動名詞〈動詞+-ing〉には、丸ごと覚えておくべき慣用表現(熟語)がたくさんあります。cannot help doing、look forward to doing、be used to doing——これらは入試で狙い撃ちされる頻出パターンです。
この記事では、動名詞の慣用表現(熟語)を一覧表でまとめたうえで、to不定詞との使い分け、意味が変わる動詞、意味上の主語まで例文でわかりやすく解説します。
✅ この記事でわかること
- 動名詞の慣用表現(熟語)の一覧表(意味・例文)
- to不定詞と動名詞の使い分け(目的語のとり方4パターン)
- remember/forget/stopなど意味が変わる動詞
- 意味上の主語・否定の作り方、つまずきポイント
動名詞の慣用表現(熟語)一覧【早見表】
まずは主役から。動名詞の慣用表現は、形ごと丸暗記するのが最短ルートです。頻出のものを一覧でつかみましょう。
| 慣用表現 | 意味 |
|---|---|
| cannot help doing | 〜せずにいられない |
| look forward to doing | 〜を楽しみにする |
| be used to doing | 〜するのに慣れている |
| object to doing | 〜するのに反対する |
| It is no use doing | 〜しても無駄だ |
| prevent 人 from doing | 人が〜するのを妨げる |
| have difficulty (in) doing | 〜するのに苦労する |
| feel like doing | 〜したい気がする |
| A is worth doing | Aは〜する価値がある |
| on doing | 〜するとすぐに |
| There is no doing | 〜できない |
例文で感覚をつかみましょう。
(2) It is no use crying over spilt milk.(覆水盆に返らず=泣いても無駄だ。)
(3) The museum is worth visiting.(その美術館は訪れる価値がある。)
⚠️ look forward to / be used to / object to の to は前置詞です。後ろは動詞の原形ではなく動名詞(-ing)が来ます。`used to do`(過去の習慣=「よく〜したものだ」)と混同しないよう注意しましょう。詳しくは後半のつまずきポイントで扱います。
動名詞の4つの働き
そもそも動名詞は動詞を名詞化したもので、名詞と同じように主語・補語・目的語になります。
| 働き | 例 |
|---|---|
| 主語 | Speaking English is easy. |
| 補語 | My hobby is playing the piano. |
| 動詞の目的語 | I like playing baseball. |
| 前置詞の目的語 | by walking / without saying |
to不定詞と動名詞の使い分け(目的語のとり方4パターン)
動詞の中には、目的語にto不定詞をとるか/動名詞をとるかが決まっているものがあります。判断のカギは「to不定詞=未来志向(一時的)/動名詞=現在・過去志向(習慣的)」というニュアンスの違いです。
| パターン | 動詞の例 |
|---|---|
| to不定詞のみ | want, hope, decide, expect, agree, manage |
| 動名詞のみ | finish, enjoy, mind, give up, avoid, practice |
| 両方・同義 | begin, start, like, hate, continue |
| 両方・別義 | remember, forget, try, stop, regret |
「両方・別義」のグループは、どちらをとるかで意味そのものが変わる最重要ポイントです。次で対比します。
to不定詞と動名詞で意味が変わる動詞(早わかり)
remember・forget・try・stop・regret は、後ろが to do か doing かで意味が変わります。ここは入試頻出です。
| 動詞 | to do(未来志向) | doing(現在・過去志向) |
|---|---|---|
| remember | これから〜するのを覚えている | 〜したことを覚えている |
| forget | 〜し忘れる | 〜したことを忘れる |
| try | 〜しようと努力する | 試しに〜してみる |
| stop | 〜するために立ち止まる(副詞的用法) | 〜するのをやめる |
| regret | 残念ながら〜する | 〜したことを後悔する |
特に stop は差がはっきり出ます。
(1) He stopped to smoke.(吸うために立ち止まった。)
(1) He stopped smoking.(吸うのをやめた。)
`stop to do` の to不定詞は「〜するために」という副詞的用法で、stop の目的語ではない点に注意しましょう。
意味上の主語・否定の作り方
動名詞の動作主が文の主語と異なるときは、動名詞の直前に所有格(または目的格)を置いて「誰が〜するのか」を示します。
(4) Do you mind my(me) opening the window?(私が窓を開けてもよいですか?)
否定は not を動名詞の直前に置きます。
(5) I am ashamed of not having been kind to her.(彼女に親切にしなかったことを恥じている。)
つまずきポイント:to + 動名詞に注意
最大の落とし穴が look forward to / be used to / object to の to です。
この to は不定詞の to ではなく前置詞なので、後ろには動詞の原形ではなく動名詞(-ing)が続きます。
I’m looking forward to seeing you.(○ 会えるのを楽しみにしています)
~~I’m looking forward to see you.~~(× to see としない)
一方、`used to do`(過去の習慣=「よく〜したものだ」)は to のあとが原形です。形がそっくりでも別物なので、セットで整理しておきましょう。
| 表現 | to のあと | 意味 |
|---|---|---|
| be used to doing | 動名詞 | 〜するのに慣れている |
| used to do | 原形 | (以前は)よく〜したものだ |
ミニ確認問題
問題(クリックで解答)
( )内を適切な形に、または語を補いなさい。
- I’ll never forget (see) her there.(そこで会ったことを忘れない)
- He stopped (smoke) for his health.(吸うのをやめた)
- 泣いても無駄だ。It is no ( ) crying.
- 会えるのを楽しみにしています。I’m looking forward to ( ) you.
解答
- seeing(forget doing=〜したことを忘れる)
- smoking(stop doing=〜するのをやめる)
- use(It is no use doing=〜しても無駄だ)
- seeing(look forward to の to は前置詞→動名詞)
まとめ
- 動名詞の慣用表現は cannot help doing / look forward to doing / be used to doing などを形ごと丸暗記
- It is no use doing(〜しても無駄だ)・A is worth doing(〜する価値がある) も頻出
- to不定詞は未来志向、動名詞は現在・過去志向。目的語のとり方は4パターン
- remember/forget/try/stop/regret は to do か doing かで意味が変わる
- look forward to / be used to / object to の to は前置詞。後ろは動名詞(used to do と混同しない)
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