科学の甲子園は、高等学校等の生徒が学校単位のチームを組み、理科・数学・情報の力を競い合う全国規模の大会です。対象は高校1・2年生で、都道府県予選を勝ち抜いたチームが全国大会に進みます。化学グランプリや物理チャレンジなど個人戦形式の科学オリンピックとは異なり、仲間と役割分担しながら課題に取り組む「チーム戦」であることが最大の特徴です。
科学の甲子園とは
科学の甲子園は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が主催する全国大会です(公式サイト:https://koushien.jst.go.jp/koushien/)。理科・数学・情報に関する複数分野の知識と応用力を、学校単位のチームで競う点が最大の特色で、理数科目が得意な生徒が個々の力を発揮するだけでなく、チームとしての協働力やコミュニケーション力も問われます。
科学系の全国大会には、化学グランプリや日本生物学オリンピックのように個人で参加し成績上位者が国際大会代表候補になっていくタイプの大会も多くありますが、科学の甲子園はその名の通り「甲子園」のように学校対抗でチームを組んで戦う点が独自のポジションです。理数好きの生徒が一人で挑戦する場ではなく、同じ学校の仲間と力を合わせて課題を解決する経験そのものが、大会の大きな価値になっています。
参加資格・チーム編成
参加資格は、高等学校等(中等教育学校後期課程・高等専門学校を含む)に在籍する1・2年生です。チームは同一校の生徒6〜8人で編成し、都道府県ごとに実施される予選を経て代表チームが選ばれます。学年やチーム人数の要件は年度によって細部が変わる可能性があるため、参加を検討する際は在籍校を通じて最新の募集要項を確認するのが確実です。
チームで挑む大会という性質上、理科・数学・情報のすべてに強い生徒だけを集める必要はなく、得意分野が異なるメンバーで補い合って挑むケースも多く見られます。
大会の流れ【都道府県予選→全国大会】
科学の甲子園は、都道府県予選と全国大会の2段階で構成されています。
まず各都道府県の教育委員会などが主催する都道府県大会(予選)が行われ、代表チームが選出されます。予選の実施時期は都道府県によって異なり、大会前年の夏から冬にかけて行われるのが一般的な傾向です。
都道府県予選を勝ち抜いた代表チームは、例年3月に開催される全国大会に進みます。全国大会では複数日程にわたって筆記競技・実技競技が行われ、成績上位チームには文部科学大臣賞などの表彰が授与されます。
予選の実施時期・全国大会の開催日程は年度や都道府県ごとに変更される可能性があるため、最新情報は必ず公式サイト(https://koushien.jst.go.jp/koushien/)でご確認ください。
競技内容【筆記競技・実技競技】
全国大会は「筆記競技」と「実技競技」の2本柱で構成されます。
筆記競技
筆記競技は、理科・数学・情報の中から、これまでに習得した知識をどう活用できるかを問う問題で構成されます。単純な暗記や公式の当てはめだけでは対応しきれない、教科・科目の枠を超えた融合的な出題も見られるのが特徴です。
実技競技
実技競技は、理科・数学・情報に関わる実験・実習・考察等、さらには科学技術を総合的に活用して、ものづくりの能力やチーム内でのコミュニケーション能力を駆使しながら課題を解決する力を競うものです。知識の量だけでなく、チームで話し合い、限られた時間・材料の中で最善の解決策を形にしていくプロセスそのものが評価の対象になります。
難易度とレベル感
誠実にお伝えすると、科学の甲子園は都道府県予選を勝ち抜いた代表チームが集う全国大会だけに、全国大会まで進めば周囲も高いレベルの生徒がそろいます。筆記競技は高校の理科・数学・情報の範囲を土台にしつつ、教科の枠を超えた応用力を問う出題があり、単なる知識の暗記だけでは太刀打ちしにくい内容です。実技競技もその場での発想力・実行力・チームワークが結果を左右するため、事前の練習だけで確実に高得点が取れるとは限りません。
一方で、都道府県予選の段階では、理数系に関心のある生徒がチームを組んで挑戦できる裾野の広い大会でもあります。「まずは学校のチームで挑戦してみる」という位置づけで参加する生徒も多く、全国大会に届かなかったとしても、予選に向けて仲間と準備を重ねる経験自体が力になります。
対策・勉強法
科学の甲子園の対策の軸になるのは、公式サイトで公開されている過去の全国大会の過去問です。問題用紙・解答例・解説が年度ごとに掲載されており、出題の傾向や時間配分の感覚をつかむのに役立ちます。過去問に取り組む際は、解けなかった問題をそのままにせず、なぜ間違えたのかを振り返り、同じ間違いを繰り返さないようにすることが大切です。
チーム戦であることを踏まえると、個人の学力を伸ばす学習に加えて、チーム内での役割分担も対策の重要な要素です。理科が得意なメンバー、数学が得意なメンバー、情報や工作が得意なメンバーというように、あらかじめ強みを整理し、筆記競技ではどの分野を誰が中心に解くか、実技競技ではどう分担して作業を進めるかをチームで話し合っておくと、本番での動きがスムーズになります。教科・科目の枠を超えた融合的な問題に対応するには、理科・数学・情報を縦割りで学ぶのではなく、分野をまたいで考える練習を普段の学習に取り入れておくことも効果的です。
大学入試・進路での活かし方
科学の甲子園での活動実績は、総合型選抜や学校推薦型選抜において、理数分野への関心やチームでの探究活動の実績を裏付ける材料として、提出書類や面接で触れられるケースがあります。ただし、評価の基準や扱い方は大学・学部によって大きく異なるため、具体的な優遇の有無は志望校の募集要項で必ず確認することが前提になります。
大学入試での直接的な優遇の有無にかかわらず、都道府県予選から全国大会に向けてチームで課題に取り組んだ経験は、理数系学部の面接や小論文で問われる「仲間と協働して課題を解決した経験」を自分の言葉で語れる材料になります。教科の枠を超えた融合問題に取り組む過程そのものも、東大をはじめとする難関大学の理系入試で求められる、複数分野を横断して考える力の土台づくりにつながります。
よくある質問
Q. 科学の甲子園は個人でも参加できますか?
いいえ、科学の甲子園は同一校の生徒6〜8人によるチーム参加が条件です。個人で参加する化学グランプリや物理チャレンジなどとは異なり、学校単位でチームを組んで申し込む必要があります。
Q. 参加できる学年は決まっていますか?
対象は高等学校等(中等教育学校後期課程・高等専門学校を含む)の1・2年生です。詳しい条件は年度によって変わる可能性があるため、参加を検討する場合は在籍校を通じて最新の募集要項を確認してください。
Q. 過去問はどこで手に入りますか?
科学の甲子園の公式サイトに、過去の全国大会で出題された問題・解答例・解説が年度ごとに掲載されています。まずは公式サイトの過去問ページから確認するのが確実です。
まとめ
科学の甲子園は、高校1・2年生が同一校6〜8人のチームを組み、理科・数学・情報の力を都道府県予選から全国大会まで競い合う、JST主催の全国大会です。個人戦の科学オリンピックとは異なり、筆記競技・実技競技のいずれもチームでの協働が問われる点が大きな特徴で、全国大会は例年3月に開催されます。過去問での対策に加えて、チーム内での役割分担や分野横断の練習を重ねることが、本番での力の発揮につながります。最新の日程・要項は必ず公式サイトでご確認ください。
科学オリンピック全般については科学オリンピック一覧【2026年度】全14大会まとめ、中学生向けの科学の甲子園ジュニアの記事もあわせてご覧ください。
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