科学オリンピック一覧【2026年度】全14大会まとめ> 日本情報オリンピック(JOI)
日本情報オリンピック(JOI)は、高校3年生以下(小学生・中学生も参加可能)を対象とした、国内最大級のプログラミング・情報科学コンテストです。結論から言うと、一次予選はオンラインで実施され、基礎的な内容から出題されるため、プログラミングを始めたばかりの人でも挑戦しやすい設計になっています。
この記事では、JOIの概要から2026年度の日程、試験内容、難易度、対策法、大学入試での活かし方までを整理してお伝えします。
日本情報オリンピック(JOI)とは
日本情報オリンピック(JOI)は、情報オリンピック日本委員会(公式サイト:https://www.ioi-jp.org/)が主催する、高校生以下を対象とした情報科学・プログラミングのコンテストです。
情報科学的な能力に優れた生徒を見出し、その才能の育成を支援するとともに、国際情報オリンピック(IOI)に日本代表として派遣する選手を選抜することを目的として実施されています。
IOIは1989年に第1回が開催された国際大会で、毎年70〜80か国前後が参加し、各国最大4名の代表選手が1日5時間・2日間の個人戦でアルゴリズム設計とプログラミング能力を競います。JOIはこのIOI日本代表を選ぶ、実質的な国内予選という位置づけです。
参加資格【小中学生も参加可能】
JOIの参加資格は次の通りです。
- 対象:高校3年生以下(学年・年齢の下限なし)
- 小学生・中学生の参加も可能で、実際に低学年から一次予選に挑戦する生徒もいます
- 参加にあたって、プログラミング経験の有無は問われません
なお、女子中高生を対象とした裾野拡大の取り組みとして、情報オリンピック女性部門(JOIG)という枠組みも用意されています。あわせてチェックしてみてください。
日程・申し込み方法【2026年度】
2026年度(第26回)JOIのスケジュールは以下の通りです。
| 段階 | 日程 |
|---|---|
| 申込(第1回) | 7月1日〜9月10日 |
| 申込(第2回) | 9月14日〜10月22日 |
| 一次予選 | 9月12日・10月25日(オンライン) |
| 二次予選 | 11月29日 |
| セミファイナル | 1月24日・31日 |
| ファイナル | 3月20日〜24日 |
注意したいのは、申込期間が2回に分かれている点です。第1回の申込期間(7月1日〜9月10日)と第2回の申込期間(9月14日〜10月22日)とでは対象となる予選日が異なるため、参加を希望する回に合わせて期限内に手続きを済ませる必要があります。申込を逃すとその回の一次予選には参加できません。
参加費は一次予選・二次予選は無料で、セミファイナル以降は参加費が発生する年度もあります。日程・参加費・詳しい実施要領は年度によって変更される可能性があるため、申し込み前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。
試験内容・段階構造
JOIは一次予選から始まり、勝ち上がるごとに難易度が上がる多段階選抜方式です。
一次予選(オンライン)
オンラインで実施される最初の関門です。基本的なプログラミングスキルを問う出題が中心で、条件分岐や繰り返し処理など、プログラミングの基礎を身につけていれば得点できる問題も含まれます。使用するプログラミング言語は幅広い選択肢から自分で選べます。
二次予選
一次予選を突破した生徒が進む段階で、アルゴリズムとデータ構造についての知識が求められるようになります。ここから、いわゆる「競技プログラミング」らしい思考力・実装力が問われる出題が増えていきます。
セミファイナル・ファイナル
二次予選を突破した上位層が進む最終選考ステージです。セミファイナルは複数日程に分けて実施され、オンライン開催と会場開催が組み合わされます。ファイナルでの成績が、翌年の国際情報オリンピック(IOI)日本代表選抜に直結します。
いずれの段階も、提出したプログラムをサーバーが自動でテストケースにかけて採点する「オンラインジャッジ」形式で行われます。正解が一意に決まるため、実力がそのまま結果に反映されやすい競技です。
難易度とレベル感【誠実に解説】
JOIの難易度について、正直なところをお伝えします。
一次予選は基礎的な内容から出題されるため、プログラミングを学び始めたばかりの生徒でも一部の問題は解ける設計になっています。一方で、後半の問題になるほど難易度が上がり、全問正解を狙うには相応のアルゴリズム学習が必要です。多くの受験者にとって、初挑戦の年で満点突破を目指すのは簡単ではありません。
現実的な目標の立て方としては、初年度は「一次予選の前半の問題を確実に解いて突破すること」を目指し、学習を重ねながら段階的に上位を狙っていくのが無理のない進め方です。二次予選以降はアルゴリズムとデータ構造の知識が本格的に問われるため、難易度が大きく上がります。
大切なのは、JOIが「プログラミング初心者お断り」の大会ではないという点です。多段階の選抜構造になっているからこそ、自分の実力に合わせて目標を設定しながら挑戦できます。
対策・勉強法・過去問
JOI対策の基本的な流れを紹介します。
まずは1つの言語を固める
Python、C++などプログラミング言語を1つ選び、基本文法(変数・条件分岐・繰り返し処理・配列)を一通り書けるようにすることが出発点です。
過去問で実戦形式に慣れる
JOIの過去問は、オンラインジャッジサービスのAtCoder上で無料公開されています。一次予選・二次予選・本選など段階別に過去問が整理されているため、自分のレベルに合わせて演習できます。また、難易度別に過去問を整理した非公式サイトも存在し、解ける問題から着実に増やしていく学習に役立ちます。
アルゴリズム・データ構造を段階的に学ぶ
基本文法を習得したら、全探索・ソート・再帰といった基礎的なアルゴリズムから学び、二次予選以降を見据えてデータ構造の知識を積み上げていきます。
初心者向けの学習支援も活用する
情報オリンピック日本委員会では、未経験者・初心者向けの学習支援も行っています。独学に不安がある場合は、公式の学習リソースを早めに活用するとよいでしょう。
なお、AI・機械学習分野に特化した人工知能オリンピック(JOAI)も国内で開催されています。プログラミングを軸に興味を広げたい生徒は、あわせて検討してみてください。
大学入試での活かし方
JOI・IOIでの実績は、大学入試の総合型選抜・学校推薦型選抜で評価対象とする大学があります。特に情報系学部を中心に、出願資格や評価要素としてJOIの成績を扱う大学が見られます。
求められるレベルは大学・学部によって幅があり、一次予選突破レベルから、二次予選・本選出場、IOI日本代表クラスまでさまざまです。具体的な出願資格・評価基準は大学・学部・年度によって異なるため、志望校が固まったら必ず最新の募集要項を確認してください。
大学受験全体の進め方については、大学受験対策ガイドでも整理しています。
よくある質問
Q. プログラミング未経験でも参加できますか?
A. 一次予選は基礎的な内容から出題されるため、未経験からでも挑戦は可能です。ただし本番までに基本文法とアルゴリズムの学習を進めておくと、より多くの問題に対応できます。
Q. 参加費はかかりますか?
A. 一次予選・二次予選は無料です。セミファイナル以降は参加費が発生する年度もあるため、最新の金額は公式サイトでご確認ください。
Q. 小学生・中学生でも参加できますか?
A. 対象は「高校3年生以下」のため、小学生・中学生も参加可能です。学年による有利不利のない、実力本位の選抜です。
Q. 一次予選に落ちたら、その年はもう参加できませんか?
A. 2026年度は申込・一次予選が2回に分けて設定されています。回ごとに申込期間・予選日が異なるため、詳細は公式サイトの実施要領で確認してください。
まとめ
日本情報オリンピック(JOI)は、高校3年生以下(小中学生も参加可能)を対象に、一次予選から二次予選、セミファイナル、ファイナルへと段階的に選抜が進む情報科学のコンテストです。一次予選はオンラインで基礎的な内容から出題されるため、プログラミング初心者でも挑戦しやすい一方、上位段階に進むほどアルゴリズム・データ構造の深い理解が必要になります。過去問はAtCoder上で公開されており、自分のレベルに合わせた演習が可能です。大学入試での評価も広がりつつあるため、興味を持った方はまず公式サイトで最新の日程・実施要領を確認し、一次予選への申し込みから挑戦してみてください。
