この記事で分かること(3行サマリ)
- ニュートレジャーでつまずくのは珍しいことではありません。語彙量が指導要領の約1.3倍・進度は約1.5倍・市販の自習教材がほぼないという、教材の構造そのものに原因があります。
- 挽回の鍵は「全部やり直す」ことではなく、単語 → Key Points(基本例文)→ 音読の3点に絞って90日で立て直すことです。
- 定期テストの点数が下がり始めてから平均点に戻すまでは時間がかかります。「あれ?」と思った学期のうちに手を打つのが最小コストです。
「中学受験ではあんなに頑張れた子が、英語だけどんどん分からなくなっている」「ニュートレジャーの小テストが毎回半分も取れない」——NEW TREASURE採用校のご家庭から、私たちイエナアカデミーに最も多く寄せられる相談です。
検索窓に「ニュートレジャー 落ちこぼれ」と打ち込んでこの記事にたどり着いた方に、最初にお伝えしたいことがあります。それはお子さんの能力の問題ではなく、この教材が「つまずきやすく、独力で戻りにくい」構造を持っているからです。この記事では、つまずきの原因を構造から分解し、90日で立て直す具体的な手順をお伝えします。
「ついていけない」のは珍しくない——教材の構造を知る
NEW TREASURE(ニュートレジャー)は、Z会が発行する中高一貫校向けの検定外教科書です(教材の全体像は「NEW TREASUREとは?レベル・Stage構成・検定教科書との違い」で解説しています)。つまずきやすさの根拠は、次の3つの数字に集約されます。
1. 語彙量……Stage1・2だけで約2,300語。学習指導要領が中学3年間の目安とする1,600〜1,800語程度を、2年分で上回ります 2. 進度……多くの採用校でStage1・2(=中1・中2)のうちに中学文法を完成させ、中3から高校内容へ。公立中学の約1.5倍のペースです 3. サポート教材……教科書本体は学校専売で、検定教科書のような市販の「教科書ガイド」が存在しません。授業で置いていかれた分を市販教材で自習リカバリーする、という手段が取りにくいのです
「一度分からなくなると、自力では戻りにくい」——これがニュートレジャーという教材の最大の特徴です。逆に言えば、戻り方の手順さえ正しければ、挽回は十分可能です。
つまずきの3大原因——どれに当てはまるかを見極める
私たちが新中1〜中2の生徒を指導していて、つまずきの原因はほぼ次の3つに分類できます。お子さんがどれに当てはまるかで、最初に打つ手が変わります。
原因1:単語が積み上がっていない(最多)
最も多いのがこのパターンです。ニュートレジャーは1レッスンあたりの新出語が多く、単語小テストを「直前に詰め込んで忘れる」を繰り返すと、2学期には本文がほとんど読めなくなります。
- サイン:小テストは60〜80点なのに、定期テストの長文で点が取れない
- 最初の一手:学校の単語リストを「今週のレッスン+既習の戻り」の2本立てで毎日回す
原因2:文法が「例文ごと」入っていない
ニュートレジャーの文法進度は速く、Key Points(基本例文)を覚えないまま問題演習に入ると、解説を読んでも腑に落ちない状態になります。特に中1の後半(不定詞・動名詞のあたり)と中2(関係詞・比較の発展)で顕在化しやすいポイントです。
- サイン:文法問題集で「なんとなく」選んで間違える。間違い直しをしても次も間違える
- 最初の一手:問題集の前に、該当レッスンのKey Pointsを見ずに言える・書ける状態を作る
原因3:音読不足で「英文が音として入っていない」
Read(読解英文)はStage3で600〜800語程度と、中学生の教材としては長大です。黙読だけの学習では処理が追いつかず、「読むのが遅い→テストで時間切れ」という形で表面化します。
- サイン:時間無制限なら解けるのに、テストでは最後まで到達しない
- 最初の一手:既習レッスンの本文を1日1回音読する(新出レッスンより「既習の音読」が先です)
挽回ロードマップ——90日で立て直す
「全範囲をやり直す」のは挫折のもとです。次の順番で、やることを3つに絞ってください。
Step1(〜2週間):現在地の診断
- 直近の定期テスト・小テストを並べ、失点が「単語」「文法」「長文」のどこに集中しているかを仕分けます
- 教科書を1〜2レッスン戻り、Key Pointsを口頭で言えるかチェック。言えなくなった地点が「戻るべき地点」です
Step2(2週〜6週):単語とKey Pointsの並行リカバリー
- 単語:戻るべき地点から1日20〜30語を「読める・意味が言える」レベルで回す(書き取りは頻出語に絞る)
- 文法:Key Pointsの例文を音読→日本語から英語に直す→書く、の順で1日2〜3文ずつ
- この期間、学校の進度分は「授業内で理解を最大化する」と割り切り、家庭学習は復習に全振りします
Step3(6週〜90日):演習と音読で定着させる
- 学校配布のワークブック・文法問題集を、間違えた問題だけ3周
- 既習レッスンの本文音読を毎日1本。読むスピードが上がると、テストの体感難度が一気に下がります
- 次の定期テストで「前回より平均点との差を半分にする」ことを目標にします。一気に平均超えを狙わないのが継続のコツです
塾に頼る場合の選び方——「ニュートレジャー対応」の中身を確認する
家庭だけで回らないと感じたら、外部の力を借りる判断も必要です。ただし、ニュートレジャーは学校専売教材のため、一般的な集団塾のカリキュラムとは噛み合いません。塾選びでは次の3点を確認してください。
1. 教科書そのものに対応しているか……「中高一貫生対応」ではなく「NEW TREASURE対応」と明言しているか。学校の進度・レッスンに合わせて指導できるか 2. 答案・宿題を個別に見てくれるか……つまずきの原因は生徒ごとに違うため、集団一斉指導では戻るべき地点まで戻れないことが多いです 3. 質問できる仕組みがあるか……市販ガイドがない教材だからこそ、「分からない箇所をすぐ聞ける」環境の価値が大きくなります
なお、英語のつまずきが学校生活全体の不調(提出物の遅れ・朝起きられない等)とセットで出ている場合は、教科対策の前に生活面の立て直しが先です。「中1ギャップとは?中高一貫校で起きやすいつまずきと親ができること」で整理しています。
まとめ
- ニュートレジャーのつまずきは教材の構造(語彙量・進度・市販サポート不在)によるもの。お子さんの能力不足と結論づけない
- 原因は「単語」「文法(例文)」「音読不足」の3つに大別される。診断→絞り込み→90日の順で立て直す
- 塾を使うなら「NEW TREASURE対応」を明言し、個別の答案添削と質問対応がある塾を選ぶ
つまずきを最短で立て直したい方へ
イエナアカデミーのニュートレジャー対策コースは、NEW TREASURE採用校の生徒向けに、教科書の解説動画・ワークブックと問題集の1問1問の添削・チャット質問対応をオンラインで提供しています。解説動画は毎月2本まで無料で視聴できます。
「どこから戻ればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。現在の答案を拝見し、戻るべき地点の診断からお手伝いします。
→ ニュートレジャー対策コースの詳細を見る(動画2本まで無料)
出典
- Z会 中高生用英語教科書『NEW TREASURE』公式ページ(語彙数・学校専売の記載)
