名詞の前に置く a / an と the を冠詞(articles)といいます。日本語にはない品詞なので、「どっちを使う?」「そもそも付ける?」で迷いがちなところです。
この記事では、冠詞 a/an/the の使い方を、不定冠詞と定冠詞の違いから、the が付く語・付かない語まで、例文でわかりやすく解説します。
✅ この記事でわかること
- a/an と the の違い(ひと目でわかる早わかり一覧)
- a と an の使い分け(判断は「発音」)
- the が付く語・付かない語(楽器・食事・go to bed など)
- 国名・地名など固有名詞と the の使い分け
冠詞 a/an/the の使い方(早わかり一覧)
まず全体像から。冠詞は大きく 不定冠詞(a/an) と 定冠詞(the) に分かれ、どちらも付けない「無冠詞」の使い方もあります。
| 冠詞 | 種類 | 使う場面 | 例 |
|---|---|---|---|
| a / an | 不定冠詞 | 「どれでもよい1つ」=不特定・初めて話題にする可算名詞の単数形 | I have a dog. |
| the | 定冠詞 | 「(話し手・聞き手が分かっている)特定のそれ」 | I will walk the dog. |
| (無冠詞) | — | 一般論(複数名詞・不可算名詞)/目的に焦点がある場所 など | I like sports. |
以下、それぞれの使い方を詳しく見ていきます。
a と an の使い分け|判断は「発音」
不定冠詞は、続く語が子音で始まれば a、母音(a/e/i/o/u の音)で始まれば an を使います。ポイントは、つづりではなく 発音 で判断することです。
(1) Do you want an orange or a peach?(オレンジと桃、どっちがいい?)
(2) I’m going to buy a notebook and an eraser.(ノートと消しゴムを買うつもりだ。)
また、「〜というもの(一般的な性質)」や「職業・身分」を表すときにも a / an を使います。
(3) I am a lawyer.(私は弁護士です。)
(4) A bee is an insect.(ハチは昆虫です。)
なお a / an は「(ある)1つの」という意味ですが、多くの場合は訳しません。
a / an と the の違い(早わかり)
a/an(不定冠詞)と the(定冠詞)の違いは、ざっくり言えば 「どれでもよい1つ」か「特定のそれ」かです。
| a / an(不定冠詞) | the(定冠詞) | |
|---|---|---|
| 指すもの | どれでもよい1つ(不特定) | 話し手・聞き手が分かっている特定のそれ |
| 使う場面 | 初めて話題にする名詞 | 2回目以降/互いに分かっている名詞 |
the を使う代表的な場面は次の2つです。
| 場面 | 例 |
|---|---|
| 2回目以降に出る名詞 | I bought a jacket. The jacket was cheap. |
| 互いに分かっている名詞 | “Where’s Ken?” — “In the garden.” |
初出は a、2回目は the という流れが基本です。
(5) I bought a desk and a chair. The desk was new, but the chair was old.(机と椅子を買った。机は新しかったが、椅子は古かった。)
同じ名詞でも、a か the かで意味が変わります。
(6) I have a dog.(= one dog/犬を飼っている) / I will walk the dog.(= my dog/その犬を散歩させる)
(7) Can I make a suggestion?(提案してもいい?) / Can you explain the suggestion?(その提案を説明してくれる?)
the が付く語・付かない語(一覧)
状況から「どれを指すか明らか」なときや、世界に一つしかないものには 常に the を付けます。一方で、the を付けない名詞もあります。
常に the を付ける語
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 唯一のもの | the sun, the moon, the sky, the world |
| 公共の組織 | the police, the army |
| 楽器 | the piano, the guitar |
| メディア | the radio, the Internet |
(8) Tom is learning to play the guitar.(トムはギターを習っている。)
補足として、the same(同じ) も常に the を付けます:We live on the same street.
the を付けない名詞
食事名・television・〈next / last +時〉などには the を付けません。
(9) What did you have for lunch?(昼食に何を食べた?/× the lunch)
(10) Where did you go last weekend?(先週末はどこへ行った?)
go to bed か go to the gym か|場所と the
場所・施設を表す名詞は、「そこで何をするか」に焦点があるとき the を付けません。一方、「どの建物・場所か」を示すときは the を付けます。この使い分けは暗記が必要です。
the を付けない(本来の目的に焦点)
学校=勉強する、ベッド=寝る、というように本来の目的に焦点があるときは the を付けません。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| go to work / start work | 仕事に行く(=働く) |
| go to school / be at school | 学校に行く(=勉強する) |
| go to bed / be in bed | 寝る |
| go to church / be in prison | 礼拝する/服役する |
(11) I’m going to college now.(これから大学に行く。)
(12) I am sleepy. I’m going to bed.(眠い。もう寝る。)
the を付ける(建物・場所そのもの)
建物・場所そのものを指す、または特定の用事で行く場合は the を付けます。
(13) I go to the gym a lot.(私はよくジムに行く。)
(14) Are you going to the dentist tomorrow?(明日歯医者に行くの?)
一般論には the を付けない
「〜というもの全般」を一般論として話すとき、英語では the を付けず、複数名詞や不可算名詞で表します。the を付けると「特定のそれ」に限定されてしまうからです。
(15) I like sports, especially winter sports.(私はスポーツ、特にウィンタースポーツが好きだ。/× the sports)
(16) We don’t cook rice very often.(私たちはあまりご飯を炊かない。)
スポーツ・ゲーム(tennis, skiing)、言語・科目(English, physics)にも the を付けません。
the の有無で「全般」か「特定のそれ」かが変わります。
(17) Mountains are beautiful.(山は美しい。/山全般)
(18) The mountains in this region are beautiful.(この地方の山は美しい。/この地方の山)
固有名詞と the|国名・地名の使い分け
地名・場所の固有名詞は、the を付けるものと付けないものが決まっています。原則を押さえれば、ほとんどのケースに対応できます。
| the を付けない | the を付ける |
|---|---|
| 国・都市:Canada, Peru, Cairo | 複数形の国・諸島:the Netherlands, the USA |
| 通り・広場:Main Street, Times Square | 海・川・運河:the Nile, the Black Sea |
| 空港・駅・大学・公園:Harvard University, Yosemite | republic / kingdom 等:the United Kingdom |
| ホテル・美術館・劇場:the Regent Hotel, the National Theater | |
| 〜of … の形・方角:the Statue of Liberty, the north |
(19) Lima is the capital of Peru.(リマはペルーの首都だ。)
(20) I’ve been to the east of Spain, but not to the west.(スペイン東部には行ったが、西部には行っていない。)
つまずきポイント:a / an は「つづり」ではなく「発音」で決める
冠詞でいちばん間違えやすいのが、a と an を見た目のつづりで判断してしまうことです。基準はあくまで発音です。
| 例 | 正しい冠詞 | 理由 |
|---|---|---|
| hour | an hour | h を発音せず母音の音で始まる |
| university | a university | 「ユ(ju)」=子音の音で始まる |
| engineer | an engineer | 母音の音で始まる |
つづりが母音字(u)で始まる university でも、発音が子音なら a になります。逆に、つづりが子音字(h)の hour でも、発音が母音なら an です。
ミニ確認問題
問題(クリックで解答)
a / an を入れなさい。
- She is ( ) engineer.
- I waited for ( ) hour.
- He goes to ( ) university.
a / the を入れなさい。
- I saw ( ) dog. ( ) dog was big.
- Close ( ) door, please.
the が必要なら入れ、不要なら×。
- I play ( ) guitar.
- We had ( ) lunch together.
- Look at ( ) moon!
- She goes to ( ) school by bus.
- I study ( ) English.
- I visited ( ) France last year.
- We crossed ( ) Atlantic Ocean.
解答
- an / 2. an(hour は母音の音)/ 3. a(university は子音の音)/ 4. a / The / 5. the / 6. the(楽器)/ 7. ×(食事名)/ 8. the(唯一のもの)/ 9. ×(勉強する目的)/ 10. ×(科目の一般論)/ 11. ×(国名)/ 12. the(海)
まとめ
- a/an は「どれでもよい1つ」、the は「特定のそれ」が基本の考え方
- a と an の判断は、つづりではなく発音(母音の音なら an)
- 楽器・唯一のもの・the same には 常に the、食事名・〈last/next+時〉には 付けない
- 「そこで何をするか」に焦点があると the なし(go to bed)、場所そのものなら the あり(go to the gym)
- 一般論は無冠詞(複数・不可算)、国名は原則 the なし・複数形の国名や海・川は the あり
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