『秘伝の物理』は、YouTubeの動画講義と完全連動した、独学で物理を基礎から固めるためのインプット講義系の参考書です。「物理が苦手」「学校の授業についていけない」「独学でマスターしたい」という人から支持を集める一方、講義本と問題集が別売りで、しかも旧版(ひとりで学べる)と現行版(新課程・2024年刊)が並存するため、「どれを買えばいい?」「どこまで伸びる?」と迷いがちです。このページでは、Gakken(学研)公式の一次データに基づき、対象レベル・到達点・正しい使い方を整理し、講義本と問題集の関係、動画講義の活かし方、そして医学部・難関大に向けて次にやるべき参考書までまとめました。動画を「見て満足」で終わらせず、得点に変えるための地図として使ってください。
1. 『秘伝の物理』とは?シリーズ構成と基本データ(対象レベル・動画講義)
『秘伝の物理』は、青山均(あおやま ひとし)先生による物理の講義系参考書シリーズで、出版社はGakken(学研)。最大の特徴は、全テーマに無料のYouTube解説授業がつく「動画連動型」である点です。紙の参考書を読み、対応する動画で先生の講義を聞き、手を動かして確認する——予備校の授業を自宅で再現するような独学設計になっています(関連語:動画/YouTube/独学)。
まず整理:このシリーズは「講義本」と「問題集」が別売り
ここが最大のつまずきポイントです。『秘伝の物理』は、知識を入れる「講義本(インプット講義)」と、解いて仕上げる「問題集(アウトプット)」が別々の本として売られています。本記事の主役は、まず手に取る講義本(インプット講義)です。
さらに、シリーズには現行版(新課程対応・2024年刊)と旧版(「ひとりで学べる」シリーズ)があり、書名が違います。これから買うなら、原則現行版を選べば問題ありません。
| 区分 | 主な書名(例) | 役割 |
|---|---|---|
| 講義本(現行・本記事の主役) | 秘伝の物理 大学入試で点が取れる授業動画付き 物理のインプット講義(力学・波動)/(電磁気・熱・原子) | 動画と連動して知識・現象を理解する(インプット) |
| 問題集(現行) | 秘伝の物理 大学入試で点が取れる動画解説付き 物理のアウトプット問題集 | 講義で入れた知識を解いて定着(アウトプット) |
| 物理基礎向け(現行) | 秘伝の物理 定期テストで点が取れる授業動画付き 物理基礎のインプット講義Basic | 物理基礎・定期テスト対策の入口 |
| 旧版(「ひとりで学べる」) | ひとりで学べる 秘伝の物理講義[力学・波動]/[電磁気・熱・原子]、秘伝の物理問題集、秘伝の物理問題集High | 旧課程版。中古・在庫で流通。Highは難関大向けの上位問題集 |
(現行版=2024年刊の新課程対応版。旧版は改訂前のため、購入時は「新課程対応」「授業動画付き」の表記を確認するのが安全です=要確認)
現行版・講義本の基本データ(一次情報=学研公式)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式書名 | 秘伝の物理 大学入試で点が取れる授業動画付き 物理のインプット講義(力学・波動)/(電磁気・熱・原子) |
| 著者 | 青山均 |
| 出版社 | Gakken(学研) |
| 判型・ページ数 | A5判・各320ページ(2分冊) |
| 定価 | 各2,178円(税込)(電磁気・熱・原子は本体1,980円+税) |
| 発行 | 力学・波動=2024年4月25日 / 電磁気・熱・原子=2024年6月20日 |
| ISBN | 力学・波動 978-4-05-305787-7 / 電磁気・熱・原子 978-4-05-305786-0 |
| 対象 | 高1・高2・高3(初学〜基礎固め・独学向け) |
| 動画講義 | 全テーマにYouTube解説授業+授業動画用プリントPDF付属 |
(価格・ページ数・ISBN・発行日は2026年7月時点の学研公式表記。改定・電子/紙で差が出る場合があるため購入時に要確認)
到達点の目安:講義本は、物理の現象を映像でイメージしながら基礎〜標準レベルの知識を入れるための一冊です。ここで土台を作り、別売りの問題集(さらに上位の「問題集High」)や他の演習書へ進むことで、共通テスト〜難関大2次の得点力へつなげていく設計です(レベルの目安は後述。偏差値帯は一般的な目安で個人差があります=要確認)。
物理全体の中でこの一冊がどこに位置し、次に何へ進むのかは物理の参考書ルート(完全版)で俯瞰できます。現在地に迷う場合は、先にルート記事で立ち位置を確認するのがおすすめです。
2. レベルと立ち位置|物理のエッセンス・漆原・良問の風との比較
「秘伝の物理は難しい?簡単すぎる?」という疑問が多いのは、シリーズ内でレベルが段階分けされているからです。まず全体像を地図で押さえましょう(関連語:レベル/難易度/偏差値)。
| 段階 | 参考書の例 | 主な役割 | 難易度の目安 |
|---|---|---|---|
| 入門・講義(動画連動) | 秘伝の物理(インプット講義) | 現象を映像でイメージ→基礎知識のインプット | 教科書〜共通テスト |
| イメージ重視の講義系(併走候補) | 漆原の物理 | 解法をイメージ・パターンで理解 | 教科書〜入試標準 |
| 基礎〜標準の網羅演習 | 物理のエッセンス など | 解法の型を数多く固める | 共通テスト〜入試標準 |
| 秘伝の上位問題集 | 秘伝の物理問題集High | 講義で入れた知識を難関レベルへ | 入試標準〜難関 |
| 入試標準演習 | 良問の風 | 入試頻出問題で得点力を作る | 入試標準〜難関 |
| 難関・医学部演習 | 物理重要問題集・名門の森 など | 難関大2次・医学部の得点力 | 難関〜最難関 |
(各書のレベルは一般的な位置づけの目安で、使用者の状況により前後します=要確認)
秘伝の物理シリーズの立ち位置を、一般に言われる目安で整理すると次のとおりです。
- 講義本+標準の問題集(アウトプット問題集)まで:共通テスト〜日東駒専・MARCH・地方国公立レベルの土台づくり。
- 問題集Highまでやり込む:早慶・旧帝大・医学部など難関大にも対応しうるレベルへ。
- 同じ独学定番の物理のエッセンスと比べると、秘伝は解説がやわらかく、映像で現象を見られる分だけ「とっつきやすい」のが持ち味。イメージ重視という点では漆原の物理とも近く、「式は立てられるが現象がイメージできない」タイプの苦手層に特に向きます。
- 一方で、良問の風・名門の森は秘伝より一段難しい入試演習の位置づけ。秘伝で基礎を固めてからこれらへ進むのが王道です。
つまり秘伝の物理は、「物理が苦手・独学で最初の壁を越えたい」層の入口として最適で、そこから演習書へバトンを渡す前提の教材だと理解しておくと、使いどころを外しません。
- 物理がほぼ初学・苦手:秘伝の講義本+動画で現象理解から。まずは力学・波動から着手。
- 教科書レベルは一通り済んだ:講義本を辞書的に使いつつ、問題集(アウトプット/High)で解く力へ。
- すでに標準問題は解ける:秘伝は弱点補強の確認用に。良問の風以降の演習へ進むほうが得点は伸びます。
3. 『秘伝の物理』の効果的な使い方|動画×問題集の往復
秘伝の最大の武器は動画講義ですが、「動画を見ただけ」で分かった気になるのが最も多い失敗です。動画はあくまでインプットの手段。手を動かして解く工程とセットにして初めて得点になります(関連語:使い方/勉強法/何周)。
基本サイクル:読む→動画→解く→戻る
1. 学習中の単元(例:力学の運動方程式、波動、電磁気など)の講を読む。 2. 対応するYouTube動画を見て、現象のイメージと解き方の流れを掴む(付属の授業用プリントPDFに書き込みながら見ると理解が定着)。 3. その単元を、別売りの問題集(アウトプット問題集)や手持ちの傍用問題集で、その日のうちに解く。 4. 解けなかった箇所だけ講義・動画に戻って確認する。
この「講義⇄問題集」の往復こそ、別売りである秘伝シリーズの本来の使い方です。講義本と問題集は対応が取れているため、詰まったらすぐ講義に戻れるのが強みです。
いつから始める?分量が多いので早めに
講義本は力学・波動/電磁気・熱・原子の2分冊で各320ページと分量があります。動画を含めて一周するには時間がかかるため、できるだけ早く着手するのが原則。目安は高2の夏〜冬にスタートし、高3の早い段階で演習書へ移れると理想的です(学習状況で大きく前後する目安=要確認)。
周回・進度の基準
- 周回数を数えるより、「その単元の問題を、動画なしで自力で解けるか」を進度の基準にします。
- 2周目以降は、模試や過去問で失点した単元の動画・講義だけをピンポイントで見返す辞書運用に切り替えると効率的です(関連語:何周/いつまで)。
- 動画は倍速視聴も可能ですが、初見の単元は等速でプリントに書き込みながら、復習時は倍速で、と使い分けると時間を圧縮できます。
4.【イエナアカデミーの視点】秘伝の物理で伸び悩む“3つの典型”と合理的な攻略
ここからは、参考書レビューではあまり語られない「秘伝の物理を使っても成績が伸びない人の共通パターン」を、医学部・難関大指導の現場の観点で掘り下げます。秘伝は独学教材として非常によくできています。伸び悩みの原因は、たいてい動画・独学ならではの使い方にあります。
典型① 動画を「見て満足」して、手が止まる
動画講義は分かりやすいぶん、視聴=理解と錯覚しやすいのが最大の落とし穴です。物理は「読んで分かる」と「自力で式を立てて解ける」の間に大きな溝があります。
- 攻略:動画1本ごとに、視聴後すぐ対応問題を自力で解くルールにする。解けて初めて「その単元を終えた」とみなします。インプット(動画・講義)とアウトプット(問題集)の時間比を1:1に近づける意識が有効です。
- 「分かった気」を潰すには、動画を止めて自分で式を立ててから続きを見るのが効きます。
典型② 基礎の秘伝で止まり、入試レベルへ橋渡しできない
秘伝(講義本+標準問題集)は基礎固めの教材です。ここで完結してしまい、入試標準〜難関の演習量が不足したまま本番を迎えるケースが少なくありません。とくに医学部・難関大の物理は、初見の設定を読み解き、複数分野を組み合わせて解く力で差がつきます。
- 攻略:秘伝で現象理解と基礎解法を固めたら、問題集Highや良問の風→物理重要問題集へ計画的に接続する。「どのレベルまで・いつまでに」を志望校から逆算して決めることが重要です。
- 秘伝だけで難関大2次に挑むと、「見たことはあるのに解けない」壁にぶつかりやすい点に注意します。
典型③ 分量に対して開始・ペース設計ができない
2分冊で各320ページ+大量の動画という分量は、独学だとペース配分を誤りやすい規模です。「力学で時間を使い切り、電磁気・原子が手薄なまま本番」という失速が典型です。
- 攻略:単元ごとに締切を切り、模試の日程から逆算して進度管理する。苦手分野ほど早めに配置し、直前期に未習分野を残さない設計にします(到達度は個人差あり=要確認)。
こうした「どこでつまずき、次に何をすべきか」の判断は、独学だと後になって気づくことが少なくありません。とくに動画を得点に変えるアウトプット設計と、理科2科目・英数を含めた時間配分は、独学で最も手当てしにくい領域です。イエナアカデミーの医学部コースでは、模試の失点分析から逆算して「今やるべき単元・教材」を特定し、動画・講義で入れた知識を演習と個別添削で得点へ変えるところまで伴走します。実際に、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)・新潟大学・日本医科大学・東邦大学・埼玉医科大学などの医学部合格者を、こうした科目横断・戦略設計で支えてきました(合格実績は在籍生の一例です)。
5. 秘伝の物理の次にやるべき参考書|レベル別の分岐
秘伝で基礎の土台ができたら、「解く力」を作る演習へ進みます。「秘伝の物理 次」「秘伝 良問の風」で検索する人向けに、分岐を整理します(関連語:次/どこまで)。
まずは秘伝の中でレベルを上げる
- アウトプット問題集(標準)で、講義本の知識を「解ける形」に変える。ここまでで共通テスト〜中堅国公立・私大の土台になります。
- さらに上を目指すなら秘伝の物理問題集Highで、難関大に通用する解法量へ引き上げます。
入試標準〜難関の演習へ
- 良問の風で、入試頻出問題の解法をパターン化し、得点力を作ります。秘伝で現象を理解した後にこれをやると、解法の意味が腑に落ちやすくなります。
- 難関大・医学部で合否を分ける演習量が欲しい場合は、物理重要問題集で入試問題を数多くこなします。名門の森などの最難関演習は、さらにその先の選択肢です。
イメージ重視の講義系を併用したい
- 現象のイメージをさらに補強したいなら、同じくイメージ重視の漆原の物理を弱点分野だけ併用するのも手です。動画(秘伝)と紙の解法パターン(漆原)を苦手単元で二重化すると、理解が安定します。
どの順で組むか全体像を確認したい場合は、物理の参考書ルート(完全版)に戻って、志望校からの逆算ルートを確認してください。
6. 秘伝の物理を独学で使いこなせないと感じたら|伴走という選択肢
秘伝の物理は独学でも十分に戦える良書ですが、「動画を見ても解けるようにならない」「基礎で止まって入試レベルへ進めない」「分量に対してペースが作れない」という壁は、独学だと乗り越えるのに時間がかかります。とくに医学部・難関大の物理は、基礎理解に加えて入試演習の量と、時間内に解き切る処理力が合否を分ける科目。どの教材を・どの順で・どれだけやり、動画をどう得点に変えるかの設計次第で、同じ参考書でも結果が変わります。
イエナアカデミーの医学部コースでは、
- 模試の失点データから逆算した個別カリキュラム(今やるべき単元・教材を特定)
- 動画・講義で入れた知識を最短で得点化するアウトプット設計(問題集・演習への橋渡し)
- 記述・計算・論述答案の個別添削(「解けない原因」を特定して直す)
- 理科2科目・英数を含めた科目横断の時間配分
を、一人ひとりに合わせて設計・伴走します。「秘伝の物理は自分に合っているのか」「次の一手はこれで正しいか」を客観的に見てほしい方は、まずは無料相談で現状を整理してみてください。
▶ 無料相談・お問い合わせはこちら:<https://inquiry.jena-academy.com/>
7. よくある質問(FAQ)
Q. 秘伝の物理は「講義本」と「問題集」どっちを買えばいい?
A. まず手に取るのは講義本(インプット講義)です。ここで動画とともに現象・基礎知識を入れ、別売りの問題集(アウトプット問題集)で解いて定着させます。この2冊は対応が取れているので、セットで往復するのが本来の使い方。物理が苦手なら講義本から、演習量が欲しいなら問題集も、と考えれば迷いません。
Q. 現行版と「ひとりで学べる」旧版はどう違う?どっちを買う?
A. 現行版は新課程対応(2024年刊)の『大学入試で点が取れる授業動画付き 物理のインプット講義』、旧版は『ひとりで学べる 秘伝の物理講義/問題集』です。これから買うなら現行版が無難です。旧版でも物理の骨格が大きく変わるわけではありませんが、購入時は「新課程対応」「授業動画付き」の表記を確認してください(改訂差分の詳細は要確認)。
Q. レベル・偏差値の目安は?難関大・医学部に対応できる?
A. 講義本+標準問題集は共通テスト〜MARCH・地方国公立あたりの土台づくりが中心です。問題集Highまでやり込めば早慶・旧帝・医学部レベルにも対応しうる、というのが一般的な位置づけ。ただし難関大2次は秘伝だけで完結させず、良問の風や物理重要問題集など入試演習への接続が前提です(偏差値はあくまで目安=要確認)。
Q. 動画講義はどうやって見る?有料?
A. 各テーマに対応するYouTubeの解説授業がついており、視聴自体は無料で見られます(授業動画用のプリントPDFも付属)。紙の講義本を読みながら該当動画を見る、という使い方が基本です(配信状況・視聴方法は変更の可能性があるため公式で要確認)。
Q. いつから始めるのがいい?
A. 2分冊で分量があるため、早めの着手が有利です。高2の夏〜冬に始め、高3の早い時期に演習書へ移れると理想的。ただし部活や他科目との兼ね合いで前後します(目安=要確認)。
Q. 物理のエッセンスや漆原と、どっちがいい?
A. どれも独学向けの定番ですが、秘伝は動画で現象を「見られる」のが最大の違いです。式は立てられるのに現象がイメージできないタイプには秘伝や漆原の物理のイメージ重視型が向きます。物理のエッセンスは解法の型を数多く固めるのに強いので、秘伝で理解→エッセンスや良問の風で演習、という組み合わせも有効です。
Q. 問題集Highは必要?標準の問題集との違いは?
A. 標準の問題集(アウトプット問題集)は基礎〜入試標準の定着用、問題集Highはそれより難度の高い難関大向けという位置づけです。志望が中堅までなら標準まで、難関大・医学部を狙うならHighまで、と志望校で判断します(各版の対応・レベルは購入時に要確認)。
Q. 何周すればいい?動画は毎回見る?
A. 周回数より「動画なしで自力で解けるか」を基準にしてください。1周目は等速でプリントに書き込みながら、2周目以降は失点単元の動画だけ倍速で見返す辞書運用が効率的です。
Q. 値段・ページ数・冊数は?
A. 現行の講義本は力学・波動/電磁気・熱・原子の2分冊で、各A5判・320ページ・2,178円(税込)、発行は2024年です。問題集(アウトプット問題集・問題集High)は別売りです(価格・仕様は改定の可能性あり=購入時に要確認)。
まとめ
- 『秘伝の物理』は、YouTube動画と連動した独学向けのインプット講義。物理が苦手で「現象がイメージできない」層の入口に最適。
- 講義本と問題集は別売り。さらに現行版(新課程・2024)と旧版(ひとりで学べる)があるので、買うなら原則・現行版を。
- 使い方の核は「読む→動画→解く→戻る」の往復。動画を「見て満足」で終わらせないことが最重要。
- レベルは講義+標準問題集で共テ〜地方国公立、問題集Highで難関大。良問の風・名門の森より一段やさしい基礎固めの位置づけ。
- 次は問題集High/良問の風→物理重要問題集へ。全体像は物理の参考書ルートで確認を。
秘伝の物理を“見て満足”で終わらせず、とくに入試演習・医学部レベルまで得点に変えたい方は、無料相談で今の学習を一度点検してみてください。

