- 英検3級のリスニングは全30問・約25分。第1部だけ放送が1回なので、対策の優先度がもっとも高いパートです。
- 得点を分けるのは「先読み」。放送前に選択肢へ目を通し、「何を聞き取るか」を先に決めるだけで正答率は安定します。
- 「聞き取れない」の原因は、音声知覚・語彙・処理速度の3つに分解できます。原因別に毎日の練習メニューを時間つきで紹介します。
英検3級を初めて受ける中学生のみなさん、そして保護者の方へ。リスニングは「たくさん聞けばそのうち聞こえるようになる」と思われがちですが、実際には解き方の技術(先読み)と聞こえない原因に合った練習の2つをそろえたときに、いちばん短い時間で伸びます。この記事では、指導現場で実際に使っている手順を、今日から真似できる形でお伝えします。
まず結論:3級リスニングは「先読み×原因つぶし」で攻略する
やるべきことは2つだけです。
1. 試験中の技術……放送が始まる前に選択肢を先読みし、「聞くポイント」を決めてから聞く 2. 試験までの練習……自分が聞き取れない原因(音・語彙・速度)を特定し、そこだけを毎日15〜20分鍛える
やみくもに過去問の音声を流し聞きするのは遠回りです。順番に説明します。
英検3級リスニングの試験形式(英検公式サイトで確認済み)
一次試験は筆記(リーディング・ライティング)65分+リスニング約25分という構成です。リスニングは次の3部・全30問です。
| パート | 形式 | 問題数 | 放送回数 |
|---|---|---|---|
| 第1部 | 会話の応答文選択(イラストを見ながら答える) | 10問 | 1回のみ |
| 第2部 | 会話の内容一致選択 | 10問 | 2回 |
| 第3部 | 文(英文)の内容一致選択 | 10問 | 2回 |
最大のポイントは、第1部だけ放送が1回だということ。第2部・第3部は2回流れるので、1回目で聞き逃しても挽回できますが、第1部は聞き逃したらそこで終わりです。対策の時間配分も第1部に厚めに割くのが定石です。
合格ラインとリスニングの重み
英検の合否は素点(正解数)ではなく、CSEスコアという指標で決まります。CSEスコアとは、技能ごとの英語力を共通のものさしで数値化したスコアのことです。3級の一次試験はリーディング・ライティング・リスニングの3技能で、各技能満点550・合計満点1650のうち1103以上で一次合格です(二次試験は満点550のうち353以上)。
つまりリスニングは一次スコアの3分の1を占める、配点上とても大きな技能です。素点からCSEスコアへの変換は回ごとに統計的に調整されるため、「何問正解すれば合格」という公式基準はありません。仕組みの詳細は英検の合格点・合格ラインまとめで解説しています。
なお、2024年度のリニューアルで3級のライティングにはEメール問題が追加されました。筆記の変更点は英検3級ライティング対策をご覧ください。
先読み戦術:放送前に「何を聞くか」を決める
リスニングが得意な受験者は、耳が良いのではなく、聞く前の準備が上手いのです。先読みとは、放送が流れる前に問題冊子の選択肢に目を通し、聞き取るポイントをしぼり込む技術を指します。
先読みで見るのは「選択肢の違い」
選択肢を読むときは、全文を訳そうとせず選択肢どうしの違う部分だけに注目します。
- 選択肢が「At school. / At home. / In the park.」→ 場所が問われると予測できる
- 「On Monday. / On Friday. / Tomorrow.」→ いつを聞き取ればよい
- 主語が全部違う → 誰がしたのかに集中する
「違い」が聞くべきポイントそのものです。放送前に問いを予測できていれば、30秒の会話のうち本当に集中すべき数秒がわかります。
パート別の先読みポイント
- 第1部:選択肢は放送でしか流れません。先読みの対象はイラストです。「誰と誰が、どこで、何をしている場面か」を放送前に言葉にしておくと、最後に流れる問いかけへの応答を選びやすくなります。
- 第2部・第3部:印刷された選択肢を先読みします。1回目の放送で答えの見当をつけ、2回目は確認にあてるのが基本リズムです。
先読みの時間はどう作るか
先読みの時間は、前の問題を引きずらないことで生まれます。迷った問題はいったんマークして切り捨て、放送の合間はすべて次の選択肢を読む時間にあてる。「解答は放送中に、合間は先読みに」と役割を固定するだけで、後半の正答率が目に見えて安定します。過去問演習の段階からこのリズムで解く練習をしておきましょう。
「聞き取れない」の原因は3つに分解できる
同じ「聞き取れない」でも、原因は人によって違います。自分がどのタイプかを見極めると、練習の効率が大きく変わります。判定方法は簡単で、聞き取れなかった問題のスクリプト(放送文の台本)を読んでみることです。
原因1:音声知覚――読めばわかるのに、音になると聞こえない
スクリプトを読めば簡単にわかるのに聞き取れない場合、原因は音の知覚です。英語は「want to→ワナ」「get up→ゲラップ」のように、単語どうしがつながって発音されます。文字と音のギャップを埋める練習が必要です。
- 処方箋:音読とオーバーラッピング(スクリプトを見ながら音声にかぶせて読む)。自分で発音できる音は聞き取れるようになります。
原因2:語彙――そもそも単語を知らない
スクリプトを読んでも意味がわからないなら、リスニング以前に語彙の問題です。3級は身近な日常場面(学校・家庭・買い物など)が中心なので、単語帳は音声つきで回すのが鉄則です。目で覚えた単語は、音で出会ったときに反応できないからです。
- 処方箋:単語学習は必ず音声を聞きながら。「見てわかる」ではなく「聞いてわかる」状態をゴールにします。
原因3:処理速度――単語はわかるのに、意味の組み立てが追いつかない
一語一語は聞こえるのに、文が終わるころには前半を忘れている——これは日本語に訳しながら聞いていることが原因です。英語の語順のまま前から理解する回路を作る必要があります。
- 処方箋:シャドーイング(音声の1〜2語あとを影のように追いかけて口に出す練習)と、少し遅い音声からの段階的なスピードアップ。
毎日の練習メニュー(時間つき)
原因診断をふまえた、平日15〜20分の標準メニューです。教材は3級の過去問音声を使います。
| 時間 | メニュー | ねらい |
|---|---|---|
| 5分 | 音声つき単語学習(20〜30語) | 語彙を「聞いてわかる」状態に |
| 5分 | 過去問リスニング5問を先読み→解答 | 先読みのリズムを体に入れる |
| 5〜8分 | 間違えた問題のスクリプト確認→原因判定→音読・オーバーラッピング3回 | 音声知覚・処理速度の強化 |
| 2分 | 同じ問題をもう一度聞いて全部聞こえるか確認 | 仕上げの成功体験 |
週末は25分程度に拡張し、第1部10問を通しで解く→全問スクリプト音読をセットにすると、放送1回のプレッシャーに慣れることができます。試験2週間前からは、リスニング約25分を通しで解く「本番リハーサル」を週1回入れてください。
なお、何問正解を目標にすべきかはCSEスコアの仕組み上一概に言えませんが、私たちの指導経験では3部合計で7〜8割の正答を安定して出せると安心感があります(※これは私見であり、回により変動します)。
第1部の頻出パターンと当日の流れ
第1部でよく出る応答のパターン
第1部は「最後の一言への自然な返事」を選ぶ問題です。頻出の問いかけは次の型に集約されます。
- 依頼・提案:Can you 〜? / Shall we 〜? → 「Sure. / Sorry, I can’t.」系の応答
- 疑問詞の質問:When / Where / Who / How long など → 疑問詞に対応する情報で答える
- 感想・報告への相づち:That’s great. / Sounds fun. 系
過去問を解くたびに「どの型だったか」をメモすると、10問の見え方が変わってきます。イエナアカデミーの英検対策では、この型分析をもとにした独自の予想問題集(2024年度の新形式にも対応)を使い、英検1級を持つバイリンガル講師が発音・音のつながりまで含めて指導しています。
当日のチェックリスト
1. 筆記65分の最後は時間を残し、リスニングの選択肢を先読みする余裕を作る(筆記終了後すぐ放送が始まるため) 2. 第1部の説明放送の間に、最初のイラストを確認しておく 3. 迷ったら引きずらない。マークして次の先読みへ 4. 第2部・第3部は「1回目で仮決め、2回目で確認」
よくある質問(FAQ)
Q1. 英検3級のリスニングは何問中何問正解すれば合格ですか?
合否はCSEスコアで判定され、素点からの換算は回ごとに調整されるため、「何問で合格」という公式基準はありません。一次試験は3技能合計1650点満点中1103点が合格基準です。目安の正答率を置くなら7〜8割ですが、これは私見であり回により変動します。
Q2. 聞き取れないとき、まず何から始めればいいですか?
聞き取れなかった問題のスクリプトを読んでください。読めばわかるなら音読・オーバーラッピング、読んでもわからないなら音声つきの単語学習、単語はわかるのに追いつかないならシャドーイングが最短ルートです。
Q3. 先読みはいつ練習すればいいですか?
過去問演習の1問目から使ってください。本番だけ先読みしようとしても間に合いません。「合間はすべて先読み」のリズムを普段の演習で固定するのがコツです。
Q4. 音声は1.〇倍速で聞いたほうがいいですか?
まずは等速で「全部聞こえる」状態を作るのが先です。等速で9割聞こえるようになった教材に限り、少し速い速度で負荷をかけるのは有効です。
まとめ:合格ラインまでの距離を測って、原因に効く練習を
- 3級リスニングは30問・約25分。第1部(放送1回)への備えが最優先
- 先読みで「何を聞くか」を決めてから聞く
- 聞き取れない原因を音声知覚・語彙・処理速度に分解し、毎日15〜20分だけ原因に効く練習をする
とはいえ、「自分の子どもがどの原因でつまずいているのか」を家庭で見極めるのは意外と難しいものです。イエナアカデミーの英検対策コースでは、現在のスコアと合格ラインまでの距離を診断したうえで、原因別の練習メニューを設計します。無料体験・学習相談はこちらからどうぞ。
出典(2026年7月時点)
- 英検3級 試験内容(日本英語検定協会): https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_3/
- 英検CSEスコアでの合否判定方法について: https://www.eiken.or.jp/eiken/result/eiken-cse_admission.html
- 各級の合格基準スコア(英検FAQ): http://faq.eiken.or.jp/faq/show/2006
- 英検について(試験概要): https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/about/
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