英語の発音のコツ|日本人がつまずく5つの壁と直し方

「発音を良くしたい」と思ったとき、多くの人がいきなり thr の練習を始めます。しかしそこは優先度が高くありません。日本語話者の発音が通じにくい原因は、個別の子音よりもリズムと母音の構造にあるからです。

この記事では、日本人が必ずぶつかる5つの壁を、直すべき順番とあわせて整理します。

目次

壁①|母音の数が違う(最重要)

日本語の母音はアイウエオの5つ。対して英語は、数え方にもよりますが20前後あります。つまり英語の母音の大半は、日本語に存在しません。

とくに厄介なのが曖昧母音(シュワー)です。about の a、problem の e のように、弱く読まれる母音はすべて「ア」ともつかない曖昧な音に潰れます。英語で最も出現頻度の高い母音がこれです。カタカナで「アバウト」と発音していると、この最頻出音を一度も出していないことになります。

壁②|音節(母音)の数を増やしてしまう

日本語は子音+母音が基本なので、英語の子音だけの部分にも母音を足してしまいます。

単語英語の拍数日本語式起きること
milk1拍ミ・ル・ク(3拍)3拍待つので1拍で通過されると聞き逃す
strike1拍ス・ト・ラ・イ・ク(5拍)語頭の子音連続が処理できない
asked1拍ア・ス・ク・ト(4拍)語末の子音連続が聞き取れない

直し方はシンプルで、単語を覚えるときに手拍子を打つことです。母音の数だけ手を叩きます。これだけで「拍で待つ」癖が抜けます。

壁③|リズムが違う(モーラ vs 強勢)

日本語はすべての拍をほぼ等間隔で打つ言語(モーラリズム)です。一方、英語は強く読む音節だけが等間隔で来る言語(強勢リズム)です。

つまり英語では、強く読まれる語の間にある語は、いくつあっても同じ時間に押し込められますI want to go to the park なら、立つのは want / go / park の3つだけ。残りは潰れて速く流れます。これが「速すぎて聞こえない」の正体であり、同時に「棒読みに聞こえる」の正体でもあります。

壁④|子音(th / r / l / v / f)

ここでようやく個別の子音です。優先度は高くありませんが、意味の取り違えにつながるものだけは押さえます。

  • l と rlight / rightcollect / correct。r は舌をどこにも付けない、l は上前歯の裏に付ける
  • ththink の無声音と this の有声音。舌先を軽く歯に触れさせる
  • v と bvase / base。v は下唇に上前歯を当てて息を出す
  • f と hfood を「フード」と発音すると h に寄って通じにくい
  • si と shisit / shitsee / she。日本語の「シ」は英語の sh 寄り

壁⑤|語の中で「どこを強く読むか」を知らない

英単語には必ず強く読む位置(アクセント)があります。ここを間違えると、音がすべて合っていても通じません。hoTELCAlendardeVElop のように、単語を覚える段階でアクセント位置ごと覚えるのが唯一の対策です。

さらに文レベルでは内容語(名詞・動詞・形容詞・副詞)が立ち、機能語(前置詞・冠詞・助動詞)が沈むという原則があります。これを知っていると、聞くときも「立った語だけ拾えばいい」と割り切れます。

直す順番|優先度の高い順に

やること効果
1音節(母音)の数を合わせる。手拍子で確認最も即効性が高い
2曖昧母音を出せるようにする最頻出音なので影響範囲が広い
3強勢リズムに乗る。内容語だけ立てる「棒読み」「速くて聞こえない」が同時に解決
4アクセント位置を単語とセットで覚える通じなさの直接原因を潰す
5個別子音(th/r/l/v/f)を直す仕上げ。最後でよい

実際の練習方法は英語の発音練習のやり方にまとめています。また、聞き取り側から見た音の変化は英語が聞き取れない原因|音声変化10種類で解説しています。


【無料配布】リスニングのための発音ルール(A4・17ページ)

この記事で扱った音声変化のルールを、早見表・弱形一覧・復元クイズ20問までまとめた配布資料を無料でお渡ししています。イエナアカデミーで実際に生徒へ配っているものと同じ内容です。

LINEでは、毎日22:30〜23:30のオンライン・リスニング対策クラス(無料体験受付中)のご案内もお送りしています。


よくある質問

発音は大学受験に必要ですか?

共通テストで発音・アクセントの独立問題は出題されなくなりましたが、リスニング100点の土台として必要です。出せない音は聞き取れないため、発音の学習は実質的にリスニング対策そのものです。

ネイティブみたいな発音を目指すべきですか?

不要です。目標は「ルール通りに音を変形できること」であって、訛りを消すことではありません。試験でも実務でも、通じる発音であれば十分です。

カタカナで覚えるのはダメですか?

拍数が変わってしまうので、カタカナ表記に頼るのは避けたほうが安全です。どうしても使うなら、母音の数だけは英語に合わせて表記してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次