共通テストの英語は、リーディング100点・リスニング100点の1:1配点(2021年の共通テスト移行後)。センター試験時代の「筆記200点・リスニング50点」から一変し、リスニングの比重は約4倍に跳ね上がりました。にもかかわらず「対策は過去問を数回聞いただけ」という受験生は今も多く、ここが差がつく最大のポイントです。
英語のもう一方、リーディングの対策は共通テスト英語リーディング完全ガイドにまとめています。
このページは、共通テストリスニングの制度・配点の基本から、満点・9割を狙う具体的な勉強法、そして定番参考書14冊のレビューとレベル別ルートまでを1本にまとめた完全ガイドです。「何から手をつければいいか」「どの参考書を買えばいいか」で迷っている人は、上から順に読めば対策の全体像がつかめます。
この記事の要点(先に結論)
- リスニングは配点100点。まず志望校の圧縮・傾斜配点を確認してから力の入れ方を決める。
- 伸ばす順番は「①音が聞こえる耳を作る(発音・音声変化)→ ②形式に慣れる → ③実戦で数をこなす」。
- 参考書は用途で3層に分ける。入門書・レベル別問題集・実戦問題集(+過去問)を混同しない。
- リスニングは毎日の積み上げが命。イエナアカデミーでは毎日22:30〜23:30にオンラインでリスニング対策クラスを実施しています(詳細は記事末尾)。
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共通テストリスニングの基本情報(制度・配点)
対策を始める前に、まず「どんな試験か」を正確に押さえます。ここを誤解したまま勉強すると、努力の方向がずれてしまいます。
配点・出題形式
共通テスト英語(リスニング)の主な仕様は次のとおりです。数値は年度により変わる場合があるため、最新の正式な内容は必ず大学入試センターの発表で確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 満点 | 100点(リーディングも100点/合計200点) |
| 大問数 | 第1問〜第6問の6大問 |
| 解答時間 | 30分(試験時間の枠は機器確認等を含め約60分) |
| 読み上げ回数 | 第1問〜第3問=2回読み/第4問〜第6問=1回読み |
| 使用機器 | ICプレーヤー+イヤホン(各自で再生・音量調整は開始時のみ) |
大問構成のイメージは次の表のとおりです。後半(第4〜6問)は1回しか読まれないため、ここでどれだけ得点できるかが勝負を分けます。
| 大問 | 出題内容の目安 | 読み上げ | 配点目安 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 短い発話の内容一致(A:英文選択/B:イラスト選択) | 2回 | 約25点 |
| 第2問 | 短い対話+イラスト選択 | 2回 | 約16点 |
| 第3問 | 短い対話の内容理解 | 2回 | 約18点 |
| 第4問 | 図表・複数情報の聞き取り | 1回 | 約12点 |
| 第5問 | 講義・ワークシート完成 | 1回 | 約15点 |
| 第6問 | 長めの対話・議論(複数話者) | 1回 | 約14点 |
※配点は年度により変動します。あくまで「後半ほど1回読み・情報量が多い」という傾向をつかんでください。
なぜイヤホンなのか(機器と当日の流れ)
共通テストのリスニングは、受験生一人ひとりがICプレーヤーとイヤホンで音声を再生します。センター試験時代の「教室スピーカーで一斉放送」とは違い、席の位置による有利・不利がなくなった一方で、自分の機器で聞く前提の練習が必要になりました。本番で慌てないよう、普段からイヤホンで演習する習慣をつけておきましょう。音量調整は基本的に試験開始時の1回のみなので、当日の操作手順も事前にイメージしておくと安心です。
イヤホン・ICプレーヤーの仕組みや音量調整、機器トラブル時の対応、当日の流れは共通テストリスニングのイヤホン・機器ガイドで詳しく解説しています。
音声・スクリプト・過去問の入手方法
対策の素材は「本番と同じ音源」で揃えるのが鉄則です。
- 公式音声・問題:大学入試センターや各予備校が公開する過去問・問題冊子を活用します。
- 過去問演習の具体手順:音源を使った過去問の回し方は共通テストのリスニング音声で過去問演習する方法で詳しく解説しています。
- 年度別の過去問:センター試験〜共通テストの年度別過去問は共通テスト過去問まとめ(common-test)から辿れます。
- 平均点の推移:難易度や目標設定の参考に共通テスト・センター試験 科目別平均点の全推移も合わせてご確認ください。
共通テストリスニングの勉強法・コツ
ここが本ガイドの核心です。リスニングは「才能」ではなく手順で伸びます。次の順番で積み上げてください。
全体戦略:満点・9割を取るための考え方
リスニングが伸びない人の多くは、「音が聞こえていない」段階と「聞こえるが解けない」段階を区別していません。
- 音が聞こえない(単語は知っているのに聞き取れない)→ 発音・音声変化(連結・脱落・弱形)のインプットが不足。
- 聞こえるが解けない(内容は追えるのに選択肢を選び損ねる)→ 先読み・情報整理・設問処理のトレーニング不足。
自分がどちらでつまずいているかを見極め、足りない方から埋めるのが最短ルートです。9割・満点を狙うなら、1回読みの第4〜6問を落とさない設計が必須になります。
先読みの正しいやり方(「先読み禁止」は誤解)
「共通テストのリスニングは先読み禁止」という情報を見かけますが、これは誤解です。放送が始まる前や、大問と大問の合間に設問・選択肢を先に読んでおくことは有効な戦略で、ルール上も問題ありません。むしろ、
- 放送前に設問・選択肢に目を通し、「何を聞き取るべきか」を先に決める
- 選択肢から場面・話題・対比のポイントを予測する
- 1回読みの大問では、放送を聞きながら選択肢を消去していく
といった先読み前提の解き方を身につけることが、後半の得点安定に直結します。
シャドーイング・ディクテーション・オーバーラッピングの使い分け
トレーニング法は目的で使い分けます。やみくもに「聞き流す」だけでは伸びません。
| 手法 | やり方 | 主な効果 | 向いている段階 |
|---|---|---|---|
| ディクテーション | 音声を聞いて書き取る | 聞き取れない箇所の特定 | 弱点の可視化 |
| オーバーラッピング | スクリプトを見ながら音声に重ねて音読 | 音とスペルの一致 | 基礎固め |
| シャドーイング | 音声に少し遅れて声に出して追う | 音声変化を体に定着 | 標準〜実戦 |
| 音読・多聴 | 意味を取りながら繰り返す/量を聞く | 処理速度の向上 | 全段階 |
おすすめの型:新しい素材はまず解く → ディクテーションで聞き取れなかった箇所を特定 → スクリプトで音の変化を確認 → オーバーラッピング → シャドーイング、の順で1つの音源を「使い倒す」こと。教材は増やしすぎず、同じ音源を繰り返す方が効果的です。
毎日の学習ルーティンと「いつから」始めるか
リスニングは筋トレと同じで、週1回まとめてより毎日15〜20分の方が伸びます。一度作った耳も、放置すると鈍ります。
- 理想:高2〜高3の早い時期から、毎日短時間でも英語音声に触れる。
- 遅くとも:直前期に「形式慣れ」だけで終わらせないよう、夏〜秋には毎日の演習を習慣化する。
- 学年別の始めどきは共通テスト対策はいつから?学年別ロードマップも参考にしてください。
「聞き取れない・伸びない」を克服するチェックリスト
伸び悩んだら、次のどれに当てはまるかを確認します。
- 単語・熟語の発音を正しく覚えていない(黙読では気づけない弱点)
- 連結・脱落・同化などの音声変化を知らない
- 数字・固有名詞・時刻など、メモすべき情報をメモしていない
- 設問・選択肢の先読みをしていない
- 日本語に訳してから理解しようとして処理が追いつかない
- 使っている音源が本番とスピード・アクセントが違う(本番は多様なアクセントを含む)
該当項目が「その日の課題」です。1つずつ潰していきましょう。
おすすめアプリ・スキマ時間の活用
移動時間などのスキマには、リスニングアプリやディクテーションアプリ、英語ニュース音声(易しめのもの)を活用すると、毎日の接触量を無理なく増やせます。ただしアプリは「量を確保する補助」と位置づけ、得点力の核は後述の問題集・過去問演習で作るのが基本です。
アプリの目的別の選び方やスキマ時間の使い方はリスニング対策アプリの選び方と活用法にまとめました。
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共通テストリスニングの参考書レビュー
「結局どれを買えばいい?」に答えるパートです。参考書は用途で3層に分けて選びます。ここを混同して「実戦問題集をいきなり大量に解く」→「聞き取れず消化不良」に陥る受験生が非常に多いです。
各参考書の個別レビューと選び方を詳しく知りたい方は、リスニング参考書おすすめ14選|レベル別ルートと比較レビューをご覧ください。
まずは3層で考える(用途の違い)
- ① 入門・音づくり:発音・音声変化を学び、「音が聞こえる耳」を作る本。
- ② レベル別・形式慣れ:共通テスト形式の問題を、易しい順に積み上げる本。
- ③ 実戦・数をこなす:本番そっくりの予想問題・実戦模試・過去問で仕上げる本。
レベル別ロードマップ
| 段階 | 目的 | 代表的な参考書 |
|---|---|---|
| 基礎(〜5割) | 音声変化・発音の理解 | きめる!/もりてつ「1カ月で攻略」/点数が面白いほどとれる本 |
| 標準(6〜8割) | 共通テスト形式に慣れる | 東進レベル別問題集0〜3/全レベル問題集2/満点のコツ |
| 実戦(9割〜満点) | 本番形式で数をこなす | 河合 総合問題集/駿台 実戦問題集/Z会 実戦模試/予想問題集/過去問(赤本) |
| 難関大の次の一冊 | 東大・早慶など | 新キムタツの東大英語リスニング |
定番参考書レビュー(比較表)
各書の位置づけを一覧にしました。版年(2026年版など)は毎年改訂されるため、購入時は必ず最新版を選んでください。
| 書名 | タイプ | レベル | 特徴・こんな人に |
|---|---|---|---|
| きめる!共通テスト英語リスニング | ① 入門 | 基礎〜標準 | 講義形式で音声変化から解説。何から始めるか迷う人の1冊目に。 |
| 大学入学共通テスト英語[リスニング]の点数が面白いほどとれる本(竹岡広信) | ① 入門 | 基礎〜標準 | 「なぜ聞き取れないか」を理屈から解説。独学で理解を深めたい人向け。 |
| 1カ月で攻略!大学入学共通テスト英語リスニング(森田鉄也/もりてつ) | ①→② 入門・演習 | 基礎〜標準 | 短期集中型。トレーニング手順が明確で、直前の立て直しにも。 |
| 関正生の英語リスニング プラチナルール | ① 入門 | 基礎〜標準 | 音の「ルール」を体系化。感覚でなく理屈で押さえたい人に。 |
| 満点のコツ(共通テスト英語リスニング 満点のコツ/改訂版) | ② 形式慣れ | 標準〜実戦 | 高得点に必要な着眼点を凝縮。9割超えを狙う仕上げ期に。 |
| 東進 共通テスト英語リスニング レベル別問題集 0〜3 | ② 形式慣れ | 基礎〜標準 | レベル0から段階的に。基礎から積み上げたい人の主軸に。 |
| 全レベル問題集 英語リスニング2 共通テストレベル(旺文社) | ② 形式慣れ | 標準 | 共通テストレベルに絞った演習。標準力の底上げに。 |
| 共通テスト総合問題集 英語[リスニング](河合塾・通称「黒本」) | ③ 実戦 | 実戦 | 予備校の良質な予想問題。本番前の演習量確保に定番。 |
| 共通テスト実戦問題集 英語[リスニング](駿台・通称「青本」) | ③ 実戦 | 実戦 | 骨のある問題で実戦力を磨きたい人に。 |
| 共通テスト実戦模試(2) 英語リスニング(Z会) | ③ 実戦 | 実戦〜難 | やや難度高め。高得点帯の詰めに。 |
| 実戦対策問題集(水野卓)/予想問題集(谷川学)/実況中継(語学春秋社) | ③ 実戦・解説 | 標準〜実戦 | 予想問題や講義系解説で補強したい人の追加候補。 |
| TRY30(桐原書店) | ② 形式慣れ | 標準 | 30回演習で形式に慣れる。演習量を分割して積みたい人に。 |
| 共通テスト過去問研究 英語(赤本・教学社) | ③ 過去問 | 実戦 | 最優先の実戦素材。本番の傾向をつかむ土台に。 |
| 新キムタツの東大英語リスニング(Basic/無印/Super) | 難関大 | 難 | 共通テストを超えたい東大・早慶志望の「次の一冊」。 |
問題集の選び方(予想問題集・実戦問題集・過去問の違い)
- 過去問(赤本など):最優先。本番の出題・スピード・アクセントの「基準」を体に入れる。
- 実戦問題集・総合問題集(黒本・青本):過去問が足りない分の演習量を補う。予備校が作る本番形式。
- 予想問題集・模試型:新傾向や苦手大問を集中的に埋める。
「①入門を1冊 → ②レベル別を1冊やり込む → ③実戦(過去問+黒本/青本)で数をこなす」——この一直線が、遠回りのないルートです。参考書は増やすより繰り返すのが鉄則です。
よくある質問(FAQ)
共通テストのリスニング対策は何をすればいいですか?
まず発音・音声変化を学んで「音が聞こえる耳」を作り、次に共通テスト形式の問題集で慣れ、最後に過去問・実戦問題集で数をこなす——この3段階が基本です。毎日短時間でも継続することが最も重要です。
共通テストのリスニングにおすすめの参考書は?
1冊目なら「きめる!」「点数が面白いほどとれる本(竹岡)」「1カ月で攻略(もりてつ)」などの入門書、演習には東進レベル別問題集や河合・駿台の実戦問題集、仕上げに過去問(赤本)が定番です。詳しくは本記事の「参考書レビュー」の比較表を参照してください。
配点・試験時間はどうなっていますか?
リスニングは100点満点(リーディングも100点)。解答時間は30分です。ただし大学によってリーディングとの配点比率を変えるため、必ず志望校の配点を確認してください。英語全体の時間配分は共通テスト英語の時間配分も参考になります。
なぜイヤホンを使うのですか?
2021年の共通テスト移行時に、受験生ごとにICプレーヤーとイヤホンで再生する方式になりました。席による聞こえ方の差をなくすためで、普段からイヤホンで演習しておくと本番で慌てません。
平均点はどれくらいですか?
年度によって変動します。最新の推移は共通テスト・センター試験 科目別平均点の全推移でご確認ください。
先読みはしていいのですか?
はい。放送前や大問の合間に設問・選択肢を読んでおくのは有効な戦略で、ルール上も問題ありません。「先読み禁止」は誤解です。
いつから対策を始めるべきですか?
早いほど有利です。理想は高2〜高3前半から毎日短時間の接触を始めること。学年別の目安は共通テスト対策はいつから?を参照してください。
リスニングが聞き取れない・伸びない場合は?
多くは「発音・音声変化を知らない」「先読みしていない」「日本語に訳してから理解しようとして処理が追いつかない」のいずれかです。ディクテーションで聞き取れない箇所を特定し、音の変化を確認してからシャドーイングで定着させると改善します。
何割・何点取れば良いですか?
志望校の配点比率で目標は変わります。難関大ではリスニングでも8〜9割以上が目安になることが多く、まずは志望校のボーダーと配点を確認しましょう。
まとめ:正しい順番と毎日の継続で、リスニングは伸びる
共通テストのリスニングは、①音づくり → ②形式慣れ → ③実戦の順番と、毎日の継続さえ守れば、確実に伸びる分野です。参考書は用途で3層に分け、増やすより繰り返す。先読みとシャドーイングを正しくやる。これだけで多くの受験生と差がつきます。
英語全体の戦略は共通テスト英語の対策法(リーディング・リスニング)、共通テスト全体の進め方は共通テスト対策とは|総合ガイドも合わせてお読みください。
リスニングは「毎日続けられる環境」で差がつきます
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