科学オリンピック一覧【2026年度】中学生・高校生が参加できる全14大会まとめ

「科学オリンピックに挑戦してみたいけれど、どんな大会があるのか分からない」「中学生でも参加できるの?」——そんな疑問に、この記事1本で答えます。

日本国内で中高生が参加できる科学系オリンピックは、数学・物理・化学・生物・情報・地学・地理に加え、近年新設された天文学・言語学・人工知能(AI)まで、個人戦12大会+チーム戦2大会の計14大会あります。それぞれ国際大会の日本代表選抜を兼ねており、上位入賞は東大の学校推薦型選抜をはじめとする大学入試でも強力な実績になります。

この記事では、全14大会の対象学年・申込時期・選考日程・国際大会との対応を一覧表で整理したうえで、大会ごとの特徴、難易度の考え方、入試での活かし方まで解説します。

目次

科学オリンピックとは?国際大会につながる全国コンテスト

科学オリンピックとは、数学や物理などの分野ごとに中高生が知識と思考力を競う全国規模のコンテストです。多くの大会は、毎年夏に世界各国で開催される国際科学オリンピックの日本代表選抜を兼ねています。国内大会の予選・本選を勝ち抜き、代表選考合宿などを経て選ばれた数名が、日本代表として世界大会に挑む仕組みです。

主要7分野(数学・化学・生物学・物理・情報・地学・地理)は国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)が支援しており、科学オリンピック共通エントリーサイトから申し込めます。天文学・言語学・AIなどの新しい大会は、それぞれの主催団体のサイトから個別に申し込みます。

意外と知られていませんが、参加資格の基本は「20歳未満・大学入学前」。名称に「高校生」とあっても、実際には中学生から挑戦できる大会がほとんどです。

【早見表】科学オリンピック全14大会一覧

まずは全体像です。日程は2026年度のもので、毎年ほぼ同時期に実施されます(申込前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください)。

大会名分野中学生申込時期主な選考日程対応する国際大会
日本数学オリンピック(JMO)数学7/1〜9/10予選11月・本選2月国際数学オリンピック(IMO)
日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)数学◎中学生以下対象7/1〜9/10予選11月・本選2月IMOへの登竜門
日本情報オリンピック(JOI)情報7/1〜10/22予選9〜11月・決勝1〜3月国際情報オリンピック(IOI)
日本情報オリンピック女性部門(JOIG)情報○(女性)JOI申込で自動本選1月ヨーロッパ女子情報オリンピック(EGOI)
物理チャレンジ物理4〜5月第1チャレンジ7月・第2チャレンジ8月国際物理オリンピック(IPhO)
化学グランプリ化学4/1〜6/8一次7月・二次8月国際化学オリンピック(IChO)
日本生物学オリンピック生物5/1〜6/15予選7月・本選8月国際生物学オリンピック(IBO)
日本地学オリンピック地学○(本選は中3以上)9/1〜11/15一次12月・二次1月・本選3月国際地学オリンピック(IESO)
日本天文学オリンピック天文〜1/5予選1月・本選2月国際天文学・天体物理学オリンピック(IOAA)
科学地理オリンピック日本選手権地理9/1〜11/15第1次12月・第2次2月・第3次3月国際地理オリンピック(iGeo)
日本言語学オリンピック(JOL)言語学10/1〜12/1512月下旬(オンライン)国際言語学オリンピック(IOL)
日本人工知能オリンピック(JOAI)AI○(13歳以上)2月(オンライン)国際人工知能オリンピック(IOAI)
科学の甲子園理数総合×(高1・2)学校単位都道府県予選→全国大会3月
科学の甲子園ジュニア理数総合◎(中1・2)学校単位都道府県予選→全国大会12月

年間スケジュール:申込時期を逃さないのが最初の関門

科学オリンピックで一番多い失敗は、実力不足ではなく「申込を忘れること」です。大会ごとに申込時期が大きく異なるため、年度初めに挑戦する大会を決めてカレンダーに入れておきましょう。

  • 春(4〜6月)に申込:物理チャレンジ、化学グランプリ、日本生物学オリンピック → 夏休みに選考
  • 夏(7〜9月)に申込:JMO、JJMO、JOI → 秋〜冬に予選
  • 秋(9〜12月)に申込:日本地学オリンピック、科学地理オリンピック、日本言語学オリンピック → 12月末〜春に選考
  • 冬(〜1月)に申込:日本天文学オリンピック、JOAI → 1〜2月に実施
  • 学校単位で参加:科学の甲子園(高校)、科学の甲子園ジュニア(中学)

複数分野の掛け持ちも十分可能なスケジュール構成になっています。

数学・情報系の科学オリンピック

日本数学オリンピック(JMO)

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本数学オリンピック(JMO)の詳細ガイドをご覧ください。

国内で最も歴史と層の厚い科学オリンピックのひとつ。予選(11月)・本選(2月)を勝ち抜いた上位者は代表選考合宿(3月)に進み、国際数学オリンピック(IMO)日本代表を目指します。女子生徒はヨーロッパ女子数学オリンピック(EGMO)の代表選抜も兼ねています。

日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)の詳細ガイドをご覧ください。

中学生以下を対象とした数学オリンピック。JMOと同日程で予選・本選が行われます。中学生が「自分の学年の全国レベル」を知る絶好の機会で、優秀者はその後のJMO・IMOにつながっていきます。

  • 対象:中学3年生以下
  • 申込:7月1日〜9月10日/予選11月(オンライン)・本選2月11日

日本情報オリンピック(JOI)

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本情報オリンピック(JOI)の詳細ガイドをご覧ください。

プログラミングとアルゴリズムの実力を競う大会。一次予選(9月・10月)はオンラインで基礎的な内容から始まるため、プログラミング学習を始めたばかりでも挑戦しやすいのが特徴です。二次予選(11月)から決勝(1〜3月)へと進み、国際情報オリンピック(IOI)代表選抜につながります。

日本情報オリンピック女性部門(JOIG)

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本情報オリンピック女性部門(JOIG)の詳細ガイドをご覧ください。

JOIに参加登録した女性は自動でエントリーされる女性限定部門。本選(1月)の成績上位者はヨーロッパ女子情報オリンピック(EGOI)の日本代表候補になります。女子の理系実績づくりの場として注目度が上がっています。

  • 対象:高校3年生以下の女性

理科系(物理・化学・生物・地学・天文)の科学オリンピック

物理チャレンジ

▶ この大会をくわしく知りたい方は物理チャレンジの詳細ガイドをご覧ください。

物理の全国コンテスト。第1チャレンジは自宅でできる実験レポートと理論問題コンテスト(7月)の2本立てで、通過者が夏合宿形式の第2チャレンジ(8月)に進みます。実験重視の構成が特徴で、国際物理オリンピック(IPhO)代表選抜を兼ねます。

  • 対象:20歳未満・高等教育機関に未在学(中学生も可)
  • 申込:4〜5月(学校一括は5月下旬締切)
  • 公式:物理チャレンジ

化学グランプリ

▶ この大会をくわしく知りたい方は化学グランプリの詳細ガイドをご覧ください。

「化学の甲子園」を掲げる全国大会。一次選考(7月・マークシート)は全国の会場で受験でき、上位者が二次選考(8月・実験)に進みます。中学生以下も参加できますが、二次選考は実験器具を安全に扱える力が前提です。国際化学オリンピック(IChO)代表選抜を兼ねます。

  • 対象:高校生以下(中学生も可)
  • 申込:4月1日〜6月8日
  • 公式:化学グランプリ

日本生物学オリンピック

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本生物学オリンピックの詳細ガイドをご覧ください。

生物学の知識と考察力を競う大会。予選(7月・オンライン)を通過すると、大学等を会場にした本選(8月)で実験課題に取り組みます。国際生物学オリンピック(IBO)代表選抜を兼ねます。

日本地学オリンピック

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本地学オリンピックの詳細ガイドをご覧ください。

地球科学(地質・気象・天文・海洋)の総合力を競う大会。一次予選はなんと小学1年生から受験でき、理科好きの小中学生の腕試しにも使われます。本選(3月)に進めるのは国際大会の年齢要件を満たす中3〜高2のみ。国際地学オリンピック(IESO)代表選抜を兼ねます。

日本天文学オリンピック

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本天文学オリンピックの詳細ガイドをご覧ください。

2022年に始まった新しい大会で、2026年で第5回。予選(1月・オンライン)は年齢不問で誰でも参加でき、本選(2月・対面)と表彰の対象になる「選抜枠」は中高生が対象です。国際天文学・天体物理学オリンピック(IOAA)の代表選抜につながります。歴史が浅いぶん、挑戦者にとってはチャンスの大きい大会です。

  • 対象:選抜枠は初等中等教育12年を修了していない者(=中高生)/参加費3,500円
  • 申込:〜1月5日
  • 公式:日本天文学オリンピック

文理融合・新領域の科学オリンピック

科学地理オリンピック日本選手権

▶ この大会をくわしく知りたい方は科学地理オリンピック日本選手権の詳細ガイドをご覧ください。

地理を「暗記科目」ではなく「場所を科学する力」で競う大会。第1次(12月・オンライン)から第3次(3月・フィールドワーク試験)まで段階的に選考されます。国際地理オリンピック(iGeo)の代表には16〜19歳の年齢要件があるため、高2以下での挑戦が代表への近道です。

日本言語学オリンピック(JOL)

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本言語学オリンピック(JOL)の詳細ガイドをご覧ください。

見たこともない言語の単語や文の対応関係から、その言語の規則を論理的に解読するパズル型の大会。言語の知識ではなく論理的思考力で勝負するため、数学が得意な生徒とも相性抜群です。上位者はアジア太平洋言語学オリンピック(APLO)を経て国際言語学オリンピック(IOL)代表へ。「文系の科学オリンピック」を探している人にも有力な選択肢です。

  • 対象:選抜枠は20歳未満・大学教育未受講/受験料3,000円
  • 申込:10月1日〜12月15日/実施:12月下旬(オンライン・自宅から受験可)
  • 公式:日本言語学オリンピック

日本人工知能オリンピック(JOAI)

▶ この大会をくわしく知りたい方は日本人工知能オリンピック(JOAI)の詳細ガイドをご覧ください。

2025年に始まった最も新しい科学オリンピック。機械学習・自然言語処理・画像認識などのAI課題に実装で挑む形式で、国際人工知能オリンピック(IOAI)の日本代表選抜を兼ねます。日本の中高生がすでに国際大会で金メダルを獲得しており、プログラミング×データ分析に興味がある生徒には絶好の新領域です。

  • 対象:選抜枠は13歳以上・20歳未満・高等教育未受講
  • 実施:2月(オンライン)※2026年度の選抜枠は参加無料
  • 公式:日本人工知能オリンピック

チームで挑む「科学の甲子園」

個人戦のオリンピックとは別に、学校単位のチームで理数の総合力を競う大会もあります。

科学の甲子園

▶ この大会をくわしく知りたい方は科学の甲子園の詳細ガイドをご覧ください。

高校1・2年生の6〜8人チームが、理科・数学・情報の筆記と実技で競う都道府県対抗戦(JST主催)。都道府県予選を勝ち抜いた代表校が、3月の全国大会に集結します。

科学の甲子園ジュニア

▶ この大会をくわしく知りたい方は科学の甲子園ジュニアの詳細ガイドをご覧ください。

中学1・2年生版の科学の甲子園。筆記は6人、実技は3人のチームで協力して課題を解きます。全国大会は例年12月。個人戦のオリンピックと違い「仲間と挑む」経験ができるのが最大の魅力です。

科学オリンピックと関連する才能育成プログラム

順位を競う「大会」とは別に、選抜した生徒を最先端研究に取り組ませる才能育成プログラムもあります。オリンピックに挑む生徒の「次のステップ」や「並行する道」として知っておく価値があります。

情報科学の達人プログラム

国立情報学研究所(NII)が情報処理学会・情報オリンピック日本委員会と協力して実施する、情報学のトップ才能を選抜する研究者育成プログラム(JSTの次世代科学技術チャレンジプログラムの一環)です。中学2年生〜高校2年生・高等専門学校1〜4年生から40名程度を選抜し、若手研究者との共同研究に無料で取り組みます。国際情報オリンピック(IOI)の日本代表の多くが修了生で、情報オリンピックと並ぶ「情報学の登竜門」といえます。

  • 対象:中学2年〜高校2年・高専1〜4年(40名程度)/受講費用は無料
  • 応募:一般公募/高専生の応募/情報オリンピック日本委員会による推薦の3ルート
  • 公式:情報科学の達人プログラム(NII)

▶ このプログラムをくわしく知りたい方は情報科学の達人プログラムの詳細ガイドをご覧ください。

科学オリンピックの難易度は?——「予選突破」は思ったより近い

「科学オリンピック=天才の世界」というイメージがありますが、それは代表選抜の最終段階の話です。どの大会も予選→本選→代表選考のピラミッド構造で、裾野は広く開かれています。

  • 一次予選のレベル:多くの大会で、学校の学習内容+αの応用問題が中心。特にJOI一次予選や地学一次予選は、基礎ができていれば十分に通過を狙えます。
  • 本選のレベル:高校範囲を超える題材も出ますが、「その分野が本当に好きか」を試す思考力型の出題が中心です。
  • 層の厚さで見る難易度:数学(JMO)・情報(JOI)・物理は参加者が多く、伝統的に競争が厳しい分野です。一方、天文学・言語学・AIの3大会は歴史が浅く参加者層もまだ薄いため、同じ努力量でも上位に入りやすい「狙い目」といえます。
  • 中学生のうちに挑む価値:JJMOや科学の甲子園ジュニア、地学一次予選など、中学生が全国レベルを体感できる入口が揃っています。早く始めるほど、高校での上位入賞につながります。

科学オリンピックは大学入試にどう活きるか

科学オリンピックの実績は、一般入試の学力に直結するだけでなく、推薦・総合型選抜の武器になります。

  • 東京大学 学校推薦型選抜:提出書類で示す実績の例として、国際科学オリンピックやその国内大会での顕著な成績が挙げられています(求める書類・実績は学部により異なります)。理学部・工学部などを推薦で目指すなら、科学オリンピックは王道の実績のひとつです。
  • 京都大学 特色入試や各大学の総合型選抜:数理・情報系の学部を中心に、オリンピック実績を評価する枠が広がっています。
  • 調査書・探究活動:本選に届かなくても、「予選に挑戦し、そこへ向けて学習した過程」自体が探究活動の実績として調査書や志望理由書に書けます。

重要なのは、入賞だけが価値ではないということ。過去問を使った対策の過程で、学校の理科・数学を大きく超える体系的な力が付き、それがそのまま難関大の二次試験の得点力になります。

勉強法と過去問——まずは公式過去問から

科学オリンピック対策の出発点は、各大会の公式サイトで無料公開されている過去問です。

  • まず直近2〜3年分を時間を計らずに解き、出題範囲と自分の距離を測る
  • 学校の教科書+市販の発展系問題集で土台を固める(多くの大会は「高校範囲+α」)
  • 物理チャレンジ・化学グランプリ・生物学オリンピックは実験系の出題があるため、学校の実験に主体的に取り組む経験が効く
  • JOI・JOAIはオンラインジャッジ(AtCoder等)や公式の学習資料で実装力を鍛える

独学が難しいと感じたら、学校の先生に加えて、理数を体系的に指導できる塾・予備校を頼るのも近道です。

よくある質問

Q. 中学生でも参加できますか?

A. ほとんどの大会で参加できます。参加資格の基本は「20歳未満・大学入学前」で、中学生を排除している大会はほぼありません。中学生専用のJJMO、中1・2限定の科学の甲子園ジュニアもあります。

Q. 参加費はかかりますか?

A. 大会により異なります。無料〜数千円程度(例:生物学2,000円、言語学3,000円、天文学3,500円)です。

Q. 複数の大会を掛け持ちできますか?

A. できます。申込・選考時期が分野ごとにずれているため、例えば「夏に化学+秋に数学+冬に天文」といった挑戦が可能です。

Q. 文系でも参加できる大会はありますか?

A. あります。言語学オリンピックと地理オリンピックは、文系的関心と論理的思考の両方を活かせる大会です。

まとめ:科学オリンピックは「理系の全国大会」への最短入口

中高生が参加できる科学系オリンピックは、個人戦12大会+チーム戦2大会の計14大会。参加資格は広く開かれており、中学生からの挑戦が十分可能です。まずは早見表から興味のある分野を選び、申込時期をカレンダーに入れるところから始めてください。

イエナアカデミーでは、東大をはじめとする難関大を目指す中高生に向けて、科学オリンピックにも通じる本質的な理数・英語の力を育てる指導を行っています。大学受験に向けた学習設計は大学受験対策ガイドもあわせてご覧ください。

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