- 英検準1級のライティングは2024年度から「要約(60〜70語)」と「英作文(120〜150語)」の2題構成です
- 採点は内容・構成・語彙・文法の4観点。CSEスコアではリーディング・リスニングと同じ750点満点の重みがあります
- 対策の核心は「型を決めて、書いて、添削を受けて直す」の反復。本記事でその型を具体的に示します
結論からお伝えします。英検準1級のライティングで安定して得点するために必要なのは、(1) 要約と英作文それぞれの「型」を先に固めること、(2) 4観点の採点基準を意識して書くこと、(3) 書いたものを添削してもらい修正する回数を増やすこと、の3つです。
準1級は2024年度のリニューアルで要約問題が追加され、ライティングが合否を左右する度合いがさらに高まりました。この記事では、英検公式サイトと実際の問題冊子(2026年度第1回)で確認した形式に基づいて、要約・英作文それぞれの手順とテンプレートを解説します。
英検準1級ライティングの試験形式(2024年度リニューアル後)
まず形式を正確に押さえましょう。英検公式サイトによると、準1級一次試験はリーディング・ライティング90分、リスニング約30分です。ライティングは筆記90分の中で、リーディングと自分で時間を配分しながら解きます。
| 大問 | 形式 | 問題数 | 語数の目安 |
|---|---|---|---|
| 大問4 | 英文要約(English Summary) | 1問 | 60〜70語 |
| 大問5 | 英作文(English Composition) | 1問 | 120〜150語 |
語数は問題冊子の指示文に明記されています。要約は「本文をできる限り自分の言葉で60〜70語に要約する」、英作文は「与えられたTOPICについて、4つのPOINTSのうち2つを使い、序論・本論・結論の構成で書く」という指定です。
配点はリーディング・リスニングと同じ重み
英検準1級のスコアはCSEスコア(英検が採用する共通尺度)で示され、リーディング・ライティング・リスニングが各750点満点、一次試験合計2250点満点です。一次試験の合格基準スコアは1792点(固定)です。
つまり、たった2問のライティングが、31問あるリーディングと同じ750点の重みを持ちます。1問あたりの影響が最も大きい技能であり、対策の費用対効果が最も高い技能でもあります。合格に必要なスコアの全体像は英検の合格点・合格ラインまとめで詳しく解説しています。
なお、素点が何点ならCSEスコアが何点になるかは、統計的手法により回ごとに調整されるため「何割取れば合格」という公式基準は公表されていません。この点は誤解が多いので注意してください。
採点基準は4観点。「何を見られているか」を先に知る
英検のライティングは「内容・構成・語彙・文法」の4観点で採点されます。書く前にこの4観点を知っているかどうかで、答案の質は大きく変わります。
| 観点 | 見られていること | よくある減点要因 |
|---|---|---|
| 内容 | 課題に正面から答えているか。理由や根拠が主張を支えているか | TOPICとずれた主張、理由が1つしかない、POINTSを使っていない |
| 構成 | 序論→本論→結論の流れが明確か。接続表現で論理がつながっているか | 段落分けがない、However等の接続語がなく話が飛ぶ |
| 語彙 | 課題にふさわしい語彙を正しく、幅を持って使えているか | 同じ単語の繰り返し、易しすぎる語だけで書く |
| 文法 | 文法的に正しく、文構造に多様性があるか | 三単現・時制のミス、全文が単文の羅列 |
重要なのは、4観点はそれぞれ別に評価されるという点です。「文法ミスが怖いから簡単な文だけで書く」と、文法の失点は防げても語彙・文法の「多様性」で伸び悩みます。逆に難しい構文に挑戦してミスだらけになるのも本末転倒です。「正確に書ける構文のストックを少しずつ増やす」のが正攻法です。
要約問題(大問4)の解き方:3文構成の型
2024年度に追加された要約問題は、200語程度の英文を読んで60〜70語にまとめる問題です。実際の問題文は「主題の紹介→賛成側の意見→懸念・批判側の意見」という3段落構成になっていることが多く、これが型の土台になります。
手順:段落ごとに「1文」に圧縮する
1. 全体を読み、各段落の役割をつかむ(主題/利点/懸念、が典型) 2. 段落ごとに「この段落の言いたいことは何か」を1文で言い換える。具体例や数字は思い切って捨てる 3. 3文を接続表現でつなぐ。賛成側にはSupporters argue that… / 反対側にはHowever, critics point out that… など 4. 語数を数えて60〜70語に調整し、本文の表現をそのまま写していないか確認する
要約の3文テンプレート
- 第1文: 主題の提示 — 「〜という政策・現象がある(広まっている)」
- 第2文: 賛成・利点 — Proponents say (that) 〜 / One advantage is that 〜
- 第3文: 懸念・批判 — However, opponents worry that 〜 / On the other hand, 〜
要約で最も多い失敗は「本文の丸写し」
問題の指示文には「できる限り自分の言葉で(in your own words as far as possible)」と明記されています。本文の文をそのまま切り貼りした答案は、語数が合っていても評価されにくくなります。名詞を代名詞・上位語に置き換える、動詞を同義語に言い換える、2文を1文に統合する、といったパラフレーズの練習が要約対策の中心です。
英作文(大問5)のテンプレートと時間配分
英作文は、TOPICに対して賛成か反対かを選び、4つのPOINTSから2つを使って120〜150語で書く問題です。構成は「序論・本論・結論」と指示文で指定されているので、迷う余地はありません。次の4段落テンプレートに流し込みます。
4段落テンプレート(約120〜150語)
| 段落 | 役割 | 書き出しの型 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 序論 | 立場の表明 | I think/do not think that 〜 for the following two reasons. | 1〜2文 |
| 本論1 | 理由1(POINT①) | First(ly), 〜. For example, 〜. | 2〜3文 |
| 本論2 | 理由2(POINT②) | Second(ly), 〜. This is because 〜. | 2〜3文 |
| 結論 | 立場の再確認 | For these reasons, I believe that 〜. | 1〜2文 |
ポイントは、自分が本当に思っている立場ではなく「英語で理由を2つ書きやすい立場」を選ぶことです。採点されるのは意見の中身の是非ではなく、英語で論理的に主張を支えられているかです。
本論を太らせる「抽象→具体」の2文セット
本論が1文で終わると内容の観点で伸びません。「抽象的な理由→具体化」の2文セットを型にしましょう。
- 抽象: Advertising often exaggerates the benefits of products.(広告は製品の利点を誇張しがちだ)
- 具体: For example, consumers may buy expensive items they do not really need.(例えば、消費者は本当は不要な高額品を買ってしまうことがある)
この「For example / This is because / As a result」で1文足す習慣だけで、内容・構成の評価は目に見えて安定します。
筆記90分の時間配分(目安)
ライティング専用の試験時間はないため、自分で確保する必要があります。当塾では次の配分を推奨しています(あくまで指導経験に基づく目安です)。
- リーディング(31問): 約50分
- 要約: 約15分(読解5分+執筆8分+見直し2分)
- 英作文: 約20分(構想3分+執筆14分+見直し3分)
- 予備: 約5分
ライティングを先に解く受験者もいますが、どちらでも構いません。大切なのは「ライティングに35分残す」と決めておくことです。リーディングの時間短縮は英検準1級リーディング対策を、リスニングは英検準1級リスニング対策をあわせてご覧ください。
ライティングが伸びる学習サイクル:「書く→添削→書き直す」
ライティングは、独学での自己採点が最も難しい技能です。単語や文法のミスは自分で気づけても、「内容が課題に答えているか」「構成が論理的か」は第三者の目がないと修正できません。伸びる学習サイクルはシンプルです。
1. 型に沿って時間を計って書く(要約15分・英作文20分) 2. 4観点で添削を受け、どの観点で失点したかを特定する 3. 指摘をふまえて同じ問題を書き直す(ここを省くと伸びません) 4. 週1本ペースで新しいトピックに広げる
イエナアカデミーでは、Slack上で稼働するAI自動添削を英検対策に組み込んでいます。英検公式と同じ4観点で級別に採点し、修正例までつけて返すため、「書いてから添削が返るまで」の待ち時間がほぼなく、書き直しのサイクルを毎週回せます。講師は全員英検1級ホルダーのバイリンガルで、AIの添削結果を個別指導に接続しています。この方法で学んだ生徒には、英検1級ライティングで684/850(CEFR C1相当)に到達した例もあります(※個人の成績です)。
よくある質問(FAQ)
Q1. ライティングは何割取れば合格できますか?
素点からCSEスコアへの換算は回ごとに統計的に調整されるため、「何割で合格」という公式基準はありません。一次試験は3技能合計2250点満点中1792点が合格基準スコア(固定)なので、ライティングで稼げれば他技能の不足を補えます。詳しくは合格点まとめ記事をご覧ください。
Q2. 語数が60〜70語(120〜150語)から外れたら0点になりますか?
指定語数は問題冊子で「目安(Suggested length)」として示されています。ただし大きく外れた答案は、内容の過不足として評価に影響しやすいのは事実です。練習段階から指定語数の範囲に収める習慣をつけましょう。
Q3. スペルミスや文法ミスが1つあると大幅減点ですか?
採点は答案全体を4観点で評価する方式で、ミス1つで大きく崩れる仕組みではありません。ただし同種のミスの繰り返しは語彙・文法の評価を下げます。見直し時間を2〜3分確保し、三単現・時制・冠詞を優先的にチェックするのが実務的です。
Q4. 要約で本文中の単語を使ってはいけませんか?
キーワードとなる名詞(政策名・固有名詞など)まで言い換える必要はありません。避けるべきなのは「文単位のコピー」です。文の構造を変える・動詞を言い換える・2文を1文に統合する、のいずれかを施していれば「自分の言葉で」の要件に近づきます。
Q5. 二次試験(スピーキング)にもライティング対策は役立ちますか?
役立ちます。英作文の「意見+理由2つ」の型は、二次面接のQ&Aで意見を述べる際の骨組みと共通しています。二次対策は英検準1級スピーキング対策で詳しく解説しています。
まとめ:型を固めて、書き直しの回数で勝つ
- 準1級ライティングは要約(60〜70語)+英作文(120〜150語)の2題。CSE750点満点の大きな配点源
- 採点は内容・構成・語彙・文法の4観点。書く前に「見られていること」を知る
- 要約は「段落ごとに1文」の3文構成、英作文は4段落テンプレートに流し込む
- 伸ばす鍵は添削と書き直し。自己流で書き続けても4観点の穴は埋まりません
「今の実力でライティングは何点くらい見込めるのか」「合格基準スコア1792点まであとどれくらいか」を知りたい方は、イエナアカデミーの無料体験・学習相談をご利用ください。現状の答案を4観点で診断し、合格ラインまでの距離と優先すべき対策を具体的にお伝えします。英検対策コースの詳細はこちら、無料体験・学習相談のお申し込みはこちらからどうぞ。
出典(いずれも日本英語検定協会公式)
- 準1級の試験内容: https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/
- 英検CSEスコアと合格基準スコア: https://www.eiken.or.jp/eiken/result/eiken-cse_admission.html
- 技能別満点・スコア算出の考え方: http://faq.eiken.or.jp/faq/show/2006
- 試験概要: https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/about/
- 語数・指示文は2026年度第1回一次試験(準1級)問題冊子で確認
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