- 英検1級のリーディングは大問1(短文の語句空所補充22問)・大問2(長文の語句空所補充6問)・大問3(長文の内容一致選択7問)の計35問。ライティングと合わせて筆記100分です。
- 攻略の順番は「語彙→時間配分→設問先読み」。特に大問1の語彙22問は知識勝負のため、単語学習が得点効率の最優先事項です。
- 素点からCSEスコアへの換算は回ごとに調整されるため「何割で合格」は公式非公表。本記事の正答率の話はすべて目安(私見)として扱ってください。
英検1級のリーディングで伸び悩む原因の多くは、読解力そのものより語彙・時間配分・設問へのアプローチ順のどれかの崩れにあります。この記事では、英検公式サイトで確認できる最新の試験形式をもとに、大問ごとに「まず何を読むか」から手順を分解します。私たちイエナアカデミー(文京区茗荷谷の英語塾)が指導現場で使っている考え方です。
英検1級リーディングの試験形式(2024年度リニューアル後)
まず形式の確認です。英検公式サイトによると、1級一次試験のリーディングは次の構成です。
| 大問 | 形式 | 問題数 |
|---|---|---|
| 大問1 | 短文の語句空所補充(語彙) | 22問 |
| 大問2 | 長文の語句空所補充 | 6問 |
| 大問3 | 長文の内容一致選択 | 7問 |
- 筆記(リーディング+ライティング)は100分、リスニングは約35分です。
- ライティングは2024年度リニューアルで英文要約1問+意見論述1問の2題になりました。リーディングに使える時間はその分シビアになっています。
- 一次試験はリーディング・リスニング・ライティングの3技能で、各技能の満点はCSEスコア850、一次合計の満点は2550です。
合格に必要なスコアの考え方
一次試験の合格基準はCSEスコア2028(満点2550)、二次試験は602(満点850)です。ただし素点(何問正解したか)からCSEスコアへの換算は項目応答理論に基づいて回ごとに調整されるため、「リーディングで何割取れば合格」という公式の基準は存在しません。3技能で大きな穴を作らず各技能7割前後を安定させるのが一つの目安、というのが私たちの私見です(回により変動します)。CSEスコアの仕組みは英検の合格点・合格ラインまとめで詳しく解説しています。
時間配分の目安|リーディングは45分で切り上げる
筆記100分の使い方が1級の合否を大きく左右します。要約が加わった現在の形式では、ライティングに十分な時間を残すことが大前提です。以下は私たちが推奨する配分の目安(私見)です。
| セクション | 目安時間 | 内訳 |
|---|---|---|
| 大問1(語彙22問) | 約10分 | 1問あたり25〜30秒 |
| 大問2(長文空所補充6問) | 約12分 | 1つの長文に約6分 |
| 大問3(長文内容一致7問) | 約20分 | 設問先読み込み |
| リーディング小計 | 約42〜45分 | 見直し含む |
| ライティング(要約+意見論述) | 約50〜55分 | 要約20分・論述30分強 |
ポイントは2つ。大問1は知識問題なので、知らない単語に30秒以上使わず即断即決で貯金を作ること。そして、ライティングを先に仕上げてからリーディングに戻る順番も有力です。英検1級ライティング対策で要約・論述の型を固めて時間を圧縮できると、リーディングに余裕が生まれます。
大問別の解き方|設問タイプごとの手順
大問1(短文の語句空所補充22問):知識で即断、迷ったら消去法
短文の空所に入る語を選ぶ形式で、純粋な語彙知識の勝負です。
1. 選択肢を見る前に空所前後を読む。入るべき品詞と、文脈がポジティブかネガティブかを判定します。 2. 知っている語から文脈に当て、確信できたら即マーク。 3. 知らない語が並んだら接頭辞・語根で推測(bene-=良い、mal-=悪い等)。絞れなければ「見たことすらない語」を外して残りから選び、印を付けて先へ。
後半に句動詞の問題が含まれるのも1級の特徴です。句動詞は推測が効きにくいため、対策の有無がそのまま差になります。
大問2(長文の語句空所補充6問):空所の段落だけで解こうとしない
論説文の空所に合う語句を選ぶ形式です。問われているのは語彙力よりも論理展開(談話標識)を追う力です。
1. タイトルと第1段落を先に読み、文章のテーマと筆者のスタンスをつかむ。ここを飛ばすと空所の前後だけでは解けません。 2. 空所を含む段落を頭から読み、空所の直前と直後の文の関係を判定する。順接か逆接か、具体例か一般化か。 3. 選択肢を「論理の向き」で絞る。However型(逆接)・For example型(例示)・In other words型(言い換え)のどれが要求されているかを先に決め、それから内容を照合します。
英検1級の長文パラグラフは「主張→根拠・具体例→(譲歩)→再主張」という型で書かれることが多く、空所はこの型の接続部分に置かれます。型を意識して読むだけで正答率が安定します。
大問3(長文の内容一致選択7問):設問を先に読む
800語級の長い論説文を含む形式で、時間切れの最大要因です。「まず何を読むか」の順番を固定しましょう。
1. 最初に設問文(選択肢は読まない)に目を通す。「何について問われるか」のキーワードを頭に入れます。設問は原則として本文の段落順に並ぶため、これが読解の地図になります。 2. 第1段落を丁寧に読む。テーマと筆者の立場はほぼここで提示されます。 3. 設問1のキーワードが出てくる段落まで読み、出てきたらその段落を精読して解答。1問解けたら次の設問のキーワードを確認し、続きを読み進めます。 4. 選択肢の照合は「言い換え」を疑う。本文の語がそのまま入った選択肢はむしろ誤答の定番です。本文の内容をパラフレーズした選択肢が正解になるパターンが頻出です。
「全文を読み終えてから設問へ」は1級の分量では時間が持ちません。設問→該当段落→解答のサイクルを崩さないことが鉄則です。
英検1級の単語学習|優先順位のつけ方
「英検1級 単語」は範囲が広大に見えますが、得点への貢献度で優先順位をつけられます。
1. 最優先:大問1頻出レベルの単語集を1冊決めて反復。大問1だけで22問と、リーディング35問の6割超を占めます。語彙学習の得点効率が最も高い級です。 2. 第2優先:句動詞・イディオム。推測が効かない領域です。 3. 第3優先:長文頻出の分野語彙(科学・社会政策など)。過去問の長文に出た未知語を拾う形で十分です。 4. 似た語との区別まで覚える。大問1の選択肢は同じ意味分野の語で揃えられるため、派生語・反意語をセットで押さえて初めて得点になります。
1日の新規語数を欲張るより、同じ語に繰り返し出会う復習間隔の設計が定着を決めます。直前期は新規を止め、既習語の高速回転に切り替えてください。
本番でつまずいたときの対処
- 大問1で知らない語が続いても動揺しない。満点は不要です。一次はCSEスコアの3技能合計で決まるため、他技能で補う設計が可能です。英検1級リスニング対策と合わせて得点設計を作りましょう。
- 大問3で時間が足りなくなったら、残りはキーワード検索型(該当段落だけ読んで解く)に切り替え、白紙は避けます。
なお、イエナアカデミーの英検対策は講師全員が英検1級を取得したバイリンガルで、2024年新形式対応の独自予想問題集を使い、上記の大問別手順をそのまま演習に落とし込んでいます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 英検1級のリーディングは何割取れば合格できますか?
公式の基準はありません。素点からCSEスコアへの換算は項目応答理論で回ごとに調整されるため、「何割で合格」は公表されていません。3技能バランス型なら各技能7割前後が一つの目安というのが私たちの私見ですが、回により変動します。
Q2. 単語集は何周すればいいですか?
周回数より「1語あたりの接触回数」で考えてください。忘れる前に再会する間隔(1日後→3日後→1週間後)で回すのが効率的です。直前期は新規語を止め、既習語の総点検に充てます。
Q3. 長文は全文読むべきですか?
大問3は「設問先読み→該当段落を精読」が原則です。ただし第1段落だけは必ず丁寧に読んでください。テーマと筆者の立場を外すと、パラフレーズされた選択肢の照合ができなくなります。
Q4. 準1級とのレベル差はどこにありますか?
最大の差は語彙です。大問1の単語は準1級合格者でも初見のものが多く含まれます。長文の解き方(設問先読み・段落対応)は準1級と共通なので、読解の型がある方は語彙に学習時間を集中させるのが近道です。
Q5. 2024年度リニューアルでリーディングはどう変わりましたか?
中心はライティングへの英文要約の追加(1級・準1級・2級が対象)です。筆記100分内でライティングの比重が増したため、リーディングを45分前後で切り上げる時間管理の重要性が高まっています。
まとめ|語彙×時間配分×設問先読みで得点を設計する
- リーディングは35問。大問1(語彙22問)が最大の得点源であり、単語学習が最優先
- 筆記100分のうちリーディングは45分前後で切り上げ、要約+論述に時間を残す
- 大問2は論理の向き、大問3は設問先読み→該当段落精読。「まず何を読むか」を固定する
- 合格基準は一次CSE2028/2550。素点換算は毎回調整されるため、割合の断定はできない
「合格ラインまであとどのくらいか」は、技能別CSEスコアからの逆算が確実です。イエナアカデミーの無料体験・学習相談では、現状スコア(または過去問の出来)から合格ラインまでの距離を診断し、リーディング・語彙にどれだけ時間を割くべきか学習計画をご提案します。無料体験・学習相談はこちらから。英検対策コースの詳細は英検®対策コース案内をご覧ください。
出典
- 英検公式サイト「1級の試験内容」 https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_1/
- 英検公式サイト「英検CSEスコアでの合否判定方法について」 https://www.eiken.or.jp/eiken/result/eiken-cse_admission.html
- 英検公式FAQ「合格に必要な正答数・正答率」 http://faq.eiken.or.jp/faq/show/2006
- 英検公式サイト「英検について」 https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/about/
▼ この記事のガイドページ
