を左右します。学校の進度と並行して、弱点単元だけを短期集中で埋めるのが最も効率的です。ここは市販のドリルでも進められますが、切り分けと戻る範囲の判断を誤ると空回りするため、迷ったら塾に相談してください。

ステップ③:音読で「英語を嫌いにしない」

穴を埋めながら、必ず音読を並行してください。当校の講師にも「学校で発音をていねいに教わったことをきっかけに、音読が楽しくなり英語が得意になった」という経験があります(後述)。声に出して読める文は、理解できている文です。1日5〜10分、教科書本文を口に出すだけで、読むスピードと定着が変わります。何より「英語=苦役」という感情を「英語=声に出すと気持ちいい」に置き換えられます。

ステップ④:英検で「到達」を目に見える形にする

最後に、英検を到達の物差しとして使います。定期テストは学校の進度に依存しますが、英検は級という絶対的な到達ラインなので、「立て直せている」という手応えを本人が実感できます。中1なら5級・4級・3級あたりを現実的な目標に。合格という小さな成功体験が、失いかけた自信を取り戻す近道です。

中1がいつ何級を目指すかは 中1は英検何級が目安?学年別ロードマップ を参照。級ごとの詳しい対策は 英検 級別対策ガイド へ。


「最初の塾選び」で、英語の好き嫌いは決まる

立て直しの成否を大きく左右するのが、どんな指導と出会うかです。これは一般論ではなく、当校の真船先生自身の経験でもあります。

真船先生は中学入学後、最初に通った塾のスタイルが合わずに挫折し、次の塾でもうまくいかず、一時は「英語が嫌い」になってしまいました。転機は中1の秋、文法と読解のバランスを取る指導に出会えたこと。ここで英語嫌いを克服し、さらに中2の学校の授業で発音・音読をていねいに教わったことをきっかけに、英語が「好き・得意」に変わりました。結果として、英語は早い段階で仕上がり、その後は維持中心で高得点を保てるようになったといいます。

この経験が示すのは、「英語が苦手」なのではなく「合う指導にまだ出会えていないだけ」のケースが少なくない、ということです。多読中心・演習中心・バランス型など、塾にはそれぞれタイプがあります。お子さんが「わかる」「楽しい」と感じられるスタイルかどうかを、体験や面談で見極めてください。イエナアカデミーが一人ひとりに合わせた指導を大切にしているのは、まさにこの「相性で英語の好き嫌いが決まる」という現場実感があるからです。

なお、遅れを取り戻そうとむやみに先取りを詰め込むのは逆効果というのも、当校講師の一致した見解です(速すぎるペースで定着せず、かえって遠回りになった経験に基づきます)。詳しくは 中1は英語優先/数学と英語の勉強順 で解説しています。


よくある質問(FAQ)

Q. 中1で英語についていけないと、もう挽回できないのでしょうか?

A. いいえ。中1はむしろ最も挽回しやすい時期です。積み上がっている単元が少ないため、戻って埋め直す量も小さくて済みます。放置して学年が上がるほど、埋める範囲が広がっていきます。

Q. 「落ちこぼれる子」に特徴はありますか?

A. 能力よりも、つまずいた地点を放置したまま先へ進んでしまうことが最大の共通点です。逆に言えば、原因単元まで戻って固め直せば、多くの子は立て直せます。

Q. 先取りで一気に取り戻させるべきですか?

A. おすすめしません。土台が揺れている状態で先の単元を積むと、崩れが大きくなります。まず「戻って埋める」を優先してください。

Q. 家庭でできることはありますか?

A. 教科書本文の音読(1日5〜10分)と、つまずき単元の切り分けです。切り分けの判断が難しい場合は、面談で一緒に見取り図を作ることもできます。

Q. 英会話に通わせた方がいいですか?

A. 「ついていけない」の原因の多くは文法の土台にあります。まずは文法の穴を埋めることが先決で、英会話はその後の選択肢と考えてください。


まずは、つまずきの「地図」を一緒に描きませんか

「英語についていけない」を立て直す第一歩は、どこでつまずいたのかを正確に切り分けることです。ここを見誤ると、家庭学習も塾も空回りします。

イエナアカデミーの中高一貫総合コースでは、お子さんのつまずき単元を一緒に切り分け、戻って埋める順序と英検までの道筋を無料相談でご提案しています。「うちの子はどこから戻ればいいのか」だけでも、はっきりさせにきてください。

無料相談はこちら

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