「シャドーイングを続けているのに伸びない」「意味ないのでは」——この疑問はもっともです。やり方を間違えたシャドーイングは、実際にほとんど効果がありません。
ただし結論を言えば、シャドーイング自体は有効です。問題は「使う段階」と「やり方」にあります。原因を5つに分けて特定します。
原因①|素材のレベルが高すぎる
最も多い原因です。スクリプトを見ても理解できない素材でシャドーイングをしても、音を追いかけるだけの作業になります。
基準は「スクリプトを見れば9割わかる」。これより難しい素材は、リスニングではなく読解の課題です。
原因②|工程の順番が違う(最重要)
シャドーイングは最後の工程です。いきなり始めると、聞こえたままの間違った音を高速で固めることになります。
| 順 | 工程 | 役割 |
|---|---|---|
| 1 | 音声変化のルールを知る | 知らない音は聞こえない |
| 2 | ディクテーション | 自分の穴を特定する |
| 3 | オーバーラッピング(スクリプトを見て重ねる) | 正しい音を口で作る |
| 4 | シャドーイング | 自動化・速度を上げる |
2と3を飛ばしている人が非常に多いのが実情です。とくにディクテーションを省くと、どのルールで落としているかが分からないまま反復することになり、伸びません。
原因③|素材を毎回変えている
新しい音源を毎日流すのは、一見すると勉強量が多く見えますが最も伸びない使い方です。同じ素材を最低4回は回してください。1回目で解き、2回目で書き取り、3回目で重ね、4回目で追いかける。これで初めて1つの素材が学習になります。
原因④|口が動いていない
小さな声、あるいは頭の中だけでのシャドーイングは効果が大きく落ちます。実際に声を出し、口の筋肉を動かすことが音を作る工程の本体です。自分の声で原音がかき消されるくらいで構いません。
原因⑤|期間が短すぎる
リスニングの伸びは直線ではなく階段状です。数週間まったく変化がなく、ある日突然聞こえ出す、という進み方をします。2週間で判断せず、最低1ヶ月は同じ手順を続けてください。
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正しい手順に組み直す
ここまでの5原因を裏返すと、正しいやり方は次のようになります。
- 素材はスクリプトを見れば9割わかるものを選ぶ
- ディクテーション→オーバーラッピング→シャドーイングの順を守る
- 1つの素材を4回以上回す
- 声を出す。口を動かす
- 1ヶ月は続けてから判断する
各工程の詳細はシャドーイングのやり方、ディクテーションの勉強法、オーバーラッピングとの違いにまとめています。
