この記事でわかること
・2027年度の理系入試を「12月〜3月」で見渡すカレンダー
・合否を左右する4つの鉄則(試験日の被り/共テ利用の締切/前期・後期/資金設計)
・私大理系〜国公立を、日程が衝突しないように組む考え方
理系の併願は、文系以上に「日程の設計」が結果を左右します。理工・理学系は同じ大学でも学科や方式で試験日が分かれ、しかも難関私大の入試日は2月上旬の同じ週に集中するからです。「受けたい大学に出願はできたのに、試験日が重なって片方しか受けられなかった」——これは毎年起きる、もっとも避けたい失敗です。
この記事では、2027年度の実際の日程をもとに、理系の併願スケジュールの組み方を「4つの鉄則」に整理します。まず全体像から見ていきましょう。
日程の確度について:本記事の日付は2026年7月時点で判明している情報に基づきます。私立大学は2027年度の確定・公表値を中心に、東京理科大学の試験日は前年実績、国公立の合格発表日は例年基準を含みます。出願前に必ず各大学の募集要項(例年11月上旬公開)で最終確認してください。
まず全体像:2027年度 理系併願カレンダー(12月〜3月)
理系の入試は、大きく4つのフェーズで進みます。
1. 12月:一部の年内入試の出願(例:東京科学大の総合型選抜・学校推薦型選抜は12月中旬出願) 2. 1月:大学入学共通テスト(1/16・17)と、私大の出願・共通テスト利用の出願締切、国公立の出願(前期+後期を同時出願) 3. 2月上旬〜中旬:私大の個別入試ラッシュ(2/2〜2/16) 4. 2月下旬〜3月:国公立前期(2/25〜)→ 私大・前期の発表 → 国公立後期(3/12)→ 後期発表(3/20頃)
主要な日付をダイジェストにすると、次のとおりです。
| 時期 | 主な入試 |
|---|---|
| 1/16・17 | 大学入学共通テスト 本試(私大の共テ利用・国公立が使用) |
| 2/2〜2/8 | 東京理科大(B方式・学部で日替わり)ほか私大が開始 |
| 2/5 | 法政 理工(T日程) |
| 2/6 | 上智 理工(TEAP型)/立教 理(全学部①) |
| 2/7 | 理科大 薬/青山学院 全学部/学習院 理コア/東京科学大 情報理工(面接)←4校が同日 |
| 2/9 | 立教 理(全学部②)/学習院 理プラス |
| 2/10 | 慶應 薬/青山学院 理工A方式 |
| 2/11 | 上智 理工併用/青山学院 理工B方式/法政 理工Ⅰ日程 ←3校が同日 |
| 2/12 | 慶應 理工 |
| 2/15・16 | 中央 理系(一般)/早稲田 基幹・創造・先進理工 |
| 2/25・26 | 国公立 前期日程(東大は理三のみ2/27に面接) |
| 3/12 | 国公立 後期日程 |
| 3/20頃 | 国公立 後期 合格発表 |
このカレンダーを「そのまま受験計画に落とす」ときに効いてくるのが、次の4つの鉄則です。
【鉄則1】試験日の“被り”を最初に潰す
併願校を決めるとき、偏差値や配点より先に「試験日の重複」を確認してください。 同じ日に試験がある大学は、当然どちらか一方しか受けられないからです。
2027年度の理系で特に混み合うのが、次の2日です。
- 2月7日:理科大 薬・青山学院 全学部日程・学習院 理(コア試験)・東京科学大 情報理工(総合型の面接)が同日。最大で4校が競合します。
- 2月11日:上智 理工(併用方式)・青山学院 理工(B方式)・法政 理工(Ⅰ日程)が同日。3校が競合します。
逆に、2/12(慶應 理工)・2/14(法政 理工Ⅱ日程)・2/15(中央 一般)・2/16(早稲田 理工)は単独日で重なりが少なく、押さえやすい日です。
私たちの指導現場では、まず志望校の試験日を1本のカレンダーに書き出し、「同じ日にしたい2校」が出た時点で優先順位を決めるようにしています。多くの大学は同じ学部でも方式や日程が複数あるため、「第1志望はA方式、被る第2志望は別日程の方式へ振る」といった調整で、両方を受けられることも少なくありません。
【鉄則2】共通テスト利用は「共テ本番より前」に出願が締切る
共通テスト利用(個別試験なしで、共テの点数で合否が決まる私大の方式)は、多くが共通テスト本番(1/16・17)より前に出願が締切ります。 これは意外な盲点です。
たとえば2027年度は、上智・青山学院・立教・法政・学習院・中央・東京理科大の共テ利用が、おおむね1月5日〜15日に出願締切。つまり「共通テストを受けて、自己採点の手応えを見てから出す」という時間はありません。共テ前に「出す・出さない」を決め打ちしておく必要があります。
数少ない例外もあります。
- 東京理科大 A方式(2教科型):出願は〜2月上旬、合格発表3月上旬。
- 中央大 共通テスト利用(後期):3月出願。
これらは共テの結果を見てから出せるので、取りこぼしの“救済”に使えます。なお、慶應義塾大学は全学部で共通テスト利用入試を実施していません(独自試験のみ)。早稲田大学は共通テスト利用がありますが、基幹・創造・先進理工の3学部は対象外です。共テ利用で早慶理工を押さえることはできない、と覚えておいてください。
【鉄則3】国公立は前期+後期で「各1校」(後期は実質1校)
国公立大学は「分離分割方式」といって、前期日程・後期日程でそれぞれ1校ずつしか出願できません。 しかも出願は1月末に前期・後期をまとめて行うため、この時点で前期・後期の2校を決めておく必要があります。
- 前期(2/25〜):ここが本命。東大・東京科学大などを受けるならこの枠。
- 後期(3/12):前期がうまくいかなかった場合の受け皿。横浜国立・東京都立大・筑波・千葉・東京農工大などに理系後期があります。
注意したいのは、後期はほとんどの大学が3/12の同日実施という点です。つまり後期も実質「1校」。さらに、前期で合格して入学手続きをすると後期は自動的に受験資格を失います。後期は「前期がダメだったときの保険」と位置づけるのが現実的です。
補足:東京大学と東京科学大学には一般の後期日程がありません(東大は学校推薦型選抜で代替)。後期を狙う場合は、上記の横国・都立大・筑波・千葉・農工大などが対象になります。
【鉄則4】合格発表→入学手続き期限の「資金設計」を先に決める
理系併願で見落としがちなのが「お金の締切」です。 私大の合格発表と入学手続き(納入)の期限は、国公立の発表より前に次々とやってきます。
2027年度の私大の発表は、2月13日(中央 共テ利用)→2月15日(上智・青山)→2月16日(早稲田・理科大の一部)→2月中旬〜下旬に集中します。一方、国公立前期の発表は3月6日〜10日頃、後期は3月20日頃。
つまり、国公立の結果が出る前に、私大の入学金(大学により概ね20〜30万円)を「払う・待つ」の判断を迫られます。 ここを事前に決めておかないと、想定外の出費や、逆に手続きを逃して合格を無駄にする事態が起きます。
私見ですが、対策は次の2つです。
1. 志望順位と「ここに受かったら国公立の結果を待たずに進学してよい」というラインを、受験前に家庭で共有しておく。 2. 併願校に延納・分納の制度があるかを出願前に確認する(大学により、入学金だけ先に納めれば授業料は国公立発表後まで待てる場合があります)。
大学別の入試日程はこちら(学科・方式の詳細)
各大学の学科ごとの試験日・合格発表日・方式の使い分けは、個別の記事にまとめています(順次公開)。
- 早稲田大学 基幹・創造・先進理工の入試日程
- 慶應義塾大学 理工学部・薬学部の入試日程
- 東京理科大学 入試日程(A方式・B方式・共通テスト利用の早見表)
- 中央大学 理工系の入試日程
- 立教大学 理学部の入試日程
- 上智大学 理工学部の入試日程(TEAP・共テ併用・共テ利用の使い分け)
- 学習院大学 理学部の入試日程
- 青山学院大学 理工学部の入試日程
- 法政大学 理工学部の入試日程
- 東京科学大学(旧東工大)前期日程
- 私大理系「共通テスト利用」で出せる大学まとめ
- 国公立「後期日程」がある理系学部まとめ
併願モデルケース(2パターン)
あくまで一例です。実際は本人の学力・志望・費用の条件で変わります。
① 国公立理系が第1志望の場合
共通テスト利用で私大の安全校を1〜2校押さえる(共テ前に出願)→ 2月上旬〜中旬に私大理系を1〜2校受験(本命前の“場慣れ”)→ 2/25 国公立前期(本命)→ ダメなら 3/12 後期(横国・都立大など)。
② 私大理系が第1志望の場合
2月上旬から日程の被りを避けて4〜6校を配置し、第1志望の試験日にコンディションのピークが来るよう並べる → 共通テスト利用は「確実に取れる安全校」に限定して体力を温存 → 個別試験は第1志望群に集中。
よくある質問(FAQ)
Q. 理系の併願は何校くらいが目安ですか?
A. 一般には5〜8校程度が一つの目安ですが、校数より「日程が被って受けられない組み合わせ」を先に潰すことの方が重要です。
Q. 共通テスト利用はいつまでに出願すればいいですか?
A. 多くの私大は共通テスト本番(1/16・17)より前、おおむね1月上旬〜中旬が締切です。自己採点を見てから出せる方式は限られます。
Q. 国公立は前期と後期で何校受けられますか?
A. 原則として前期1校・後期1校です。後期は同日実施が多いため、実質1校と考えてください。
Q. 慶應や早稲田理工は共通テスト利用で出せますか?
A. 慶應は全学部で共通テスト利用を実施していません。早稲田も理工3学部は対象外です。
Q. 私大の入学金はいつまでに払いますか?
A. 国公立の発表より前に締切が来ることが多いです。延納・分納制度の有無を出願前に確認しておきましょう。
主な出典(公式情報)
日程・方式は各大学の公式発表を根拠にしています。最新・正式な日程は、必ず各大学の募集要項でご確認ください。
まとめ
理系の併願は、「どこを受けるか」より先に「いつ受けるか=日程の設計」で差がつきます。
- 試験日の被りを最初に潰す(2/7・2/11が特に混む)
- 共通テスト利用は共テ本番より前に出願が締切る
- 国公立は前期+後期で各1校(後期は実質1校)
- 合格発表と手続き期限の資金設計を受験前に決めておく
この4点を押さえるだけで、「出願できたのに受けられなかった」「手続きを逃した」という失敗はほぼ防げます。
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