助動詞は、動詞だけでは表せない「可能・許可・推量・義務・意志」といった話し手の判断を動詞に付け加えます。中学基礎で学んだ基本の意味に加え、大学受験では第二・第三の意味と慣用表現が問われます。
この記事では、助動詞の発展的な意味を整理し、混同しやすい should と must の違いや、`cannot help -ing`・`may well` などの入試頻出イディオムを、例文でわかりやすく解説します。
✅ この記事でわかること
- 助動詞の発展的な意味・慣用表現の早見表
- should と must の違い(義務・推定の強さ)
- can / may / must / should / will / would の第二・第三の意味
- `cannot 〜 too` `cannot help -ing` `may well` など頻出イディオム
助動詞の発展的な意味・慣用表現(早見表)
まずは、基本の意味の先にある「発展的な意味」と「慣用表現」を一覧でつかみましょう。
| 助動詞・表現 | 発展的な意味 | 例 |
|---|---|---|
| can(推量・否定・疑問) | 〜がありうる/〜のはずがない/一体〜だろうか | It can’t be true.(本当のはずがない) |
| cannot 〜 too … | いくら…しても〜しすぎることはない | You cannot be too careful. |
| cannot help -ing | 〜せずにいられない | I couldn’t help laughing. |
| cannot afford to 〜 | 〜する余裕がない | We cannot afford to buy a car. |
| may / might | 許可・推量・祈願 | May you be happy! |
| may well 〜 | 〜するのももっともだ/たぶん〜だろう | She may well be angry. |
| may as well 〜 | 〜した方がよい | You may as well give up smoking. |
| must | 〜しなければならない/〜にちがいない | He must be tired. |
| should / ought to | 〜すべきだ/〜のはずだ | You should be kinder. |
| had better | 〜した方がよい(警告に近い) | — |
| will / would | 強い意志・習性・過去の習慣・推量 | This door won’t open. |
| would rather A than B | BするよりむしろAしたい | — |
| shall / need / dare | 〜しましょうか/必要・あえて | Shall I carry it? |
以下、それぞれの使い方を詳しく見ていきます。
should と must の違い(早わかり)
`should` と `must` は、どちらも「義務」と「当然の推定」の両方を表せるため混同しがちです。違いは「強さ」にあります。
| must | should / ought to | |
|---|---|---|
| 義務 | 〜しなければならない(強い) | 〜すべきだ(助言・弱め) |
| 推定 | 〜にちがいない(強い) | 〜のはずだ(弱め) |
| 言いかえ・時制 | have to(過去 had to など) | ought to でほぼ同義 |
推定の強さは must > should。つまり「〜にちがいない」と強く言い切るなら must、「〜のはずだ」と控えめに言うなら should です。
(5) You should be kinder to your sister.(妹にもっと優しくすべきだ。= You ought to be …)
なお had better「〜した方がよい」は、should より口調が強く警告に近い表現です(否定は had better not)。
can / could|推量・不可能・慣用表現
can は「能力(〜できる)」が基本。過去の能力は could ですが、未来は can が使えず will be able to を用います。また「1回限りの動作ができた」は could ではなく was able to を使います。
(1) He will be able to speak English soon.(彼はもうすぐ英語を話せるようになる。)
can には、能力以外に次の用法があります。
| 用法 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 推量 | 〜することがありうる | You can be injured.(けがをすることもある) |
| 否定 | 〜のはずがない | It can’t be true.(本当のはずがない) |
| 疑問 | 一体〜だろうか | Can the news be true?(その知らせは本当だろうか) |
can の慣用表現も頻出です。
- cannot 〜 too …:いくら…しても〜しすぎることはない
- cannot help -ing(= cannot help but 原形):〜せずにいられない
- cannot afford to 〜:〜する余裕がない
You cannot be too careful when you drive.(運転はいくら注意してもしすぎない。)
I couldn’t help laughing. = I couldn’t help but laugh.(笑わずにいられなかった。)
We cannot afford to buy a car.(車を買う余裕はない。)
may / might|許可・推量・祈願
may / might は「許可」「推量」に加え、祈願でも使います。
| 用法 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 許可 | 〜してよい | May I borrow it?(借りてよいですか) |
| 推量 | 〜かもしれない | She may not come.(来ないかもしれない) |
| 祈願 | 〜でありますように | May you be happy!(お幸せに) |
祈願は〈May + 主語 + 原形 …!〉の語順になります。また might は may より控えめ・丁寧なニュアンスです。
may の慣用表現も押さえましょう。
- may well 〜:〜するのももっともだ/たぶん〜だろう
- may as well 〜:〜した方がよい
- might as well A as B:BするくらいならAした方がマシだ
She may well be angry with you.(あなたに腹を立てるのももっともだ。)
You may as well give up smoking.(タバコはやめた方がよい。)
must|義務・強い推定
must は「義務(〜しなければならない)」と「当然の推定(〜にちがいない)」を表します。
(2) You must study hard to pass the exam.(試験に受かるには猛勉強しなければならない。)
時制を変えるときは have to を使います(過去 had to/否定 don’t have to「〜しなくてよい」)。must not は「〜してはいけない(禁止)」です。
推定として使うと「〜にちがいない」。その否定「〜のはずがない」には注意が必要です。
(3) He must be tired.(彼は疲れているにちがいない。)
(4) He can’t be tired.(彼は疲れているはずがない。)
「〜にちがいない(must)」の否定(〜のはずがない)は、must not ではなく can’t を使います(詳しくは後述)。
will / would|強い意志・習慣・推量
will / would は単純未来・意志未来のほか、次の発展用法が重要です。
| 用法 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 強い意志 | どうしても〜しようとする | This door won’t open.(このドアはどうしても開かない) |
| 習性・習慣 | (いつも)〜する | Accidents will happen.(事故は起こるものだ) |
| 過去の習慣 | よく〜したものだ(would) | I would often go fishing.(よく釣りに行ったものだ) |
| 推量 | 〜だろう(would) | He would be about twenty.(彼は二十歳くらいだろう) |
過去の習慣は would でも used to でも表せますが、過去の状態(I used to be fat. など)は used to のみ。would は動作の反復に限ります。
would の慣用表現もセットで覚えましょう。
- would like to 〜:〜したい(want to より控えめ)
- would like 人 to 〜:人に〜してほしい
- Would you mind -ing?:〜していただけませんか
- would rather A than B:BするよりむしろAしたい
shall / need / dare|そのほかの助動詞
Shall I 〜?(1人称)は「〜しましょうか」という申し出。need・dare は否定文・疑問文で助動詞として使えます(need not / Dare you 〜?)。
(6) Shall I carry your suitcase?(スーツケースをお持ちしましょうか?)
(7) He need not get up early.(彼は早起きする必要はない。)
つまずきポイント:推定の否定・can の時制
発展的な助動詞でよく問われる注意点をまとめます。
- 推定の否定は can’t:「〜にちがいない(must)」の否定「〜のはずがない」は、must not ではなく can’t(He can’t be tired.)。must not は「禁止」になってしまうので混同注意。
- 未来の能力は will be able to:can に未来形はないので、「〜できるようになる」は will be able to を使う。
- 1回限りの動作は was able to:過去に「1回だけできた」は could ではなく was able to。could は「一般的な能力」に使う。
- 過去の状態は used to のみ:過去の習慣は would / used to どちらでも表せるが、過去の「状態」は used to だけ(would は動作の反復のみ)。
ミニ確認問題
問題(クリックで解答)
日本語に合うように( )を埋めなさい。
- 彼が来るのはもっともだ。He ( )( ) come.
- 運転はいくら注意してもしすぎることはない。You cannot be ( ) careful when driving.
- 泣かずにいられなかった。I couldn’t ( ) crying.
- そんなことを言うなんて、彼は気が変に違いない。He must ( ) crazy to say such a thing.
解答
- may well / 2. too / 3. help / 4. be
まとめ
- 助動詞は基本の意味に加え、第二・第三の意味と慣用表現が入試で問われる
- should と must の違いは「強さ」。義務も推定も must > should
- 推定の否定「〜のはずがない」は must not ではなく can’t
- 未来の能力は will be able to、過去の状態は used to で表す
- `cannot 〜 too` `cannot help -ing` `may well` などの慣用表現は暗記が近道
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