東大対策・大学受験ガイド> 共通テスト戦略
東大入試で最初の関門となるのが、共通テストの得点だけで判定される「足切り」=第一段階選抜です。東大の共通テスト足切りは「何点あれば通過できるのか」「何割を目指せばいいのか」——この記事では、まず足切りの仕組みを正確に解説したうえで、予想ラインとの付き合い方、そして東大合格者530名の開示得点データから見える「本当に必要な得点率」までを1本にまとめます。
先に結論をお伝えすると、足切りラインは年度・科類によって大きく変動するため、事前に「何点」と断定することはできません。そして開示データが示すのは、足切りを心配するラインと実際の合格者の得点水準には大きな開きがあり、理系合格者の共通テスト得点率は約9割、82%未満の合格者は3年間ゼロという現実です。
東大の足切り(第一段階選抜)の仕組み
東大入試は二段階選抜方式です。
1. 第一段階選抜(足切り):共通テストの得点のみで判定。通過者だけが二次試験に進めます。 2. 第二段階選抜(二次試験):共通テスト110点換算+二次440点=総合550点満点で最終合否を判定。
足切りで重要なポイントは次の3つです。
- 判定材料は共通テストの素点のみ。二次試験の実力や調査書は関係ありません。
- 科類ごとに「予告倍率」が事前に公表される。近年は概ね2.5〜3.5倍程度とされ、志願者数が「募集人員×予告倍率」を超えた場合に、共通テストの得点の低い順に不合格となります。
- 実施されない科類・年度もある。志願者数が予告倍率に達しなければ、その科類ではその年、足切り自体が行われません。
つまり足切りラインは「絶対的な合格点」ではなく、その年の志願者の中での相対的な順位で決まるカットラインです。ここが、毎年ラインが大きく動く根本的な理由です。
足切り点は何点?予想ラインの考え方
事前に断定できない理由
足切り点は「志願者数」と「志願者の得点分布」という、出願が締め切られるまで確定しない2つの要素で決まります。同じ科類でも、志願者が予告倍率に届かず足切りなしになる年もあれば、人気が集中してラインが大きく上がる年もあります。「東大の足切りは何点」と断定している情報は、過去の実績値か予想値のどちらかであり、翌年にそのまま通用する保証はありません。
予備校の予想ラインはどう使うか
共通テスト直後には、大手予備校各社が自己採点集計(リサーチ)に基づく足切り予想やボーダー予想を公表します。これは数十万人規模とされる自己採点データに基づくもので、出願する科類を最終判断する材料としては非常に有用です。ただし次の2点は区別してください。
- 足切り予想ライン:二次試験に「進めるかどうか」のライン。
- 合格ボーダー予想:総合550点満点で「合格できるかどうか」のライン。
足切りを通過しても、合格に必要な共通テストの水準はそのはるか上にあります。科類別のボーダーの目安は東大共通テストボーダーの目安(科類別)で詳しく解説しています。
「2026年度の足切りは?」と気になったら
2026年度入試でも、足切りの実施有無・ラインは科類ごとに分かれました。年度ごとの実績を追いかけるより大切なのは、どの年でも揺らがない「合格者の得点水準」を知っておくことです。次のデータをご覧ください。
足切り通過はスタートライン:合格者の共通テスト得点率
イエナアカデミーは、2024〜2026年度の東大合格者530名分の開示得点(本人開示による実際の得点)を独自に収集・集計しています。合格者の共通テスト得点率は次の通りです。
| 年度 | 理系平均 | 文系平均 |
|---|---|---|
| 2024 | 90.6%(815.8/900) | 88.4%(795.6/900) |
| 2025 | 92.1%(921.0/1000) | 89.8%(898.0/1000) |
| 2026 | 89.1%(890.5/1000) | 87.7%(877.1/1000) |
ここから読み取れることは明確です。
- 理系合格者の平均は3年間ずっと約9割(89.1〜92.1%)。
- 理系では共通テスト得点率82%未満の合格者が3年間で1人もいない。共テの出遅れを二次で挽回するルートは、理系には事実上存在しません。
- 文系は理系よりわずかに幅があり、2026年度には72.6%からの文科一類合格例もありました。ただし平均は87.7〜89.8%で、低得点からの逆転はあくまで例外です。
足切りの予想ラインは年度によって大きく上下しますが、合格者の水準はほぼ動いていません。「足切りを超えられるか」を心配する段階の得点では、二次試験で相当な挽回が必要になります。目指すべきは足切りラインではなく、合格者平均の「9割」です。合格者の共通テスト平均のより詳しい分析は東大合格者の共通テスト平均点をご覧ください。
共通テストは110点に圧縮される:それでも9割が必要な理由
「共通テストは圧縮されるから配点が小さい」とよく言われます。実際、東大では共通テストの素点(1000点満点)が×110/1000で110点満点に換算されます(2024年度は900点満点からの換算)。素点10点の差は総合点ではわずか1.1点。この計算だけを見ると、共通テストは軽視してよさそうに思えます。
それでも合格者が9割を取ってくるのには理由があります。
- 足切りは圧縮前の素点で判定される。二次でどれだけ実力があっても、ここを通過しなければ受験資格がありません。
- 合否は総合550点満点の勝負。2026年度の合格最低点は理科一類303.39点・文科一類325.01点(東京大学公表値)で、合格者平均はボーダー+17〜43点。総合1.1点の差が合否を分けかねない接戦です。
- 共テ9割は二次学力の指標でもある。基礎が固まっていない状態で二次型の学習だけを積んでも、東大の問題では得点になりません。合格者の共テ9割は、その土台の証明と考えるべきです。
圧縮計算の具体的なやり方は東大共通テスト圧縮計算(110点換算)のやり方で、合格最低点の科類別データは東大合格最低点【2024〜2026】で詳しく解説しています。
東大合格から逆算する共通テスト対策
目標点は「足切り」ではなく「合格者平均」から設定する
開示データに基づくなら、目標設定はシンプルです。
- 理系:9割(900/1000)を前提条件として設定。82%未満の合格者はゼロという事実から逆算します。
- 文系:88〜90%を目安に設定。二次の配点構造上、理系よりは共テの出遅れを挽回できる余地がありますが、平均水準は理系とほぼ変わりません。
科目別の目標配分の考え方は東大共通テスト目標点・何割必要かで詳しく扱っています。
高1・高2のうちにやるべきこと
共通テスト9割は、高3の秋から共テ対策を始めて届く水準ではありません。高1・高2のうちに主要科目の基礎を入試レベルまで固めておき、高3は二次対策の中で共テの得点力も同時に上がっていく——これが合格者の典型的な勉強法です。直前期に共テ対策へ大きく時間を割く受験生ほど、二次との両立に苦しみます。学年別の目安は東大共通テスト対策、高1・高2の目安にまとめました。
過去問演習は「素点の最大化」より「事故の防止」
共通テスト型の過去問・予想問題演習で意識すべきは、満点狙いではなく大失点の芽をつぶすことです。理系合格者に82%未満がいないという事実は、裏を返せば「1科目の事故で82%を切ると、そこから先の合格例がない」ということでもあります。苦手科目を8割未満で放置しないことが、東大受験における共通テスト対策の実質的なゴールです。
よくある質問(FAQ)
東大の共通テストの足切り点はいくつですか?
年度・科類によって大きく変動するため、断定できません。足切りラインは志願者数と予告倍率(近年概ね2.5〜3.5倍程度)で決まる相対的なカットラインで、志願者が集まらず実施されない科類・年度もあります。過去の実績値や予備校の予想は、出願判断の参考値として使ってください。
東大の足切りは何割くらいですか?
一律には言えません。年度・科類による変動が大きいためです。ただし当社の開示データでは、実際の合格者は理系で約9割、文系で87.7〜89.8%を取っており、足切りを心配する得点帯と合格者の得点帯は大きく離れています。目標は足切りラインではなく合格者水準に置くべきです。
共通テスト何割で東大に合格できますか?
合格者530名の開示データでは、理系平均89.1〜92.1%、文系平均87.7〜89.8%(2024〜2026年度)です。理系は82%未満の合格者が3年間ゼロで、「約9割」が実質的な前提条件です。文系は2026年度に72.6%からの文一合格例がありますが、例外的なケースと考えるべきです。
圧縮配点の計算方法は?
共通テストの素点(1000点満点)×110/1000で110点満点に換算します(2024年度は900点満点から換算)。例えば素点900点なら99点です。詳しい計算手順は圧縮計算の解説記事をご覧ください。
理三は共通テスト何割必要ですか?
科類別の共テ集計値は公表されていませんが、理三の合格最低点は総合550点満点で346.09点(2026年度)と全科類で最も高く、合格者平均も386.7点と突出しています。理系全体の共テ平均が約9割であることを踏まえると、理三志望者はその中でも上位の得点率が求められると考えるのが自然です。
データの出典と注記
開示得点データは、ウェブサイト上で公開されている2024〜2026年度の東大合格者530名の本人申告開示得点を、イエナアカデミーが独自に収集・集計したものです(開示未記載30名を除くn=500)。合格最低点は東京大学公表値。
東大対策はイエナアカデミーへ
イエナアカデミーは、合格者データに基づいて「共通テストで何割・二次でどの科目に何点」を一人ひとり設計する、オンライン対応の個別指導塾です。足切りや共テの目標設定に迷ったら、現在の得点状況を見ながら一緒に逆算しましょう。
